「逡巡」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
「逡巡」ってどういう意味なの?どんなときに使ったらいいの?という方、いらっしゃるかと思います。
「巡」の字はなんとなくわかっても、ほかであまり見ることのない「逡」なんて、いったいなんなのかわからない。
そんな方のために、「逡巡」について、意味や類語をご紹介します。
目次
- 「逡巡」の意味とは?
- 「逡巡」の類語や言い換え
- 「逡巡」の使い方
- 「逡巡」を使った例文
- 「逡巡」を使ったことば
- 「逡巡」の対義語
「逡巡」の意味とは?
「逡巡」とは、決心がつかずぐずぐずしたり、ためらったりすること、尻込みすることを言います。
「えー、どうしようかなあ」と思いあぐねることですね。
頭の中でぐるぐる回って、いろいろ考えてみるのだけれどなかなか答えが出ない。
そんなときあなたは、「逡巡」しているのだと言えます。
- 「逡巡」の読み方
「逡巡」の読み方
「逡巡」は、「しゅんじゅん」と読みます。
「逡」には、あとずさりする、しりぞく、ためらう、という意味があります。
「巡」には、回ってみる、めぐる、という意味があります。
ただ単にどうしよう、と思うだけでなく、そのことが頭の中から離れず、いつまでも考えて考えて、と悩んでいる状態を「逡巡」というのですね。
「逡巡」の類語や言い換え
ことばを理解するうえで、類語や言い換えのきくことばを知るというのはとても重要なことです。
「逡巡」がまだうまく理解できなくても、よく似たことばを見ていくうちに、「逡巡」の輪郭がつかめてくる、ということもあるでしょう。
それでは以下で、「逡巡」とよく似た意味を持つことばをご紹介します。
- 「優柔不断」【ゆうじゅうふだん】
- 「生煮え」【なまにえ】
- 「躊躇」【ちゅうちょ】
「優柔不断」【ゆうじゅうふだん】
ぐずぐずして判断が遅かったり、決断ができないことを言います。
このような性格の人はままおり、一見優しそうなのですが、深く付きあってみると、いつも責任を負わないようなことしか言わない、という特徴があるそうです。
「逡巡」している人も、「優柔不断」な人と同様、悩むことは必要なのですが、なにごとにもいつも悩み過ぎていて、答えを出せない、というのでは困ることもあるかもしれませんね。
「彼の優柔不断な態度が多くの女性を期待させていることは間違いない」
このように答えを出さない、出せないさまを表すときに使います。
「生煮え」【なまにえ】
読んで字のごとく、煮えきっていない状態をさします。
また、態度や性質がはっきりしていないさま、を意味することもあり、今回はこの意味で使われています。
「そのような生煮えの論旨でよくまかり通ると思ったものだ」と言われれば、結論を出せずじまいの曖昧な部分のあるものだとわかります。
ぐずぐずとしてはっきりしないところが「逡巡」に似たことばと言えるでしょう。
「躊躇」【ちゅうちょ】
ためらったり、戸惑うことを意味しています。
「躊躇」は、なにかをしようと思ったが、迷いが生じた、というような一時的なためらい、戸惑いを表すことが多いでしょう。
「合コンに誘われ、悪い気はしなかったのだが、メンバーを聞いて躊躇した」
「逡巡」では、いつまでもぐずぐずしていて結論が出るまでかなり時間を要しますが、「躊躇」では、瞬間的な迷いを意味します。
どちらもためらい、戸惑いを意味するところから類語と言えますが、使われるシーンはすこし異なりますので、注意して使ってみてください。
「逡巡」の使い方
「逡巡」+「する」で使われることが多いでしょう。
「〇〇に逡巡する」や、「逡巡して○○する」という使い方の型を覚えておくと応用がききますね。
語学とはそういうものかもしれませんが、型がわかるとそこに当てはめるだけでどんどん使えることばが増えていきます。
ではどんな場合に逡巡するのか、以下に例文を挙げていきます。
「逡巡」を使った例文
「ありふれた学部だけに、どの大学を志望するか逡巡している」
「ずいぶんと逡巡したが、結婚式のスピーチは幼馴染に依頼することに決めた」
