「老獪」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「老獪」の意味や類語を紹介します。
さらに「老獪」の使い方や例文を紹介して行きます。
目次
- 「老獪」の意味とは?
- 「老獪」の類語や言い換え・似た言葉
- 「老獪」の言葉の使い方
- 「老獪」を使った例文
- 「老獪」の対義語
「老獪」の意味とは?
「老獪」という言葉を使った事があるでしょうか。
「老獪な人だ」などと、誰かに対してある評価をする時に使う言葉です。
年が上の人、そして計算高い人、人を食えない人などに使う事が多い言葉かもしれません。
そこで、知っておきたい「老獪」の読み方や意味を紹介して行きます。
- 「老獪」の読み方
- 「老獪」の意味
「老獪」の読み方
「老獪」は「ろうかい」と読みます。
「老」は「ろう」と読みやすいですが、「老獪」の「獪」、「かい」はとても画数が多い、読みにくい言葉です。
これを機会に読み方を覚えてしまいましょう。
「獪」には悪賢い、ずるいなどの意味があります。
意味を知ると、「獪」の雰囲気もそのような、ずるさを感じるようになるのが不思議です。
「老獪」の意味
「老獪」の「獪」には、「悪賢い、ずるい」という意味があります。
そして「老獪」の「老」には、長く経験を積んだものという意味があります。
そのため「老獪」は、「年を経る事で長く経験を積み、悪賢さやずるさが増している人」という事になります。
ただずるい、悪賢いだけでなく、目上の人に対して使う事になります。
「老獪な手口」という言葉がありますが、経験を積んだ人にしか使えないような、頭の良さと、ずるさがある方法という意味です。
「老獪な手口」はとても頭が良い人が考えた、失敗が少ない方法ではありますが、「老獪な手口」と表現する時は、「悪賢い」「ずるい」という所に重きを置いています。
そのため「老獪な○○」という時は、基本的に悪口という事になります。
「老獪」の類語や言い換え・似た言葉
次に「老獪」に似た言葉、言い換えられる言葉をチェックしていきましょう。
どの言葉も「ずるい」という意味が込められた言葉になります。
- 「狡猾」【こうかつ】
- 「海千山千」【うみせんやません】
- 「食えない」【くえない】
- 「すれっからし」【すれっからし】
「狡猾」【こうかつ】
ずるくて悪賢い性格を意味する言葉です。
いわば「老獪」から「老」を抜いたような言葉です。
若い時から悪賢い人、ずるい人は、「老獪」でなく「狡猾」と表現した方が適切です。
また「狡猾な手段」「狡猾なやり方」などという使い方をして、ずるい方法や汚いやり口を意味する事もあります。
「海千山千」【うみせんやません】
長年経験を積んで、「老獪」な人の事を言います。
そのため、「海千山千」は「老獪」と言い換える事ができる言葉です。
「海千山千」は「海に千年間」「山に千年間」住んだ事があるような、経験豊富さと悪賢さを持っている人という意味があります。
確かにそれだけの経験を積めば、だれでも悪賢くなるのかもしれません。
「あの人は『海千山千』だから、気を付けろよ」などと、「老獪」な人を指して使う言葉です。
「食えない」【くえない】
「食えない」という言葉があります。
ドラマなどで、「あいつは食えない…」などという台詞を耳にした事があるかもしれません。
「食えない」という場合は、見るからにずるい人、悪賢い人ではないというポイントがあります。
一見、世間を知らない純粋そうな人に見えて、接してみると世の中の渡り方に長けている…そんな人を「食えない」と言います。
純粋そうな女性と付き合ったら、実は自分よりも悪賢い所がある、そんな女性も少なくありません。
そのような女性や男性に出会った時に「食えないな」とつぶやく事でしょう。
「すれっからし」【すれっからし】
「すれっからし」という言葉をご存知でしょうか。
「すれっからし」は世間に慣れ過ぎてしまい、純粋さがなくなってしまった人を意味する言葉です。
