「揮毫」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語は実に多くの言葉が存在しています。
普段の暮らしの中で、家族と交わす何気ない会話があれば、会社に行って職場の同僚や上司とのコミュニケーションで使われる言葉。
取引先との商談になると、ビジネス特有の言葉もあったりします。
最近では、間違った日本語の使い方をする若い年代の人もたくさんいますが、意味が通じれば何のことはない感じで、ごく普通に会話が成り立っています。
しかし、言葉の意味だけでなく、読み方さえ知らない言葉があることも事実。
例えば、「揮毫」という言葉です。
この言葉を見て、果たして素直に読むことができる人は、いったい何人いるでしょうか?
ましてや、「揮毫」の意味さえ知らない人の方が多いのではないかと思います。
目次
- 「揮毫」の意味とは?
- 「揮毫」の類語や言い換え・似た言葉
- 「揮毫」の言葉の使い方
- 「揮毫」を使った例文
- 「揮毫」を使った言葉を解釈
「揮毫」の意味とは?
「揮毫」の読み方は、「きごう」となります。
「きごう」と聞くと、すぐに思い浮かべる漢字は、おそらく「記号」でしょう。
しかし、「揮毫」を「きごう」という読み方をすることを知る人がいれば、すごいことですし、もしかすると、言葉の意味を知っているのではないでしょうか?
この漢字は、「書く」という動作に関連がありそうなのです。
- 「揮毫」の意味
- 一般的には使わない?
「揮毫」の意味
普段の日常生活の中で使うことことはまずありませんね。
専門的な言葉が行き交うビジネスの世界でも使う機会がないどころか、言葉自体を知らないのではないでしょうか?
「揮毫」で使われている漢字を見ると、「揮」は「ふるう」、「毫」は「筆」という意味も持っています。
そのことから、「ふでを揮(ふる)う」という意味が形成されていったという経緯があるようなのです。
言い換えると、「毛筆で文字や絵を書くこと」という解釈ができるのです。
意味が分かれば「なんだ、そんなに簡単な意味なのか」とちょっと拍子抜けしそうなのですが、ただ単純に「毛筆で書く」ということではありません。
一般的には使わない?
実は、知名人(有名人)から、書を頼まれて書くことの意味があるようです。
しかも、文字を書くだけでなく、「絵も含めて毛筆で書く」という意味になるので、昔から使われている古い言葉であることは間違いないでしょう。
広い意味では、筆で書かれているものは、全て「揮毫」と理解されてもおかしくはないと思われるのですが、一般的に、この言葉が使われるケースとしては、著名人や大家と呼ばれる書道家などが、有名人や裕福な富豪に依頼されて、それに応じて書いた格言、看板も「揮毫」と例えることがあります。
有名な「揮毫」と評価されてくると、高額で販売されることもあり、オークションの世界では、とても多くの人達がらの注目を浴びることになりそうです。
特に皇帝や天井人と呼ばれた人々が書いたものは、高値でオークションに掛けられるどころか、国宝として厳重に管理されるほどでに、多くの人前で疲労される時は、「席上揮毫」と呼ばれています。
「揮毫」という言葉は、おそらく昔は、筆を使うことが当たり前のことだったので、この言葉を使うことも日常的なことだったはずです。
しかし、現代では全く使うことはありません。
書道自体、小学校から中学校くらいまでしかやりまし、今では、文字を書くにしても、シャープペンやボールペンが普通のこと。
ましてや、パソコンやスマホでメールや文章を打ち込んでいくのですから、知らなくても、おかしくはないでしょう。
「揮毫」の類語や言い換え・似た言葉
では、「揮毫」を他の言葉で置き換えるなら、どのような言葉になるでしょうか?
