「雑然」の意味とは?対義語、類語や英語、使い方や例文を紹介!
「雑然」という言葉はどこかで聞いたことがあるが、使ったことはない、という人が多い言葉です。
ここでは小説やテレビのなかでは聞かれることの多い「雑然」という言葉について、基本的な意味や読み方から、英語や類語までご紹介していますので、この機会にぜひ一読ください。
目次
- 「雑然」の意味とは?
- 「雑然」の読み方・漢字
- 「雑然」の英語
- 「雑然」の言葉の使い方
- 「雑然」を使った言葉と意味を解釈
- 「雑然」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「雑然」の類語や類義表現
- 「雑然」の対義語・反対の表現
「雑然」の意味とは?
「雑然」とは「片付けがされていないままの状態であること」、「ごたごたと入り混じり、まとまりがないこと」、「整理されていないこと」、を表す言葉です。
多くのものが秩序なくあることを「雑然」といい、ものの状態などに対して使われることの多い言葉です。
「雑然」の読み方・漢字
「雑然」は「ざつぜん」と読みます。
「雑」という漢字にはほかに、「ゾウ」「ま-じる」「ま-ぜる」という読みがあり、とりとめのないこと、大まかであることなども意味しますが、ここではまざる、まぜること、入り乱れていること、といった意味で使われています。
「然」という漢字はほかに、「ネン」「しか-り」「しか-り」「も-える」などの読みを持ち、しかり、肯定を表す、燃えること、しかし、などの意味がありますが、ここでは状態を表す語に添える、という形で使われています。
「雑然」の英語
いろいろなものが混ざりあっている、というとまず浮かぶのが“mix”です。
ほかに「雑然」を表す英語としてふさわしいのは、混乱や無秩序であることを示す“disorder”や“disorderliness”、混乱させることを表す“comfuse”、ごちゃごちゃしていることをいう“jumble”などでしょう。
時と場合によって使い分けられると、より伝えたいことが伝わるようになります。
「雑然」の言葉の使い方
「雑然と」「雑然とした○○」「雑然たる○○」のように使われ、なにが「雑然」としているのかが明らかにされていると、意味がよく伝わります。
「雑然」は総じてごちゃごちゃとしていたり、まとまりのないようすを指しますので、景色や様子を見て、感じるものといえるでしょう。
「雑然」を使った言葉と意味を解釈
では、「雑然」を使用した語句をいくつか見ておきましょう。
使い方の例ではありますが、よく使われるものですのでご覧ください。
- 「雑然とした部屋」
- 「雑然とした雰囲気」
「雑然とした部屋」
物が多く、ごちゃごちゃとしていたり、整理されていない、片付けを怠っている部屋の状態を、「雑然とした部屋」と表すことができます。
なかには、自分ではどこになにがあるかわかっているので、自分なりには秩序立っている、と感じている人もいますが、客観的に見るとごちゃごちゃしており、まとまりがない場合が多くあります。
「初めて招かれた彼女のアパートは、意外にも雑然とした部屋だった」
「雑然とした雰囲気」
人がたくさんいて、ばらばらに動いているようすは、客観的に見るととても「雑然」としており、そのような雰囲気を「雑然とした雰囲気」といいます。
指揮者、指導者のいないサークル活動などではそのような秩序のない雰囲気になりやすく、そういう場ではなかなか優れたものはうまれにくいでしょう。
しかし、「雑然とした雰囲気」を持っていても、誰しもがひとつの目的を達成することを描いていれば、個々に動いていても秩序がある、ということもあります。
「勧誘されたので見に行ったサークルの部室は、雑然とした雰囲気を醸していた」
「雑然」を使った例文や短文・意味を解釈
では次に、「雑然」を使用した例文を挙げていきます。
文脈をたどりながら、「雑然」という言葉の使い方を掴んでいってください。
- 「雑然」の例文1
- 「雑然」の例文2
「雑然」の例文1
「母は片付けが得意でなく、いつも洗濯物は雑然と積み重ねられたまま、居間に投げだしてある」
上衣と下衣、タオル類などが仕分けされず、なんの秩序もなく積み重ねられているようすをいいます。
片付けにはある種のセンスが必要で、その感覚を教わらないかぎり、自分では思いつかない、という人もいますし、単に片付けが嫌いだ、という人もいます。
「雑然」の例文2
「いつ来ても大阪は雑然とした街だ」
繁華街の多くは「雑然」としている、と感じる人が多いでしょう。
さまざまな店が連なり、彩り鮮やかな看板やネオンがあり、人種も入り乱れているなど、まとまりのないようすを一目で感じられます。
「雑然」の類語や類義表現
「雑然」の類語表現をご紹介します。
さまざまな表現を知っておくと、ぴったり当てはまる表現がすぐに思いつくようになっていきます。
- 「乱雑」【らんざつ】
- 「散らかる」【ちらかる】
「乱雑」【らんざつ】
乱れており、無秩序なこと、入り乱れていてまとまりのないこと、きちんと整理されていないことを意味する言葉で、「らんざつ」と読みます。
また、「乱雑」とは、整った状態であることが望まれますが、「雑然」ではかならずしも整う必要がない場合もあります。
「面倒になって乱雑な字ばかり書いて宿題を提出したが、受け付けてもらえなかった」
「散らかる」【ちらかる】
整理されていないこと、秩序なく乱れていること、片づけされておらず広がっていることなどを意味します。
物についていうことが多いですが、「思考が散らかっている」というように、頭のなかの記憶や思考についてもいうことがあります。
「子ども部屋は片付けてもすぐにまた散らかる」
「雑然」の対義語・反対の表現
最後に「雑然」の対義語を見ておきましょう。
類語だけでなく対義語もおさえておくと、いっそう語彙力があがります。
- 「整然」【せいぜん】
- 「調和」【ちょうわ】
「整然」【せいぜん】
「整然」とは、筋道だっていることや、道理にあてはまること、秩序に従い整っていることなどを意味し、「せいぜん」と読みます。
無秩序な状態でごちゃごちゃとまとまりのない「雑然」と真逆の意味あいで使われることから、対義語として当てはまります。
「理路整然」などの語句でよく使われています。
「運動会で子どもたちが整然とならんでいるさまを見ていると、成長を感じられる」
「調和」【ちょうわ】
全体のバランスがよく、整っていること、ほどよく均衡がとれていることを表す言葉で、「ちょうわ」と読みます。
「雑然」とした状態でも絶妙に均衡が取れていることもありますが、多くは整っておらず、全体のバランスを見ることが不可能な状態をさしますので、「調和」という言葉が対義語に当たることもあります。
「この区域では古い町並みと調和した建築しか認められていない」
「雑然」とは、秩序だっておらず、まとまりのないようすを表す言葉でした。
「雑然」としていることは、かならずしもよくないこと、という意味はありませんが、部屋はすっきりと片付け、誰の目にも「雑然」としていない状態を維持できると、人を招くときにも慌てずに済みます。