「悉く」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「悉く」とは、「すべて・みんな・残らず・すっかり・それに関することすべてに及ぶ」ということです。
「悉く」の「意味・類語・言い換え・使い方・例文と解釈・英語・言葉・悉くと尽くの違い」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「悉く」の意味とは?
- 「悉く」の類語や言い換え・似た言葉
- 「悉く」の言葉の使い方
- 「悉く」を使った例文や短文(解釈)
- 「悉く」の英語
- 「悉く」を使った言葉と意味を解釈
- 「悉」を使った言葉と意味を解釈
- 「悉く」と「尽く」の意味に違いはない
「悉く」の意味とは?
「悉く」の意味は、「すべて・みんな・残らず・すっかり・それに関することすべてに及ぶ」になります。
「悉く」という言葉の語源は「悉(ことごと)=事事(ことごと)」にあり、「事事」は「事」という漢字を重ねることによって、「すべての物事・一切の物事」のことを意味しています。
「その問題に関することすべて・みんな・すっかり」などの意味を持つ「悉」という漢字は、「獣の爪+心像の象形文字」から出来た漢字だと考えられています。
「悉」の漢字の起源は、鋭い爪で他の獣の心臓をえぐりとる光景が表現された象形文字であり、「残らずにすべてを取る+すべてのもの・すべての出来事」といった意味を持っていました。
- 「悉く」の読み方
「悉く」の読み方
「悉く」の読み方は、「ことごとく」になります。
同じ「ことごとく」と読む漢字の言葉として、「尽く」「盡く」があります。
「悉く」の類語や言い換え・似た言葉
「悉く」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「悉く」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「全て」【すべて】
- 「残らず」【のこらず】
- 「みんな(みな)・すっかり・とんと」
「全て」【すべて】
「悉く」の類語・言い換えとして、「全て・全部」があります。
「全て」という言葉は、「ある範囲に含まれるものを残らず含むこと・全体」を意味しています。
「全部」とは、「部分がすべて集まった全体・すべての物事」のことを意味しています。
その意味から、「悉く」の類語として「全て・全部」を上げることができます。
「残らず」【のこらず】
「悉く」の類語・似た言葉として、「残らず・残すところなく」があります。
「残らず」という言葉の意味は、「漏れがない全部・すべてにわたって」になります。
「残すところなく」とは、「一つも漏れ(抜け)がなく・すべてに及んで」を意味しています。
その意味から、「悉く」に似た言葉として「残らず・残すところなく」を指摘することができます。
「みんな(みな)・すっかり・とんと」
「悉く」の類語・言い換えとして、「みんな(みな)・すっかり・とんと」があります。
「みんな(みな)」という言葉の意味は、「残すところのない全部・全体」になります。
「すっかり」とは「残るものがないこと・ことごとく」を意味していて、「とんと」とは「すっかり・綺麗さっぱり」を意味しています。
そのことから、「悉く」という言葉は、「みんな(みな)・すっかり・とんと」という言葉に言い換えることができます。
「悉く」の言葉の使い方
「悉く」の言葉の使い方は、「特定の物事(対象)・分野(ジャンル)に含まれるすべてのこと」を指示する場合に使うというものです。
特定の分野や領域に含まれている「あらゆる物事+あらゆる行動+あらゆる出来事」について言及したい時に、「悉く」という言葉を使うことができるのです。
また、「ある集団に属する人・物」をすべて残すところなく指示したり言及したりする時にも、「悉く」という言葉を使うことができます。
「すっかり〜した」というような行動の完了についても、「悉く」という言葉が使われます。
例えば、「豊臣秀吉は全国各地を悉く支配した」というような使い方をすることができるのです。
「悉く」を使った例文や短文(解釈)
「悉く」を使った例文・短文を紹介して、その意味を解釈します。
- 「悉く」の例文1
- 「悉く」の例文2
- 「悉く」の例文3
「悉く」の例文1
「自分が好かれと思ってやったことが、悉く裏目に出てしまった」
この例文における「悉く」は、自分が好かれと思ってした行為が、「完全に・すっかり」裏目に出たことを意味しています。
自分がしたすべての行為がすっかり逆効果になってしまった時に、「悉く裏目に出た」という言い回しをするのです。
「悉く」の例文2
