「狡猾」とは?意味や類語!使い方や例文も解釈
「狡猾」という言葉にどのようなイメージを持っているでしょうか。
どこか油断ならないといった気持ちにさせる言葉ではないでしょうか。
それでは「狡猾」という言葉の意味、使い方、例文などを一緒に見ていきましょう。
目次
- 「狡猾」とは?意味
- 「狡猾」の表現の使い方
- 「狡猾」を使った言葉と意味を解釈
- 「狡猾」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「狡猾」の類語や関連語
- 「狡猾」の英語と解釈
「狡猾」とは?意味
「狡猾」とは、悪賢い、ずる賢いこと、またそのような人に「狡猾者」と言います。
「狡」は音読みはコウ、訓読みはずる(い)、こす(い)となります。)
「猾」は音読みでカツで、意味は悪賢いとなりますのでどちらの漢字も同じ意味合いということになります。
- 「狡猾」の読み方
「狡猾」の読み方
「狡猾」と書いて「こうかつ」と読みます。
少々難しいですが覚えておくようにしましょう。
「狡猾」の表現の使い方
「狡猾」という言葉の意味からしましても、いい意味で使われることはほぼありません。
悪賢い、ずる賢いといった言葉を言われてそれが褒め言葉であると思う人ならば褒め言葉として受け取るかもしれませんが、そのような人は少ないでしょう。
基本的には人に面と向かって言う言葉ではないことは理解しておきましょう。
「本当に狡猾な手口だ、許せない」「狡猾そうな顔つき」といったように人に対して否定的な表現をする時に使います。
「狡猾」を使った言葉と意味を解釈
「狡猾」を使った言葉とその意味を解説していきましょう。
- 「狡猾老獪」
- 「戦略的狡猾さ」
「狡猾老獪」
「狡猾老獪」の「老獪」とは経験を積み、非常に悪賢いことを言います。
「狡猾老獪」となりますと、その方面において経験が豊かであることから、悪知恵も働く、悪賢いといった意味になります。
言葉の意味だけをとらえて見れば、いい意味ではないのですが、実際「狡猾老獪」の使われ方としては、その方面に長けているといった褒め言葉的になってしまうこともあります。
「さすがに狡猾老獪だなあ」といった具合です。
政治家に使われることも多い言葉かもしれません。
「戦略的狡猾さ」
「戦略的狡猾さ」の「戦略的」という言葉の意味は考えなしではなく、長期的、全体的展望に立った、準備、計画、運用といった意味になります。
そこに「狡猾さ」が加わることでよく練られた計画的な悪賢さとなります。
仕事などにおいては相手を出し抜く、秘密主義な「仕込み」「事前準備」とでも言いましょうか。
何も考えていないふりをして、実はしっかり狙いを定めて着々と計画を進めているといった仕事ぶりなどは「戦略的」であり「狡猾さ」も持ち合わせていると言えるでしょう。
人間性はさておき、仕事ぶりとしては非常に有能であると思われます。
「狡猾」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「狡猾」という言葉の意味が理解できたところで、実際に「狡猾」という言葉を使った例文を紹介しましょう。
言葉の使い方のイメージを掴んでみてください。
- 「狡猾」を使った例文1
- 「狡猾」を使った例文2
「狡猾」を使った例文1
「彼は狡猾そうな笑いを浮かべた」
人を見下したかのような、余裕な表情、そして笑みをする人がいます。
いかにもずる賢く、悪知恵が働きそうなイメージが湧きます。
「狡猾」さは隠しているつもりでも、実は表情や行動に表れるものです。
敏感な人ならば何となく感じるものがあります。
また一度「狡猾」な人の「狡猾」なやり口に嫌な思い、騙された経験をすればわかるようにもなります。
「狡猾」な人は最初は、フレンドリー、いい人っぽく振るまうものですが「人を利用してやろう」「利用価値はあるか」といった目で見てきますので、笑っていても目が鋭いとか、笑っていないといったことはありがちです。
「狡猾」を使った例文2
「あいつは本当に狡猾な奴で、昔から大嫌いなんだ」
「狡猾」というのは一つの性質ですから、なかなか変わらないものです。
昔からずる賢い人はずっとずる賢く、大人になったからと言って治るわけでもありません。
むしろ経験を重ねることによりさらに「狡猾」さに磨きがかかり「狡猾老獪」へとなることの方が多いでしょう。
「狡猾」な人と関わるのは、自分自身をしっかり持っていないと傷ついたり、損をさせられることがあります。
また突然の裏切りといったことも平気であるでしょう。
「狡猾」な人は悪い方面に賢いものですからたちが悪いのです。
適度な距離を保ち冷静でいることが大事です。
「狡猾」の類語や関連語
それでは「狡猾」の類語、関連語などを見ていきましょう。
- 「計算高い」【けいさんだかい】
- 「抜け目のない」【ぬけめのない】
- 「立ち回りの上手い」【たちまわりのうまい】
「計算高い」【けいさんだかい】
「計算高い」とは利害、損得に対して敏感であること、自分が損をしないようにしっかりしている、打算的な考え方のことを言います。
「あの人は本当に計算高くて嫌だね」といったように「計算高い」とはあまりいい意味で人に対しては使いませんので使い方にも気をつけてください。
「抜け目のない」【ぬけめのない】
「抜け目のない」とは自分が利益になる、得することには、よく気がついて手抜かりがないことを言います。
またそのように、ずる賢く行動するさまを言います。
「相手は抜け目のない奴だから気をつけろ」などと使います。
いい意味ではありませんので褒め言葉にはなりません。
また相手がちゃっかりしていると呆れた時など「抜け目のない人だね」と冗談っぽく言うことはあります。
「立ち回りの上手い」【たちまわりのうまい】
「立ち回り」とは立ち回ること、工作することといった意味があります。
また芝居などにおいて乱闘、斬り合いの場面のことも言います。
「立ち回りが上手い」というのは、立ち回ることが上手い、工作が上手いとなりますので、自分に有利なように行動することが上手いということですから、それほどいい意味ではありません。
「要領がいい」「抜け目がない」などと同義で使われます。
「狡猾」の英語と解釈
「狡猾」を英語では“sly”と言います。
例えば“a sly smile.”は「狡猾な笑み」となります。
またけなす意味で使う「狡猾」では“cunning”という単語があります。
“a cunning old man.”で「狡猾な年寄り」となります。
いかがでしたでしょうか。
「狡猾」という言葉の意味、使い方、例文などまとめてお伝えしました。
人として「狡猾」と言われることがないような生き方をしていきたいものです。
また人に直接、面と向かって言うことはほとんどない言葉であるということも覚えておきましょう。