「責任回避」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「責任回避」の意味や類語を紹介します。
さらに「責任回避」の使い方や、「責任回避」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「責任回避」の意味とは?
- 「責任回避」の類語や言い換え・似た言葉
- 「責任回避」の言葉の使い方
- 「責任回避」を使った例文
- 「責任回避」を分解して解釈
「責任回避」の意味とは?
「責任回避」という言葉を聞いた事があるでしょうか。
会社に入って仕事をした経験がある人なら、「責任回避」という言葉を知っているかもしれません。
また実際に「責任回避」をした経験がある人もいるかもしれません。
一方で、「責任回避」という言葉を、今回初めて見たという人もいるでしょう。
そこで「責任回避」の読み方と意味を紹介します。
- 「責任回避」の読み方
- 「責任回避」の意味
「責任回避」の読み方
「責任回避」は「せきにんかいひ」と読みます。
「責任」は「せきにん」、「回避」は「かいひ」です。
どちらも一般的に使われる言葉ですので、読み間違える可能性は低いでしょう。
「責任回避」の意味
「責任回避」には、どのような意味があるでしょうか。
「責任回避」には、「責任を取るべきところを取らずに逃げる事」という意味があります。
「A部長は、今回も上手に『責任回避』したね」などという文章に使われます。
この文章のように、「責任回避」は、責任を取るべき人が取らない事に対する、ずるいという感情など、ネガティブな感情を伴っているケースが多くなります。
一方で、責任を取るべき場面でないのに、責任を取らされそうになった時に、それを上手に回避する事ができたという、ファインプレー的なポジティブな意味で使われる事も多いでしょう。
現在は世知辛い世の中で、従業員がいわれもない責任を押し付けられる傾向が強いため、後者のファインプレー的な意味合いで、「責任回避」という言葉を使われる事も少なくありません。
「責任回避」の類語や言い換え・似た言葉
次に、「責任回避」の類語や、言い換えられる似た言葉を紹介します。
責任を取らずに逃げる、そのような状況を表すのに似た言葉には、どのような言葉があるでしょうか。
- 「自己保身」【じこほしん】
- 「トカゲのしっぽ切り」【とかげのしっぽきり】
- 「責任転嫁」【せきにんてんか】
「自己保身」【じこほしん】
「自己保身」は「じこほしん」と読みます。
「自己保身」には、自分の身を守るという意味があり、会社や全体の利益を守る事よりも、自分の安全を守る事を最優先するという意味があります。
例えば、職場の上司が「自己保身」に走ってしまうと、部下は苦労する事になります。
職場全体の利益や、部下のキャリアを考えずに、自分に非がないように、自分の手柄になるように行動するためです。
このような上司は、「責任回避」がうまく、部下が取らなくてもいい責任を取らされてしまう可能性があります。
「トカゲのしっぽ切り」【とかげのしっぽきり】
「トカゲのしっぽ切り」という言葉も、「責任回避」や「自己保身」と同じグループの言葉です。
「トカゲのしっぽ切り」という言葉は、トカゲが敵に捕まりそうな時に、しっぽを切って逃げる様子から生まれました。
トカゲ本体が上の者、しっぽを下位の者に見立て、責任を下位の者に押し付けて、上の者は逃げ切る様子を言葉にしたものです。
例えば部署全体のミスなのに、新入社員に責任を押し付けて、先輩社員や上司は全く責任が無い事にするような事例は、「トカゲのしっぽ切り」と言えるでしょう。
「責任転嫁」【せきにんてんか】
「責任転嫁」という言葉も、「責任回避」と似ています。
「責任転嫁」は「せきにんてんか」と読みます。
本来は自分の責任のはずなのに、他の関係ない人になすりつける事を言います。
例えば、Aさんがお皿を割ったのに、その日、バイトに来ていなかったBさんに、お皿を割った責任を押し付けるような行為を「責任転嫁」と言います。
