「好きが高じて」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「好きが高じて」の正しい意味を知ろう!
「好きが高じて」と、いざ使おうと思ったら、その使い方が正しいのかどうか不安に思うことはないでしょうか。
詳しい説明を読んで、上手に言葉を使いましょう。
目次
- 「好きが高じて」の意味とは?
- 「好きが高じて」の類語や言い換え
- 「好きが高じて」の使い方
- 「好きが高じて」の例文
- 「好きが高じて」の反対語や対義語
「好きが高じて」の意味とは?
「好きが高じて」の意味は何でしょうか。
早速、言葉の意味を紐解いていきましょう。
まず、「好きが高じて」の言葉は「好き」と「高じる」という2つの言葉から成り立っています。
それぞれの言葉についてみていきます。
まずは「好き」から。
「好き」の意味には、「心ひかれること」、「気に入ること」、「片寄ってそのことを好むさま」、「物好き」、「好機到来」、「好色」、「自分の思うままに振る舞うこと」などがあります。
そして、「高じる」の意味には、「程度が激しくなること」「高まること」を意味する言葉です。
この「好き」と「高じる」、2つを組み合わせると、「好きが高じて」という言葉となり、「心惹かれる気持ちが高まって」「気に入りすぎて」「好み過ぎて」という意味になります。
何かに魅かれ、相当熱をあげている様子が伺えます。
単なる「好き」よりも「好きが高じて」と表現した方が、強く「好き」という感情が表現されている言葉だといえます。
ただ好きなだけでなく、ますます好きになってしまう様子を表すには最適な言葉です。
自分が何かに夢中になっているものがあったら、ぜひ「好きが高じて」の言葉で表現してみましょう。
- 「好きが高じて」の読み方
「好きが高じて」の読み方
「好きが高じて」は「すきがこうじて」と読みます。
「好き」を「すき」と読むのはそのままですが、「高じて」の「高」という字は、もともと「高い」(たかい)という意味があり、それが「高じて」という読み方に変化したものです。
「高じて」を「たかじて」ではなく、「こうじて」と読むところは少し特殊な読み方になるといえるでしょう。
ちなみに、この「高じて」ですが、「好きが高じて」だけではなく、様々な表現とセットになって使われています。
例えば、趣味で始めたことがだんだん本格的になっていく様子を「趣味が高じて」(しゅみがこうじて)、思う気持ちが高まっていく様子を「思いが高じて」(おみがこうじて)、病気が悪化することを「病が高じて」(やまいがこうじて)などが挙げられます。
「好きが高じて」の類語や言い換え
「好きが高じて」の類語や言い換えをみていきましょう。
- 「ヒートアップ」【ひーとあっぷ】
- 「溺愛する」【できあいする】
- 「好きこそ物の上手なれ」【すきこそもののじょうずなれ】
「ヒートアップ」【ひーとあっぷ】
「好きが高じて」の類語に「ヒートアップ」が挙げられます。
「ヒートアップ」とは、英語の“heat up”からきている言葉です。
英語の表現をそのまま日本語として活用しているので、純粋な日本語ではありません。
しかし、日常的によく使われる言葉であり、日本語と同程度の頻度で使われているので知っておかないと恥ずかしい言葉でもあります。
意味としては、「加熱すること」「熱くなること」「特に盛り上がること」「精神的に燃え上がること」となります。
英語においても“heat”が「熱」の意味を、“up”が「上がる」「上」という意味になります。
そして“heat up”で「温める」「より熱くする」「激化する」という日本語での「ヒートアップ」と同様の意味になります。
日本語と英語での例文を挙げて比べてみます。
「議論がヒートアップした。」(議論が白熱した。)
“The discussion heated up.”(議論が白熱した。)
「ヒートアップ」という言葉は、英語と同じ意味を持つ言葉であることが分かります。
また、この「ヒートアップ」には、「好きが高じて」と同様、「気持ちが盛り上げる」という意味が含まれています。
ただし、その感情は「好きが高じて」とは違い、「好き」に限らず、「怒り」の気持ちであったり、「悲しみ」の気持ちであったりと様々です。
「溺愛する」【できあいする】
「好きが高じて」の類語に「溺愛する」が挙げられます。
「溺愛する」とは、「むやみに可愛がること」を意味する言葉です。
単なる可愛がる行動とは違い、我を忘れてしまうほど盲目的に可愛がることを意味しています。
分かりやすくいうと、可愛がるよりも、さらに気持ちが高まった可愛がり方をする様子のことを表しています。
「好きが高じて」も「好きという気持ちの高まり」を表現する言葉です。
好きという気持ちがさらに盛り上がっている様子を表しています。
そして、「溺愛する」も同じです。
可愛がる気持ちが高まっている様子を表しています。
双方の言葉は、意味もそして、言葉の性質も非常に似ており、類語だといえるでしょう。
例文としては、「彼女は不妊治療の上に子供を授かったせいか、自分の子供を溺愛している。」
(彼女は不妊治療の上に子供を授かったせいか、自分の子供を盲目的に可愛がっている。)などが挙げられます。
