「猫に小判」とは?意味・類語【使い方や例文】
「猫に小判」ということわざの意味や類語を紹介します。
さらに「猫に小判」の使い方や、「猫に小判」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「猫に小判」の意味とは?
- 「猫に小判」の意味
- 「猫に小判」の語源や由来
- 「猫に小判」の使い方
- 「猫に小判」を使った例文
- 「猫に小判」の類語や類義の表現
「猫に小判」の意味とは?
「猫に小判」ということわざを知っているでしょうか。
「猫に小判」は「ねこにこばん」と読み、誰もが知っている有名なことわざで、もしかしたら日本一有名なことわざかもしれません。
みなさんが小さな頃に、初めて知ったことわざも「猫に小判」だったのではないでしょうか。
そんな有名なことわざ「猫の小判」の意味を、今さら聞く事ができなくて、困っている人がいるかもしれません。
そこで「猫に小判」の意味や、使い方を紹介します。
あらためて「猫に小判」ということわざを見直して、誰かの行動を例えてみてはいかがでしょうか。
「猫に小判」の意味
「猫に小判」ということわざには、どのような意味があるでしょうか。
「猫に小判」には、「価値のわからない人に、貴重なものをあげても役に立たない」という意味があります。
本当は誰にとっても貴重なはずの品なのに、その人にとってはピンとこないということがあります。
例えば、世界的アーティストのライブのチケットがある時、ほとんどの人が「行きたい」と思うはずです。
しかしある人にとっては、紙屑も同然で、知らない人のチケットよりも、牛丼の割引券の方が嬉しいと思うかもしれません。
このような状況を「猫に小判」と例えて、価値がある物なのに、価値が分からない人にあげても仕方がないという意味を含ませる事ができます。
「猫に小判」の語源や由来
「猫に小判」にはどのような語源があるでしょうか。
目の前に猫がいる時、鰹節と、小判を並べたら、ネコはどちらに興味を示すでしょう。
ほとんどの場合、鰹節に飛びつくと思います。
このような猫の行動が「猫に小判」ということわざを生みました。
そもそも「猫に小判」は、「いろはかるた」のひとつです。
「いろはかるた」はカルタ界でもっとも有名なカルタで、江戸版と上方版、尾張版などがあります。
今なら東京と関西エリア、愛知県の子供たちに向けて作られたカルタです。
その中の「上方いろはかるた」の「ね」のカルタに「猫に小判」があります。
ちなみに江戸版の「ね」は「念には念を入れよ」、尾張版には「寝耳に水」ということわざが当てられています。
このように、「猫に小判」は、「上方いろはかるた」がルーツになっています。
「猫に小判」の使い方
「猫に小判」ということわざを、どのように使えばいいでしょうか。
「猫に小判」には、「価値のわからない人に、貴重なものをあげても役に立たない」という意味がありますので、そのように感じた時に「猫に小判」ということわざを使ってみましょう。
また「小判」という価値が高い物が、そもそもの言葉にありますので、できるだけ価値が高そうなものが登場する方が、ことわざの意図通りになるはずです。
例えば地下アイドルのライブのチケットは、ファンにとっては価値が高いプラチナチケットになるかもしれませんが、一般的に欲しがる人が少ないでしょう。
そのため、「猫に小判」の「小判」らしくないと言えます。
トップアイドルのライブのチケットや、ドーム公演ツアーをするくらいのアーティストのチケットは「小判」に例えるのにぴったりです。
「猫に小判」を使った例文
「猫に小判」という言葉を使った例文を紹介します。
様々な場面における「猫に小判」を使った文章を見て、この言葉の使い方を覚えて行きましょう。
- 例文1
- 例文2
例文1
「機械式の高級腕時計をプレゼントしたが、デジタル時計がいいという妻には『猫に小判』だった」
スイス製の機械式腕時計は、腕時計ファンの中では高く評価されています。
また裕福な男性の多くも、機械式腕時計を持つ事をステータスにしています。
しかしこの例文に登場する奥さんのように、文字盤を読むのが面倒だと感じる人や、クオーツの方が気楽に使えていいと思うタイプの人にとっては、メンテナンスが必要で重さもあり、時間が分かりにくい機械式腕時計は無用の長物となります。
このような人を見た時に、腕時計好きの人は「猫に小判」だと感じるでしょう。
例文2
「ペルシア絨毯を見てダサいと言う彼を見て、『猫に小判』だったと感じた」
ペルシア絨毯は、技巧の粋が詰まった最高に価値がある美しいじゅうたんです。
しかし、人によっては何となくダサいと感じるかもしれません。
この例文に登場する彼のように、インテリアに興味がない男性には、そのようなタイプの人が多いかもしれません。
まさに「猫に小判」という言葉を使いたくなるシチュエーションでしょう。
「猫に小判」の類語や類義の表現
最後に「猫に小判」の類語や、類義の表現を紹介します。
「猫に小判」と似た意味のことわざが三つ登場します。
- 「犬に論語」【いぬにろんご】
- 「馬の耳に念仏」【うまのみみにねんぶつ】
- 「豚に真珠」【ぶたにしんじゅ】
「犬に論語」【いぬにろんご】
「犬に論語」ということわざがあります。
「論語」は孔子の教えをまとめた人間にとってありがたい言葉ですが、言葉を理解できない犬に聞かせても意味がありません。
この事から「犬に論語」には、「どれだけ良い教えであっても、聞く人の理解力が無い場合は意味がない」という意味になります。
「馬の耳に念仏」【うまのみみにねんぶつ】
「馬の耳に念仏」も「猫に小判」と同じくらい有名なことわざです。
「犬に論語」と同じように、人間にとってはありがたい教えが含まれている念仏ですが、馬は言葉が分からないので聞いても意味がありません。
この事から、ありがたい教えを聞かせても、理解できない人にとっては何も意味がないという意味になります。
「豚に真珠」【ぶたにしんじゅ】
「豚に真珠」も、とても有名なことわざです。
「豚に真珠」も「猫に小判」と同じように、価値が分からないものには、どんなに価値が高い物を与えても意味がないという意味になります。
豚に真珠のネックレスを渡した場面を想像すると、エサと間違えるか無視をするかどちらかではないでしょうか。
有名なことわざ「猫に小判」の意味や使い方を見てきました。
親しみのある「猫に小判」ということわざが、もっと身近になるのを感じたのではないでしょうか。
身近な誰かが、一般的に価値が高いと感じる物を見ても、無反応だったり、悪い反応をした時に、「猫に小判」という言葉をつぶやいてみましょう。