「戦局が急激に悪化したことで、自軍の戦艦は悉く沈められてしまった」
この例文における「悉く」は、戦争の戦局が急に悪くなって、自軍の戦艦の「すべて・全部」が沈められてしまったことを意味しています。
「悉く」という言葉は、ある範囲や物事の「全体・全部・すべて」のことを意味しているのです。
「悉く」の例文3
「事前にほとんど勉強しなかったために、悉く試験に落ちることになった」
この例文における「悉く」は、自分の勉強不足が原因で、「すべての試験・あらゆる試験」に落ちることになったということを意味しています。
あるいは、「悉く試験に落ちる」という言葉は「すっかり完全に試験に落ちる(まったく問題が解けずに落ちる)」ということを意味しています。
「悉く」の英語
「悉く」の英語は、「すべて・全部」の意味では“all”になり、「すっかり・完全に」の意味では“completely”、“entirely”、“altogether”、「残らず」の意味では“every”、“without exception”になります。
“He losed his all property.” (彼は悉く財産を失った。)
“I have consulted every dictionary. ”(私は悉く辞書を参考にした。)
“to do something completely”(悉く物事をやること。)
「悉く」を使った言葉と意味を解釈
「悉く」を使った言葉とその意味を解釈していきます。
- 「悉く失敗」
- 「悉く素晴らしい」
「悉く失敗」
「悉く失敗」という言葉の意味は、「やることなすことのすべてが失敗すること」や「全部が失敗して上手くいかないこと」を意味しています。
「悉く失敗」とは、ある物事を成功させようとして色々な事を試しにやってみたけれど、全部失敗してしまったことを意味しているのです。
「悉く失敗」という言葉を使った例文として、「ケーキ作りに悉く失敗してしまった」や「練習の成果が発揮できず悉く失敗した」などがあります。
「悉く素晴らしい」
「悉く素晴らしい」という言葉の意味は、「そのことに関するすべてが素晴らしいこと」や「完全に優れていて素晴らしいこと」を意味しています。
「悉く素晴らしい」とは、ある物事について「素晴らしくない部分(ダメな部分)がないこと」を意味しているのです。
「悉く素晴らしい」を使った例文として、「シャガールの絵画は悉く素晴らしい」などがあります。
「悉」を使った言葉と意味を解釈
「悉」という漢字を使った言葉とその意味を解釈していきます。
- 「悉皆」【しっかい】
- 「知悉」【ちしつ】
「悉皆」【しっかい】
「悉皆(しっかい)」という言葉の意味は、「ことごとくみんな・すっかりと」や「残すところがないこと・全てのもの」になります。
「悉皆」とは、「残すところがない全てのもの」のことを意味する言葉です。
「悉皆」を使った例文として、「悉皆調査を実施することが決定した」などがあります。
「知悉」【ちしつ】
「知悉(ちしつ)」という言葉の意味は、「ことごとく知っていること」や「すべてを知り尽くしていること」になります。
「知悉」とは、「ある物事(対象)や分野(ジャンル)について知り尽くしていること」を意味する言葉です。
「知悉」を使った例文として、「彼は世界史の人物については知悉している」などがあります。
「悉く」と「尽く」の意味に違いはない
現代では「悉く(ことごとく)」と「尽く(ことごとく)」の間に意味の違いはありませんが、「漢字の語源」には若干の違いがあります。
「ことごとく」の元々の語源は、「悉(ことごと)」の漢字にありました。
「悉(ことごと)」という漢字は副詞であり、「残らず・すっかり・全部」の意味がありますが、「悉(ことごと)」の語源は「事事(ことごと=全てのこと)」にあります。
「悉」に接尾語の「く」が付いたことで「悉く」という言葉が生まれました。
「尽く」の「尽(じん)」という漢字には、「つきる・つくす」の意味があります。
「尽」の意味を更に詳しく掘り下げると、「次第に減ってなくなる+続いていたものが終わること」や「全てのものを出し切る+全てのやるべきことを果たす」になります。
「尽く」は「悉く」と同じく「すべて・みんな・残らず」の意味を持っているのです。
「悉く」という言葉について徹底的に解説しましたが、悉くには「すべて・みんな・残らず・すっかり・それに関することすべてに及ぶ」などの意味があります。
「悉く」の類語・言い換え・似た言葉としては「全て・全部」「残らず・残すことなく」「みんな・すっかり」などがあります。
「悉く」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。