- 「書きおろす」
- 「書きつづる」
「書きおろす」
1つには、「書き下ろす」という表現が近い言葉かもしらません。
しかし、「書き下ろす」となると、意味合いとしては、「新たに小説・脚本・論文などを書く」というニュアンスがつよくなってきます。
「揮毫」は、毛筆なので、少し意味的には違いがあるかもしれませんが、それでも似ている類義語として挙げることができるのではないかと思います。
確かに現代では、人気小説家が書いた著作を「書き下ろし」と表現しますね。
「書きつづる」
「書きつづる」も限りなく近い表現かもしれません。
この言葉の意味は、「言葉をつなげて文章を書く」ということになります。
「手紙を書きつづる」
「日記を書きつづる」
このような表現で使われますが、毛筆で書くなら、「揮毫」となるのでしょうか。
「揮毫」の言葉の使い方
この言葉を使うシチュエーションとなると、基本的には毛筆で何か言葉や文章、柄を書くことや描くことであれば、「揮毫」と言えるでしょう。
しかし、実際の使われる場面としては、前述の通り、著名人や書家が依頼されて書いたものに使われるので、かなり限定的な用法ではないでしょうか?
例えば、「格言」や「看板」の文字は書家のような腕の立つ人に書いて貰うと思いますが、そういった時に使うのが一般的のようです。
「揮毫」を使った例文
「揮毫」を平たく言うと、「サインを頼んで、色紙に揮毫してもらった」や「絵や文字などを毛筆で書遺伝子もらった」ということになるのかもしれません。
では、もう少し例文を見ていくことにしましょう。
- 「揮毫」の例文1
- 「揮毫」の例文2
- 「揮毫」の例文3
「揮毫」の例文1
「彼はいつか己の中に、人生全体さえ感じ出したのである。そして、彼は揮毫を勧められても、積極的に筆を取り上げたことはなかった。しかし、やむを得ない場合は、書いたのだ」
何かしら古めかしい表現ですが、ここに出てくる「彼」は、めったなことでは筆も取らない人だったのでしょう。
「揮毫」の例文2
「最近は、ある人のために揮毫した野菜類の画帖を見ていると、そこには今までの絵で感じられるような自由闊達なところは少しもないのである。至るところが大人しい描き方で終始している」
このような場合でも、「揮毫」が使われますが、何かしらの心の変化で、描く絵のタッチもかなり変わってしまったことを指しているようです。
「揮毫」の例文3
「先生、突然で恐縮ですが、ひとつご揮毫をお願いしたいんですが」
書道の大家に掛軸を描いてもらうためのお願いでしょう。
「揮毫」を使った言葉を解釈
では、この言葉を使った表現をいくつか観察してみることにします。
- 「ひとつご揮毫をお願い」
- 「各地で揮毫を頼まれる」
- 「揮毫の求めに」
- 「揮毫を依頼」
「ひとつご揮毫をお願い」
前項の例文にもあったように、著名人に書を頼むことをしようとしている時に出てくるセリフですね。
普段なら滅多に依頼することが難しい人に頼むのかもしれません。
「先生、ここはひとつご揮毫をお願い致します」
という感じになると思います。
「各地で揮毫を頼まれる」
有名な書道家になればなるほど、全国的各地から依頼がさっとうしている様が思い浮かべられます。
有名な人は、いつも引っ張りだこです。
「揮毫の求めに」
この場合、「書くことの依頼」ということになります。
「彼は、この数年、自分の書に納得が行かないのか、揮毫の求めに中々応じることがないのだ」
このような表現で使われることになります。
「揮毫を依頼」
「揮毫を求める」という言い方と同じ意味です。
有名な人に、書、絵を依頼することですね。
「揮毫」という言葉を知らないがゆえに、どのような意味があるのかを調べて見ると、意味は決して難しくはないことが分かりました。
しかし、身近な生活習慣を感じさせないような高潔な印象さえ覚えてしまう言葉をです。
そのように思うと、日本語には、この言葉と同じように昔にはよく使われていた言葉がまだまだ数多く眠っていると思うのです。
私達が普通に使っている言葉の中に、これらの言葉を取り込むことができたなら、さらに趣きのある文章を作り上げることができるでしょう。