「無聊を慰める」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「無聊を慰める」ということばを聞いたことはありますか?
慰めるはわかるけど、全体になると意味がわからない。
読み方すらわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、「無聊を慰める」について説明しています。
目次
- 「無聊を慰める」の意味とは?
- 「無聊を慰める」の類語や言い換え
- 「無聊を慰める」の使い方
- 「無聊を慰める」を使った例文
- 「無聊を慰める」を分解して解釈
「無聊を慰める」の意味とは?
「無聊を慰める」とは、退屈なことや、わだかまりがあって心が楽しまないので、気を紛らわせる、という意味です。
仕事上やプライベートでうまくいかないことがあったとき、今日は飲んで帰ろう、とか、なんとなく退屈なので散歩に出かけるとか、そういうときに使われるのがこの、「無聊を慰める」になります。
- 「無聊を慰める」の読み方
「無聊を慰める」の読み方
「無聊を慰める」は、「ぶりょう(を)なぐさ(める)」と読みます。
「無聊」は「むりょう」と読む場合もあるようですが、「無聊を慰める」というかたちの場合ではとくに、「ぶりょう」と読むことが基本になります。
「無聊」の「聊」の字が、このことばのややこしさ、わかりづらさの原因だと思いますが、これは「聊か」と送り仮名を振って、「いささか」ということばになります。
ほんのすこし、わずか、といった意味のことばですね。
「無聊」ということばでどのような意味になるのかは後述していきますのでのちほどご説明します。
「無聊を慰める」の類語や言い換え
「無聊を慰める」について、意味と読みがわかりましたね。
ですが、あまり使わないことばって、なかなか理解できても腑に落ちない、ということが多いのではないでしょうか。
類語や言い換えのきくことばを知ると、そのことばに近いのか、と納得できる、ということもよくあります。
知っていることばに寄せて考えていくと語彙の理解が深まることもありますので、いろんなことばを吸収してみてください。
- 「気晴らし」【きばらし】
- 「息抜き」【いきぬき】
「気晴らし」【きばらし】
「気晴らし」とは、憂鬱な気持ちを発散させることを言います。
「気分転換」というよく似たことばもありますが、どう違うのでしょう。
「気晴らし」は、憂鬱なできごとを、別のなにかを考えたりしたりすることで、一旦回避すること。
つまり、問題は停滞しており、あとで同じ問題に直面しなおす必要があります。
一方、「気分転換」では、気持ちを切り替えることで、問題の別のとっかかりを見つけたり、その問題について振り切れたりと、快方に向かうことが多いですね。
「無聊を慰める」は、憂鬱なできごとがあったので気持ちを紛らわせる、という意味でしたね。
このことから、「気晴らし」のほうがより近い意味を持つことばになる、ということがわかります。
「息抜き」【いきぬき】
空気を抜くための穴、という意味もありますが、ここでは「息抜き」は、緊張をゆるめて休むこと、多忙をのがれ休むことを意味しています。
休む、とは言いますが、なにもしない、というのでなく、なにか心にわだかまりのあることや重責などから一旦逃れ、別のことに気持ちを傾ける、ということですね。
個々人の気の持ちようかもしれませんが、「息抜き」は、「気晴らし」にも「気分転換」にもなりえます。
ですので、「気晴らし」に近い意味で使われる場合に、「無聊を慰める」に似たことばとして使われている、といえるでしょう。
「無聊を慰める」の使い方
「無聊を慰める」は、「〇〇して無聊を慰める」や、「無聊を慰めるために〇〇する」というかたちで使われることが多くあります。
退屈、もしくは心にわだかまりがあるので、なにか別の行動を起こす、というときに使われます。
その行動が主となり文が成り立つ、ということになります。
「無聊を慰める」を使った例文
