「蛙の面に水」とは?意味と類義のことわざ!例文と使い方!
ことわざには、「蛙」という言葉が含まれるものがいくつか存在します。
この「蛙の面に水」も、そのうちの1つです。
目次
- 「蛙の面に水」の意味とは?
- 「蛙の面に水」の語源や由来
- 「蛙の面に水」の反対の意味を持つことわざ
- 「蛙の面に水」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「蛙の面に水」の類義のことわざ
- 「蛙の面に水」の英語や例文(解釈)など
「蛙の面に水」の意味とは?
「蛙の面に水」とは、どんな目に遭っても全く堪えないことの例えです。
自分に対して使う時には、「それくらいのことは、自分には蛙の面に水だ」のような形になり、人に使う時にも「あいつは何を言われようと、蛙の面に水のようだ」などという使い方になります。
それだけ神経が図太い、ふてぶてしいという意味で使う言葉で、稀にその為の準備や用意ができているので、それによって堪えることがないという意味で使うこともありますが、一般的な使い方としては、図々しいという皮肉を込めて使うと考えておいていいでしょう。
- 「蛙の面に水」の読み方
「蛙の面に水」の読み方
「蛙の面に水」は、「かえるのつらにみず」と読みます。
「蛙」を「かわず」と読むことわざもありますが、この「蛙の面に水」では「かえる」と読んでください。
「面」を「つら」と読む点にも注意が必要です。
「かお」と読んでいたり、「蛙の顔(かお)に水」と使われているのを見聞きすることがありますが、これらは間違いになります。
「蛙の面に水」の語源や由来
「蛙の面に水」が、どんな目に遭っても全く堪えないという意味で使われるのは、蛙は元々水の中で生活しているので、面(顔)に水をかけられても何とも感じないという意味からです。
京都のいろはかるたの「か」に使われたのが初出だと言われており、「何の効果もない」という意味で使うこともあります。
このかるたが由来で、一般のことわざになった言葉です。
「蛙の面に水」の反対の意味を持つことわざ
「蛙の面に水」が、何があっても全く堪えないという意味なのに対して、突然の出来事にすごく驚いてしまうことを表現することわざに、「鳩に豆鉄砲」があります。
鳩と言えば、豆をつついて食べている様子が思い浮かぶと思いますが、そのエサとなる豆で撃たれることなど想像もしていないことから、突然のことにすっかり驚いてしまうという意味で使います。
「蛙の面に水」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「蛙の面に水」を使った例文や短文と、その意味の解釈です。
図々しいという解釈で使っていると考えていいでしょう。
- 「蛙の面に水」を使った例文1
- 「蛙の面に水」を使った例文2
「蛙の面に水」を使った例文1
「あれだけのことがあっても蛙の面に水とは、どんな神経をしているのか疑いたくなる」
「蛙の面に水」という表現は、このような形で使われることがほとんどです。
全く堪えている様子がないという意味で使う為、この例文のように、その相手がどんな神経をしているのか呆れているといったニュアンスも多分に含んでいます。
「蛙の面に水」を使った例文2
「大抵のことには蛙の面に水の彼も、今回だけは効いたようだ」
その彼にとって、今回はさすがに図々しく知らん振りはできないほどのことが起きたのだと推測される例文です。
このような使い方をすると、その人が普段はそれほど図々しい人間だということが表現できます。
「蛙の面に水」の類義のことわざ
「蛙の面に水」と似た意味をもったことわざです。
どれにも「何の効果もない」という意味があります。
- 「暖簾に腕押し」【のれんにうでおし】
- 「糠に釘」【ぬかにくぎ】
- 「豆腐に鎹」【とうふにかすがい】
- 「犬に論語」【いぬにろんご】
- 「豚に真珠」【ぶたにしんじゅ】
- 「猫に小判」【ねこにこばん】
「暖簾に腕押し」【のれんにうでおし】
「何の手応えもない」という意味で使うことわざです。
暖簾は、現在のように簡単な仕切りとして使う以外に、元々は暖気を逃さないように考案されたものです。
これを腕で押そうとほとんど手応えがないことから、それくらい意味がないという意味で使います。
「いくら注意をしても、彼には暖簾に腕押しだ」のような形にすると、「蛙の面に水」と同様の意味で使うことができます。
「糠に釘」【ぬかにくぎ】
上の「暖簾に腕押し」と同様に、糠のようなやわらないものに釘を打っても何の手応えもないという意味からできたことわざで、意味もその「暖簾に腕押し」と一緒です。
「そんなことは糠に釘だ」と使うと、そんなことをしても何の意味もないという解釈になります。
「豆腐に鎹」【とうふにかすがい】
鎹(かすがい)とは、カタカナの「コ」の形をしている金具です。
2つの木材を繋ぎ合わせる為に使う道具で、豆腐に使っても柔らかいので繋げることができないことが語源です。
上の2つのことわざと同様に、「意味がない」という解釈になり、「こんなことをしても豆腐に鎹だ」などといった形で使います。
「犬に論語」【いぬにろんご】
犬に「論語」の教えを聞かせても、全く理解できないので何の意味もないという意味です。
「あいつにそんな難しいことを言っても、犬に論語だろう」などと使う言葉で、「何の意味もない」という解釈には違いありませんが、「無駄なことだ」というニュアンスが強い表現だと考えてください。
「豚に真珠」【ぶたにしんじゅ】
「犬に論語」とよく似た語源のことわざで、豚に高価な真珠を与えても、その価値が分からないので意味がないことからです。
こちらもまた、「無駄なことだ」という意味合いで用いられることが多い言葉で、「彼にブランドものは豚に真珠だ」などと使われます。
「猫に小判」【ねこにこばん】
上の2つの同様の意味をもったことわざでは、これが一番有名です。
猫に小判(金銭)を与えても遣うことができないので意味がないことからですが、これら3つは、どれもこの「意味がない」という使い方にになることわざなので、最初の3つに共通する「蛙の面に水」の代わりになるという性質はありません。
類義表現ではありますが、図々しい、厚かましいという意味はないので、「意味がないこと」を表現する場合に限り、似たように使えると考えておいてください。
「蛙の面に水」の英語や例文(解釈)など
「蛙の面に水」と同じ意味のことわざは、英語にも存在します。
“like water off duck's back”という形で表現され、直訳すると、「アヒルの背中を流れる水のようだ」となります。
そのような水は、アヒルにとって何の気にもならない存在だという意味から、「蛙の面に水」と同じく、「何も堪えていない」という解釈で使っています。
「蛙の面に水」は、それだけ厚かましい人に対して使う言葉です。
決していい意味はなく、揶揄して使う為の表現なので、そのような人に使う場合にも、その人との関係やタイミングに注意してください。