若い頃から苦労をして、世間に揉まれ過ぎてしまうと、「人間なんて」「世の中なんて」という見方が定着してしまい、本来その人が持っている純真さが消えてしまう事があります。
身の回りにも「すれっからし」と表現したくなる友達や知り合いがいるかもしれません。
「すれっからし」になるためには「世間ずれ」をする必要があります。
「世間ずれ」は、世の中に揉まれ過ぎて、悪賢くなる事を意味します。
「老獪」の言葉の使い方
「老獪」は、ずるがしこい高齢の人、悪賢い経験豊富な人の事を指します。
そのため、「老獪」という言葉は、目上の人、年長の人に使うのが基本ルールになります。
そして、「ずるい」だけでなく「賢い」部分が必要になります。
年齢を重ねた人でなければ思いつかないような、とてもずるいけれど、賢い方法を用いる人に対して「老獪」という言葉を使います。
ただし、「老獪」は基本的に悪口だという事を忘れないようにしましょう。
例えば会社勤めをしている人が、職場の上司に対して「○○部長は『老獪』ですね!」と発言するのはNGです。
本人は褒めているつもりでも、目上の人は悪口を言われたと感じるからです。
「あの人は『老獪』だね…」などと、本人の耳に入らないところで「老獪」という言葉を使うのがルールになります。
「老獪」を使った例文
続いて「老獪」を使った例文をチェックしてみましょう。
「老獪」を使った文章を見る事で、どのような場面で「老獪」を使えばいいかが見えてくるかもしれません。
- 「老獪」の例文
「老獪」の例文
ビジネスシーンでは、「老獪」という言葉を使うような場面が頻繁に訪れると思います。
特に若手の時代は、目上の人たちの「老獪な手口」にびっくりする事も多いはずです。
例えば「○○部長の『老獪さ』は、現代に生きる妖怪のようだ」とか、「真正面から突破を図ろうとしても、○○専務の『老獪さ』には太刀打ちできない」などと、真面目な仕事ぶりでは敵わない、目上の社員の経験豊富な手口に驚く事が多いはずです。
他にも「まだ入社一年目では、上司のような『老獪』な立ち回りは真似できない」とか、「この会社で何年仕事を続けたら、○○常務のような『老獪な手口』を思いつくようになるのだろう」などと、年齢を重ねる事の恐ろしさも感じる事があるでしょう。
「老獪」の対義語
最後に「老獪」の対義語、反対の意味の言葉をチェックしましょう。
「経験豊富で悪賢い」という意味とは、180度違うような言葉が並んでくるはずです。
- 「あどけない」【あどけない】
- 「天真爛漫」【てんしんらんまん】
- 「ナイーブ」【ないーぶ】
「あどけない」【あどけない】
「あどけない」という言葉をご存知でしょうか。
「あどけない」は「無邪気で可愛い」という意味の言葉です。
「老獪」で表現される人とは真逆の位置にいる人を表現する言葉です。
「子供の『あどけない』表情」など、小さな子どもに対して使われる事が多いです。
「天真爛漫」【てんしんらんまん】
生まれたままの性質を持ち続けた、飾り気のない様子を意味する言葉です。
経験から身につけた悪賢さなどはない、純粋な子供たちに対して使われる事が多い言葉です。
誰でも小さな頃は「天真爛漫」なのですが、社会の波にもまれ経験を積むと、いつまでも純粋なままではいられないのも事実です。
「ナイーブ」【ないーぶ】
「ナイーブ」という言葉は、日常的に聞く事があるかもしれません。
「ナイーブ」は純真さ、うぶという意味があります。
また純真さやうぶさに、好感が持てる人に対して使う事が多いです。
「老獪」は、経験豊富で悪賢い政治家や、社内政治に長けたタヌキおやじなどに使われる事が多い言葉です。
社会人の方なら、上司の何人かに対して「老獪」なイメージを持っているかもしれません。
ただし「老獪だな」と思ったとしても、口に出さないようにした方が良いでしょう。
「老獪」という言葉は、基本的に悪口だからです。
心の中で、または仲の良い人と間だけで、誰かの事を「老獪」と呼ぶようにしましょう。