「責任転嫁」は「責任回避」の常套手段ですので、二つの言葉はリンクしている言葉と言えるでしょう。
「責任回避」の言葉の使い方
「責任回避」はどのような場面で使えばいいでしょうか。
まず誰かが責任を取らずに逃げた時に、「責任回避」という言葉を使いましょう。
さらに、自分が責任を取らずに逃げた時に「責任回避」という言葉を使います。
また、誰かの「責任転嫁」により、責任を押し付けられそうになった時などは、「責任回避」をする事にネガティブな意味はありません。
このような場合は、ポジティブな意味で「責任回避」という言葉を使ってみましょう。
このように、「責任回避」は、誰かや自分がネガティブな意味で、責任を逃れた時、また誰かや自分が、ポジティブな意味で責任を逃れた時に使ってみましょう。
「責任回避」を使った例文
「責任回避」を使った例文を見て行きましょう。
様々な場面における、「責任回避」を使った例文を紹介します。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
ビジネスシーンにおける「責任回避」を使った例文です。
「A課長は、序盤はプロジェクトを仕切っていたが、プロジェクトの進捗状況が悪くなると、徐々に部下のBマネージャーに責任をシフトさせていった。
結果的にプロジェクトは破綻し、全責任をBマネージャーが負う事になった。
A課長の巧みな『責任回避』術だと、社内中の噂になった」
本当は自分が責任を負うべきところを、プロジェクトが失敗しそうだと思った時点で、部下に「責任転嫁」しています。
ビジネスシーンにおける「責任回避」の典型例と言えるでしょう。
例文2
ビジネスシーンにおける、ポジティブな意味での「責任回避」を使った例文です。
「発注された仕事が納期に遅れそうになった時の事だ。
C課長が突然、「もし納期に遅れた、お前らのせいだ」と怒鳴った。
職場全体が凍りついたが、『無理な仕事を引き受けたのは、C部長で、私達の責任ではありません』とDさんが言った。
全員でC課長を睨みつけると、『わかった、すまなかった』とC課長は誤った。
Dさんの勇気ある発言のおかげで、『責任回避』する事ができた」
上司の横暴により、部下に責任が押し付けられるというケースは良くあります。
勇気ある発言により、「責任回避」ができた事は、ポジティブな出来事と言えるでしょう。
例文3
恋愛の場面における、「責任回避」を使った例文です。
「E君は彼女にプロポーズをしなかった。
そして彼女に結婚したいと言わせて、なし崩し的に結婚した。
それは『責任回避』のためだと、E君は言った。
結婚生活がうまく行かなかった時に、『結婚したいと言ったのは、お前だ』と彼女に言うためだ」
「結婚してくれ、幸せにする」という言葉には、責任が伴います。
しかし、幸せにする自信がない場合は、「責任回避」のために、そのような言葉を言わないという選択肢もあるでしょう。
E君の少しずるい感じが、「責任回避」という言葉の意味を良く表しています。
「責任回避」を分解して解釈
「責任回避」という言葉を、「責任」と「回避」に分解して解釈してみましょう。
「責任」には、「引き受けた任務」という意味があります。
日頃「責任」という言葉を使う者の、「引き受けた任務」だとはっきり認識している人は少ないかもしれません。
ビジネスシーンでの「任務」は、担当する仕事や務めの事で、与えられたタスクという意味だと捉える事ができます。
「回避」には、「良くない結果を恐れて、逃れようとする事」という意味があります。
例えば与えられたタスクをした結果、悪い結果が出そうだなと思った時に、その場から逃れようとするような行動を「回避」と言います。
難しい任務を与えられた時に、失敗しそうだなと思った時点で、引き受けてなかった素振りで責任を逃れようとする行為を「責任回避」と呼びます。
「責任回避」の意味と使い方を見てきました。
「責任回避」は、上に立つ人がするとずるい行為ですが、言われもない責任を負わされそうになった人がする分には、当たり前の行為と言えます。
状況によって、ネガティブな意味で、あるいはポジティブな意味で使うようにしましょう。