「彼の主催するパーティーにはいつも大物ゲストが来るというので一度行ってみたい気はするが、なにせ参加費が高いので逡巡している」
例文からもわかりますが、「逡巡」は、どれだけ長くかかっても、最終的に結論を出すための悩み、と捉えることができます。
「逡巡」を使ったことば
「逡巡」の意味や使い方がかなり咀嚼されてきたのではないでしょうか。
ここで、「逡巡」が使われている四字熟語を紹介します。
あまり日常に使われることのない四字熟語もありますが、知っているとどこかで使えるものですよ。
また、語彙が広がるという点からも、覚えておいて損はないでしょう。
- 「遅疑逡巡」【ちぎしゅんじゅん】
- 「狐疑逡巡」【こぎしゅんじゅん】
- 「躊躇逡巡」【ちゅうちょしゅんじゅん】
「遅疑逡巡」【ちぎしゅんじゅん】
いつまでも疑い、決断ができずにためらうことを意味しています。
「いつまでも疑い、決心がつかない」ことを、「遅疑」というのですね。
「どの弁当にするか、原材料を見ながら遅疑逡巡しているうちに売り切れが続出し、選ぶほどのものが残らなくなってしまった」
このように疑り深く悩んでいる場面で使われることばになります。
「狐疑逡巡」【こぎしゅんじゅん】
上述の「遅疑逡巡」でも、「疑う」ということばが出てきましたが、こちらも、狐のように疑り深く、なかなか決心がつかずにぐずぐずしているようすを意味しています。
「慎重といえば聞こえはいいが、君のように狐疑逡巡としているとチャンスを逃しかねない。時にはぐずぐずと悩まず、動いてみればどうだ」
このように、疑り深く、考えすぎている人を諭すときに使うのにもいいでしょう。
「躊躇逡巡」【ちゅうちょしゅんじゅん】
「躊躇」は、一時的なためらいを表す、と前述しましたね。
これはある意味では、自分がどうしたいか、どうするべきかということは、実はわかっているが、踏ん切りがつかない、という意味にも取れます。
「躊躇逡巡」は、似た意味のことばを重ねることで強調していることばなのですが、「躊躇」が含まれた時点で、あとは踏ん切りがつくかどうか、というところまで来ているのだということがわかります。
「かなりの秀作だと自負しているので、この作品をポストに投函することが人生の分かれ道になるのだと思うと、躊躇逡巡してしまう自分がいる」
結論は自分のなかで出ているのだけど、それでもまだためらいを感じてしまう、そんなときにぴったりのことばですね。
「逡巡」の対義語
「逡巡」については意味や使い方がかなりわかってきたのではないでしょうか。
さらに理解を深めるために、「逡巡」と対になることばも見ておきましょう。
反対語、対義語を知っておくと、より語彙の幅が広がります。
ここに挙がっていることば以外にも、どんなことばが対義語に当たるか考えてみる、というのもいいでしょう。
- 「断行」【だんこう】
- 「即断即決」【そくだんそっけつ】
「断行」【だんこう】
「決断」も対になるのですが、さらに強い意志を持って、なにがあってもやるのだ、という意味を持つ、「断行」を挙げました。
「だんこう」と読みます。
課題や困難が目に見えていてもあえてやる、というような場面でも使われます。
「大改革を断行する」といった使われ方ですね。
いつまでもぐずぐずしている「逡巡」の対義語と言えます。
「即断即決」【そくだんそっけつ】
その場でただちに決断すること、判断をすぐに行うことを言います。
「そくだんそっけつ」と読む四字熟語になります。
考えるより先に行動することで、多くのチャンスを生み出している人もいますね。
どちらがいい、というものではありませんが、決断が速いということが強みになるシーンもあるでしょう。
「即断即決できる、という性格を買われ、彼は早くも課長になった」
このように、人の性質、性格をいうことが多いことばですが、「即断即決」ができるよううに、不断の努力をしてきたという人もすくなからずいるようですね。
「逡巡」とは、ぐずぐずとして決心がつかないさまをいうことばだとわかりましたね。
また、類義語や対義語についても、例文とともに紹介してきました。
わからない日本語があればこまめに調べる、ということを日々つづけていると、いざというとき、「逡巡」することなく日本語を操れるようになっていることでしょう。