「好きこそ物の上手なれ」【すきこそもののじょうずなれ】
「好きこそ物の上手なれ」はことわざです。
意味としては、「誰でも好きでやっていることは一生懸命になり、工夫したり、学んだりするので、自然に上達していくものだ」となります。
誰でも好きなことは熱中して取り組んでしまいますが、このことわざは、まさしくその状態を表していることわざです。
そして、「好きが高じて」も、好きという気持ちが高まって熱中している様子が伺える言葉です。
そのため、「好きこそ物の上手なれ」という言葉も「好きが高じて」と同様の意味を持ち、類語にあてはまるといえるでしょう。
例文としては、「この前まで下手だったのに、ここまで絵が上手になるとは。好きこそ物の上手なれとはこのことだ」
(この前まで下手だったのに、ここまで絵が上手になるとは。好きなことは誰でも上達するとはこのことだ)などが挙げられます。
「好きが高じて」の使い方
「好きが高じて」の使い方を紹介します。
使い方のポイントをまとめてみました。
- きっかけになっている物事が「好き」なものであること
- 気持ちが盛り上がっている様子があること
この2点です。
一つずつ説明していくと、まず、「きっかけになっている物事が好きなものであること」が前提条件となります。
そのため、嫌いな物や苦手意識を感じる物事に対して使ってはいけません。
例えば、栗が嫌いな人が「栗嫌いな私は、好きが高じて栗拾いの達人になった」などとは表現しません。
この表現の前提にあるのは、好きな物事であることが必須となります。
次に、「気持ちが盛り上がっている様子があること」というポイントを説明します。
「好きが高じて」は「気持ちが下がっているとき」には使いません。
必ず気持ちが高まっているときに使います。
例えば、本を読むことに飽きている場合、「私は好きが高じて本を読むのをやめた」などとは表現しません。
必ず、気持ちの高まりを表現する文章であることが必要です。
「好きが高じて」の例文
「好きが高じて」の例文をみていきましょう。
- 「好きが高じて」の例文1
- 「好きが高じて」の例文2
「好きが高じて」の例文1
「私は、料理好きが高じてレシピ本を数冊出版してみました」
(私は、料理が好きすぎてレシピ本を数冊出版してみました)
料理が好きな気持ちが高まり、レシピ本と出版するという料理研究家顔負けのことをしている様子が伺えます。
「好きが高じて」の例文2
「僕は好きが高じて、毎朝、電車を見に行くようになった」
(僕は好きという気持ちが高まって、毎朝、電車を見に行くようになった)
電車が好きという気持ちが高まって、忙しい朝にも関わらず、毎朝、わざわざ電車を見に行っている様子が伺えます。
「好きが高じて」の反対語や対義語
「好きが高じて」の反対語や対義語についてみていきましょう。
- 「愛想を尽かす」【あいそをつかす】
- 「嫌気が差す」【いやけがさす】
「愛想を尽かす」【あいそをつかす】
「好きが高じて」の対義語に「愛想を尽かす」が挙げられます。
「愛想を尽かす」の意味は、「呆れて好意や親愛の情をなくすこと」「見限ること」を意味します。
この言葉が表現していることは、初めから嫌いではないということです。
最初は好きという気持ちがあったのですが、何かをきっかけに、嫌いになってしまったり、苦手だと感じてしまうことを意味しています。
「好きが高じて」はますます好きになっていく様子を表していますが、「愛想を尽かす」は好きから嫌いへと変化を遂げていく様子を表しています。
「愛想を尽かす」は「好きが高じて」の対義語にあてはまる言葉だといえるでしょう。
例文としては、「彼女の浮気現場をみて、すでに愛想を尽かしてしまった。」(彼女の浮気現場をみて、すでに愛する気持ちがなくなってしまった。)などが挙げられます。
「嫌気が差す」【いやけがさす】
「好きが高じて」の対義語に「嫌気が差す」が挙げられます。
「嫌気が差す」は、「嫌だと思う気持ちになること」「やる気がなくなること」「うんざりしてしまうこと」などを意味します。
日常において、「もうこんな生活うんざりだ」「もうこんなこと、やっていられない」などと思ったことはないでしょうか。
この気持ちこそが「嫌気が差す」という状態です。
今までそこまでではなかったけれど、嫌になってしまうことを意味しています。
また、「嫌気が差す」の「差す」ですが、この言葉の意味には、「物事が起こる」という意味が込められています。
そのため、あえて「嫌気が差す」という言葉に置き換えるなら、「嫌気が起こる」という表現になります。
今まで嫌気を感じることはなかったが、嫌だと思う感情が沸き起こってしまった様子を表しています。
例文としては、「この何にもない田舎に嫌気が差し、彼は都会で就職することを決めた」(この何にもない田舎にうんざりし、彼は都会で就職することを決めた)などが挙げられます。
「好きが高じて」は非常に前向きな明るい言葉であるため、使用するとポジティブな人や行動力のある人だと思われます。
また、一般的には、他人のことよりも、自分の状態を表すときに使われやすい言葉です。
ぜひ使ってみて自分が明るい人間であることを周りにアピールしてみてはいかがでしょう。