ぶつ切りに意味や使い方を見ていても、いまいちどんなふうな文脈で組み込んでいくといいのか、戸惑っている方もおられることと思います。
それでは、「無聊を慰める」を使った例文を紹介しますので、どんなふうに「無聊を慰める」が使われているのか確認してみてください。
- 「無聊を慰める」の例文1
- 「無聊を慰める」の例文2
- 「無聊を慰める」の例文3
「無聊を慰める」の例文1
「無聊を慰めるための本を紛失してしまい、ぼんやりと車窓から田舎町のだだっ広いだけの田畑や、どこまでもすこんと青い空を見ているほかなかった」
「無聊を慰めるための〇〇」のかたちですね。
電車かなにかに乗っていて、退屈なので本を持ってきたつもりが見当たらない、という文章です。
「無聊を慰める」ための本、というと、ただの本というのとは雰囲気が変わりますね。
仕事に疲れたOLが休日に家で雑誌をめくっている、というときにも、「無聊を慰める」ための雑誌、なんていうことができるでしょう。
「無聊を慰める」の例文2
「定年してから父は土いじりを始めたが、今思えばあれは、字を読むのも辛くなっていた父が唯一、無聊を慰める手段だったのかもしれない」
すこし複雑なようですが、これは、「〇〇して無聊を慰める」のかたちです。
簡略化すれば、「父は土いじりをして無聊を慰めていた」という文章ができるからです。
わかりにくい文章に出会ったときは、判断するのに必要のない部分、修飾された部分をどんどん削ってみましょう。
シンプルな文章のなかにこそ、主題が書かれています。
「無聊を慰める」の例文3
「散歩をするくらいで無聊を慰められるなら、安上がりでいいことだ」
こちらはわかりやすいですね。
「〇〇して無聊を慰める」のかたちです。
例文ではわかるが自分で文章を組み立てるのがむずかしい、という方は、まずは自分が、なにをしているときに無聊が慰められるのか、考えてみてください。
それを、「〇〇して無聊を慰める」もしくは「無聊を慰めるために〇〇する」に当てはめれば文章が成立します。
「無聊を慰める」を分解して解釈
前述からして気になっていた方もいらっしゃると思いますが、そもそも「無聊」とはなんなのか、と気になっている方もおられると思います。
組み合わせでできていることばの多くは、分解して考えることでその意味がより深く理解できますので、「無聊」、「慰める」の二つに分けて見ていきましょう。
- 「無聊」
- 「慰める」
「無聊」
「無聊」とは退屈を意味することばなのですが、そもそもなぜ、「無聊」が退屈を意味するのでしょう。
先述したとおり、「聊」はいささか、つまり、ほんのすこし、わずか、という意味を持つことばなのですが、ほかに、楽しむ、という意味も持っているのです。
このことから、「無聊」というのは、楽しみが、無い、から転じて、退屈を意味するようになったのでしょう。
また、「無聊」を使ったことばには、「無聊をかこつ」というものがあります。
「かこつ」とは、嘆く、愚痴を言う、という意味があります。
なので、「無聊をかこつ」とは、退屈であることを嘆く、という意味のことばになります。
すこしややこしいかもしれませんが、「慰める」のか「かこつ」のか、この機会にいっしょに覚えてしまいましょう。
「慰める」
「慰める」の意味はご存知の方も多いでしょうが、この機会に見ておきましょう。
「慰める」とは、
- 悲しみ、苦しみを感じている人に、やさしい言葉をかけたりして紛らわせ、心を和やかにし、静めること。
- 憂さを晴らすこと。
- 労をねぎらうこと。。
なだめ、いたわること。
などの意味があります。
ここまで理解しておけば、「無聊を慰める」の意味もばっちりですね。
「無聊を慰める」とは、退屈や心のわだかまりを紛らわせることを言いました。
人間生きてれば、さまざまな困難にぶち当たることもありますし、心ない一言に腹が立つこともあります。
そんなとき、うまく「無聊を慰める」ことができれば、ただの気晴らしでなく、いい気分転換になり、前を向いてしっかりと歩んでいけそうですね!