「許可が下りる」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
日本語には、同じ意味を持つような言葉をでも表現が微妙に異なるものがあります。
聞き流して聞いていると、言葉のニュアンスや意味が少し違っていることに気付かないくらいの違いしかない言葉です。
日本語は、昔から伝わる古い言葉や、ことわざもありますが、これらの類いの表現の言葉であれば、似たような意味を持つ言葉でも、その意味の違いをすぐに理解できそうなケースもあります。
併し、次のような言葉の場合は、類義語などをみると、ちょっとした意味の相違に全く気付かないかもしれません。
目次
- 「許可が下りる」の意味とは?
- 「許可が下りる」の類語や言い換え・似た言葉
- 「許可が下りる」の言葉の使い方
- 「許可が下りる」を使った例文
- 「許可が下りる」を分解して解釈
- 「許可が下りる」の敬語
「許可が下りる」の意味とは?
「許可が下りる」という言葉があります。
これは、「許可されたこと」や「許可か認められた」というような意味と理解したくなります。
しかし、「許可が下りる」というと、「許可が出る」という表現もあると思うことでしょう。
誰もが、この言葉を聴いて、
「"許可が下りる"と同じ意味じゃないか」
と思うことでしょう。
しかし、「許可が下りる」と「許可が出る」では、若干意味が異なって来るのです。
「許可が出る」とは、「これまで禁じられていた物事や行為が許可されること」を意味しているのですが、「許可が下りる」とは、「使ってもよいという通知を権利者から得ること」という意味となります。
「許可」自体に「願いを聞き届け、ある行為・行動を許すこと」という意味がありますが、その許可を通知する権利者がいることが、「許可が下りる」にはあるのです。
- 「許可が下りる」の読み方
「許可が下りる」の読み方
「許可が下りる」の読み方は、「きょかがおりる」というふうに読みます。
ここで、「おりる」という発音であれば、「下りる」という書き方の他に「降りる」という漢字もあります。
むしろ「下りる」より、「降りる」を思い浮かべる人の方が多いのではないでしょうか?
しかし、この2つの漢字も意味合いが異なっています。
「降りる」は、「位置情報がはっきりしている」となり、「下りる」は、行動中の過程を表わしています。
但し、同じ文でも、位置がはっきりしていて、なおかつ、行動中の過程も表しているのであれば、これら2つの漢字の意味を合わせ持っていることになるかもしれません。
「許可が下りる」の類語や言い換え・似た言葉
では、「許可が下りる」の同義語としては、どのような言葉があるのでしょうか?
- 「可決される」
- 「解除される」
- 「オーソライズされる」
「可決される」
「議案が今度の議会で可決される見込みだ」
このような使い方が多いと思います。
「可決」とは、「提出された議案の内容をよいと認めて決定すること」となりますが、「この行為が決定される」ことが「可決される」という表現になります。
「緊急動議が可決された」と、社長の交代劇などの場面でも使われることがあります。
「解除される」
「解除される」の「解除」という言葉でもには、「解除」の意味は、「法律で契約当事者の一方の意思表示によって、成立している契約を初めからなかったものとすること」という理解があります。
「契約解除」というものです。
しかし、「許可が下りる」の同義語として、「解除される」を解釈するならば、
「今まであった制限、禁止、あるいは特別の状態などをなくして、元の状態に戻すこと」という意味から「規制を解除する」などの文例が挙げられます。
「オーソライズされる」
「オーソライズ」には、「正式に認めること」や「権威を与えること」という意味があります。
言い換えると「承認すること」という意味があります。
そのために、「オーソライズされる」となると、「承認される」と理解することができます。
「あのプランは正式にオーソライズされたよ」
このような表現は、ビジネスの中でも、よく使われるので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
「許可が下りる」の言葉の使い方
この表現は、「使ってもよいという通知を権利者から得られること」という意味があるので、許認可の事象で使われる言葉になるでしょう。
「許可が下りる」を使った例文
「許可が下りる」を使っている例文を見て、どのようなケースで用いられるのかを見ていくことしましょう。
- 「許可が下りる」の例文1
- 「許可が下りる」の例文2
- 「許可が下りる」の例文3
「許可が下りる」の例文1
「自治体からの建築許可が下りたので、来年1月から着工開始する予定です」
建物を建てる時には、自治体からの許可我必要です。
そのためには、色々な申請手続きが必要となってきますが、中には中々許可が下りないケースもあります。
「許可が下りる」の例文2
「銃規制の厳しい日本でも、狩猟用として許可が下りることがあるので、私達が思っている以上に銃の所持者は多いのです」
やはり許認可関連での用法です。
銃の所持が認められているアメリカとは異なり、日本は銃規制されているので、所有者数はかなり少ないと思われがちなのですが、実態はそうでもなさそうです。
「許可が下りる」の例文3
「指導方針をよく理解している受験生から順に入学許可が下りるのが、この学校のポリシーなのかもしれません」
「許可が下りる」は、官庁関係者だけでなく、私学でも使われる表現です。
「許可が下りる」を分解して解釈
では、「許可が下りる」を分けて見ていくことにしましょう。
- 「許可」
- 「下りる」
「許可」
「許可」とは、前述の通り、「願いを聞き届けて、ある行為・行動を許すこと」の意味があり、「外出の許可が下りる」
「使用を許可する」などで使う言葉です。
その一方で、「ある行為が一般に禁止されている時、特定の場合に限りそれを解除し、適法にその行為ができるようにする行政行為」も当てはまります。
これには、警察許可、財政許可、統制許可などが存在しています。
「下りる」
「下りる」には、数多くの解釈があります。
「人が高い所から低い所に移る」という意味で、「山から下りる」、「2階から/下りる」、「階段を下りる」、「エレベーターで下りる」などの用例があります。
2つ目には、「上がったり下がったりして働く仕組みなどが、下がった状態になること」で。
「遮断機が下りる」ケースや「錠が下りる」というケースも見ることができますね。
「上から垂れ下がった状態になる」、「乗り物から外に出る」、「高い地位・職などを退く」、「勝負などに加わることを途中でやめる」、「官公庁や上位者から許可が与えられる」などの意味も有しており、「幕が下りる」「電車から下りる」「船を下りる」というような言い方もできます。
「許可が下りる」の敬語
「許可が下りる」の敬語表現を考えた時に、目上の人が部下などの立場が下の人の意見や要望を聞き入れる言葉として「承認される」があります。
発注者や取引先が、受注者と話す時にも使われる言葉でもあります。
これが「許可が下りる」の敬語となります。
「了承」という言葉の使い方としては、「相手の了承を得る」などがありますが、「了解を得る」と同じ意味ですが、社内の上司に対して、取引先の人からの許可を得ていると報告する際に「了承を得ている」を敬語として使います。
「許可が下りる」という言葉は、許認可が伴うことについて使われる言葉として利用することが大半でしょう。
その一方で、仕事でも様々な決裁事項は山ほどあるものです。
自分だけでは判断できない重要な事柄をしっかりと上司や組織に理解してもらい、許可が下りることも、配慮しながら仕事を進めていく必要があります。
他だ、むやみに許可が下りることを期待して、決裁申請をむやみやたらに送ればいいというものでもなさそうです。
申請前に必ず根回し的な活動に必要になってきます。