「寸暇」の意味とは?使い方や例文、類義語を紹介!
「寸暇」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは日常的に聞く表現ではないかもしれませんね。
同時に間違いやすい言葉としても垂れています。
ここでは、「寸暇」という表現について解説します。
目次
- 「寸暇」の意味とは?
- 「惜しんで」の類義語
- 「寸暇」の類義語
- 「寸暇を惜しんで」の類義語
- 「寸暇」の使い方や例文
- 「寸暇」の誤った使い方
- 「寸暇を惜しんで」の対義語
- 「寸暇を惜しんで」を英語で言うと?
「寸暇」の意味とは?
- 「寸暇」の意味
- 「寸暇」の読み方と使い方
「寸暇」の意味
「寸暇」とは、「わずかの時間も惜しんで何かに没頭すること」を指します。
そもそも「寸暇」とはわずかの時間のことを指しており、そのわずかな時間さえも無駄にするのを惜しみ、仕事や学習に集中するということを指すのです。
そのため、「寸暇を惜しんで」という使い方をします。
ちなみに寸にはわずかとう意味がありますが、一寸は約3センチになります。
「寸暇」の読み方と使い方
「寸暇」という漢字は「すんか」と読みます。
ぱっと見ただけではなかなか読みにくい感じかもしれませんね。
「寸暇を惜しまず」と使われることもありますが、この言い方の場合は「わずかな時間ですが仕事や学習に使うことを惜しまない」という意味になり、今やっていることよりももっと有意義な時間の使い方がある、という意味になってしまいますから、「寸暇を惜しまず」という使い方は誤りということになります。
ちなみに平成22年度に文化庁が行った「国語に関する世論調査」によると、「寸暇を惜しんで」という使い方をする人が1%、本来の良い方とは言えない「寸暇を惜しまず」という使い方をする人が2%いるということがわかっています。
つまり、誤った使い方をする人の方が圧倒的多数を占めているということになるのです。
「惜しんで」の類義語
- 「心残り」【こころのこり】
- 「出し惜しむ」【だしおしむ】
- 「大切に思う」【たいせつにおもう】
「心残り」【こころのこり】
これは「寸暇を惜しんで」の意味でもありますが、心残りに思うという表現は「寸暇」の類義語に当たります。
「寸暇」は「わずかな時間を大切にする、少しの空き時間も無駄にしない」という事ですから、「わずかな時間であっても無駄にすることを心残りに思う、残念に思う」いう意味は「寸暇」に極めて近い表現となります。
「出し惜しむ」【だしおしむ】
「惜しむ」という意味には出し惜しむという意味もあります。
例えばお金を出し惜しむ、物を出し惜しむ、ということですね。
誰かに何かを贈る時に集金をすることになり、そのお金を出し惜しむ、ということもあれば、バザーなどで持ち寄りの何かをすることになり、物を出し惜しむこともあるかもしれませんね。
「大切に思う」【たいせつにおもう】
「大切に思う」という表現も「寸暇」の類義語になります。
わずかな時間さえも大切に思う、貴重に思う、という言いかえができますね。
わずか少しの時間も大切にするということで、少しの空き時間さえ無駄にしない、有効に使う、わずかな空き時間でさえも何かに没頭する、という表現が可能になります。
「寸暇」の類義語
- 「短い時間」
- 「矢の如し」
「短い時間」
「寸暇を惜しんで」でわずかな時間を大切に思って、という意味になります。
「寸暇」だけだと短い時間、という意味です。
「寸暇」という表現だけには「惜しんで」という意味はつら割りませんので注意が必要です。
「矢の如し」
「光陰矢の如し」という表現がありますね。
わずかな時間でも大切にするということは非常に大切ですが、長い時間でさえも矢のように早く過ぎ去ってしまうものです。
そのため、わずかな時間でさえも大切にするという事が大切です。
「寸暇を惜しんで」の類義語
- 「一生懸命」【いっしょけんめい】
- 「まっしぐらに」
- 「必死」【ひっし】
- 「一途」【いちず】
「一生懸命」【いっしょけんめい】
「寸暇を惜しんで」と言うのは僅かな時間も大切にするという意味ですから、それほどまでに何事かを一生懸命に頑張る、という意味になります。
何事も一生懸命に頑張っている時にはわずかな時間さえも惜しいですよね。
一生懸命に勉強していたり、ゲームをしていたり、仕事をしていたりしたら、例え10分であっても無駄にはしたくないと思うのではないでしょうか。
「まっしぐらに」
受験勉強を一生懸命していて、合格を目指してまっしぐらに頑張る、という時などもわずかな時間も無駄にはしたくないものです。
受験は多くの人に経験があるのではないでしょうか。
あと何日、あと何時間、と思いながら勉強をしますよね。
例えわずかな時間も無駄にしないように、まっしぐらに頑張るものです。
「必死」【ひっし】
言うまでもなく「必死」という表現も少しの時間も無駄にしないという同義になります。
死ぬ気で頑張る、わき目に振らずに頑張る、という状態を「必死になる」と言いますよね。
誰でも勉強や仕事にと、必死になった経験があるのではないでしょうか。
「一途」【いちず】
一途に頑張った、という表現をすることもありますね。
例えば受験勉強をしている時など、一途に頑張るということは「もしも落ちたらどうしよう」などということは考えずに、合格することだけを信じて頑張るということです。
一途に頑張っているということは他のことを考えるような余裕はない、そんな無駄なことを考える余裕があるのであれば勉強や仕事など、今やっていることを頑張りたい、という意味になります。
「寸暇」の使い方や例文
- 「寸暇を惜しんでプロジェクトを遂行します」
- 「寸暇を惜しんでゲームをしていました」
「寸暇を惜しんでプロジェクトを遂行します」
先ほども述べた通り、「寸暇を惜しんで」という表現は「わずかな時間も大切に思う」という意味になります。
そのため、「寸暇を惜しんでプロジェクトを遂行します」ということは僅かな時間も無駄にせずにプロジェクトを行う、わずかな時間も貴重に使って仕事をする、ということになります。
そのため、「寸暇を惜しんでプロジェクトを遂行します」というのは上司などに使うと喜ばれる表現になります。
「寸暇を惜しんでゲームをしていました」
これはあくまで例文です!実際にこのような表現を使うことはないかもしれません。
しかし、誰でもゲームなどに没頭して他のことが目に入らなかったという経験はあるのではないでしょうか?ゲームに没頭してしまうと、あまりに時間が惜しくて他のことができない、ゲームにかかる時間の方が大切に感じてしまって勉強などを疎かにしてしまった、という状態はまさに「寸暇を惜しんでゲームをする」と言えるでしょう。
「寸暇」の誤った使い方
- 「寸暇を惜しまず働きます」
- 「寸暇を惜しまず勉強します」
「寸暇を惜しまず働きます」
この表現をビジネスで使ってしまった即アウトです。
先ほど「寸暇」は「惜しむ」という表現だという説明をしました。
そして「寸暇を惜しまず」という表現は誤りであると説明しましたよね。
例えば「寸暇を惜しまず働きます」と言ってしまったら、それは「時間を大切に思わずに働きます」という意味になってしまいます。
つまりそれは「だらだら働きます」という意味になりますので、決して上司などに言ってはいけません!
「寸暇を惜しまず勉強します」
これも「寸暇を惜しまず働きます」と同じく、「時間を大切に思わずに勉強します」という意味になってしまいます。
確かに「惜しまず」という表現は「苦労を惜しまず」などと使われることもありますのでなんとなくいいイメージを持ってしまう人もいるかもしれませんが、少なくとも「寸暇を惜しんで」に関しては「寸暇を惜しまず」とは言わないようにしなければいけません。
ちょっとかっこつけて学校の先生などに言ったら確実に怒られます。
「寸暇を惜しんで」の対義語
- 「狐疑逡巡」【こぎしゅんじゅん】
- 「右顧左眄」【うこさぺん】
- 「遅疑逡巡」【ちぎしゅんじゅん】
「狐疑逡巡」【こぎしゅんじゅん】
四字熟語になりますが、狐疑逡巡というのは「寸暇を惜しんで」の対義語に当たります。
これは人に化けたり、人を騙したりするのが上手なキツネ自信が疑い深い存在であるということで、疑いすぎてなかなか決心がつかず、ぐずぐずしていたり、有淳不断な状態でいることを指します。
例えばレストランでなかなかメニューが決められない、どこに行きたいか全然決められない、という状態を指します。
「右顧左眄」【うこさぺん】
右顧左眄も狐疑逡巡と同じく、右を見たり左を見たりして全然決められない、ためらったり迷ったりしている状態を指します。
情勢や周りの意見などを気にしてなかなか決められない、という状態を指します。
例えば進学する大学を決める際に周りの意見に振り回されてどこに行きたいか決めることができない、休暇に行く場所を決めているのにみんなの意見がバラバラで、みんなの意見を尊重しすぎて決められない、と言う状態を表すことができます。
「左眄右顧(さぺんうこ)」ということもあります。
「遅疑逡巡」【ちぎしゅんじゅん】
遅疑逡巡とは、ぐずぐずとしていつまでも疑い、決断できない、という事を差します。
例えばどんなゲームをしようかみんなで考えている時、いろいろな意見が出てきてしまった全然決められないと言う経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
「寸暇を惜しんで」を英語で言うと?
- “Single-mindedly”
- “Wholeheartedly”
- “With all one’s heart”
“Single-mindedly”
“Single-mindedly”には一心に、一心不乱に、問う意味があります。
一筋に頑張る、という表現をする時に使うことができます。
“Wholeheartedly”
“Wholeheartedly”とは、心を込めて、誠心誠意、という意味になります。
心を込めて頑張る、誠心誠意努力する、という時に使うことができる表現ですね。
“With all one’s heart”
“With all one’s heart”とはその表現の通り、心を込めて、心から喜んで、という意味があります。
心を込めた仕事をする、相手のことを大切に思いながら何かをする、誰かのためにする、という時に適した表現ですね。
いかがでしょうか。
「寸暇を惜しんで」という表現はとても良い表現ですから、くれぐれも「寸暇を惜しまず」という使い方をしないように気を付けましょう。
せっかく「仕事を頑張ります、残業も問題ありません」という意味の表現を使いたい時に「寸暇を惜しまず仕事をします」では根本的に間違っていますし、そもそも言語力がなさそうに聞こえてしまいます。
言葉通りに捉えた上司に怒られてしまうかもしれません。
ですから、せっかく「寸暇を惜しんで」という表現を使う機会があったら正しく使いましょう。
また、もしも寸暇を惜しまず」という表現を堂々と使う人がいたら、それは間違った使い方だということをこっそり指摘してあげられると良いですね。
そして「寸暇」という漢字もしっかり読めるようにしておきましょう。