「すれっからし」とは?意味や使い方!例文や解釈
映画やドラマなどで「すれっからし」という言葉を耳にすることがあります。
一体どの様な意味なのか、例文なども併せて紹介します。
目次
- 「すれっからし」とは?
- 「すれっからし」の表現の使い方
- 「すれっからし」の類語や類似表現や似た言葉
- 「すれっからし」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「すれっからし」の反対語
- 「すれっからし」の英語と解釈
「すれっからし」とは?
「すれっからし」の意味や語源などについて紹介します。
- 「すれっからし」の読み方
- 「すれっからし」の意味
- 「すれっからし」の語源や由来
- 「すれっからし」と「あばずれ」との違い
「すれっからし」の読み方
「すれっからし」は漢字で書くと「擦れっ枯らし」になります。
どちらもよく使われますので、漢字でも読め様にしておきましょう。
「すれっからし」の意味
「すれっからし」の意味は「長い間苦労が続いたことで、ずる賢くなってしまった人のこと」です。
「すれっからし」は昔から使われている言葉です。
まだ現在ほど物資が豊かな時代ではなかった時代には、人により貧富の差がありました。
貧乏な人は徹底的に貧乏で、更に戦争が起きたことにより、どん底の生活を強いられることもあったのです。
人の生命力は非常にたくましく、過酷な環境でもどうにかして生き延びられるのですが、苦労をするほど生き延びる為にずる賢くなったり、悪知恵がついてくるものです。
最初のころは純真で人のことを考えながら行動していた人が、辛い環境の中で段々と自分のことしか考えられなくなり、時には人を騙す様なことをしても自分に有利になる様に振る舞う様にもなりました。
この様な人に対して「すれっからし」と言う様になったのです。
「すれっからし」は基本的に若い人に対して言われることが多くなります。
小さい頃から苦労をしたことで純真さが失われてしまい、性格がゆがんでしまっている人のことを言います。
「すれっからし」の語源や由来
「すれっからし」は漢字にすると語源が分ります。
「すれっからし」は元々「擦れ枯らし」という言葉で、段々と真ん中に「っ」という促音が入ってリズムが良くなった言葉です。
「擦れ」や「擦れる」の連用形で「ものとものとが強く触れ合ったり接触したりして、傷んだり減ったりすること」と、「様々な苦労をして純粋な心が失われること」という2つの意味があります。
「すれっからし」の場合後者の意味ですが、前者の意味でも「世間の波にもまれて心が傷ついたり変化すること」という意味で通用するでしょう。
「枯らし」は「枯らした人」という意味を省略したものと思われます。
「枯らす」は「草木の水分がなくなり朽ちること」という意味の他に「本来の勢いがなくなる」という意味もあり、「すれっからし」の場合こちらの意味になります。
これらの言葉が組み合わさり「様々な苦労をして純粋さがなくなり、本来のいきいきとした気持ちがなくなる」といいう意味で使われる様になりました。
「すれっからし」と「あばずれ」との違い
映画やドラマの中で「すれっからし」と似た様な意味として「あばずれ」という言葉を聞くことがあります。
「すれっからし」と「あばずれ」の違いが良く分からないという人も多いのですが、この2つは使い方が違います。
「すれっからし」は「さまざまな苦労をした末にずる賢くなってしまった人のこと」です。
「あばずれ」は「環境に関係なく厚かましくて品行の悪い女性のこと」です。
性格的に問題があるだけではなく、異性関係も適切ではないなど、女性を蔑視する言葉なのです。
2つの違いは「女性に対して使われる言葉かどうか」という点です。
「すれっからし」の表現の使い方
「すれっからし」の使い方のポイントを紹介します。
- 男女共に使う
- 人に使う時には注意
男女共に使う
「すれっからし」は男女問わずに使える表現です。
それまで育ってきた環境が元で性格的に問題が出てしまっている様な人に対して使われます。
人に使う時には注意
「すれっからし」は「ずる賢い」という意味ですので、悪口になります。
「要領がいい」という意味にはなりませんので、人に対して使う時には注意しましょう。
「すれっからし」の類語や類似表現や似た言葉
「すれっからし」の類語を紹介します。
- 「世馴れる」【よなれれる】
- 「人擦れした」【ひとずれした】
- 「世間ずれ」【せけんずれ】
「世馴れる」【よなれれる】
「さまざまな経験を積んであらうる社会のものごとを知る様になること」という意味です。
他には「男女間のことについてよく知っている」という意味もあります。
「人擦れした」【ひとずれした】
「多くの人達と接して来て人との付き合いが上手になっている人のこと」です。
なれなれしかったり、人を上手に利用する人に対して使われます。
「世間ずれ」【せけんずれ】
「社会で苦労をしてきてずる賢くなっていること」という意味です。
「すれっからし」とほぼ同じ意味の言葉になります。
「すれっからし」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「すれっからし」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「すれっからし」を使った例文1
- 「すれっからし」を使った例文2
「すれっからし」を使った例文1
「彼は自ら『すれっからし』と言っているが友達思いのいい奴だ」
「すれっからし」というと、ずる賢くて平気で人を騙すイメージがあります。
自称「すれっからし」と言っている人がいるのですが、周囲から見ると友達思いのとても性格のいい人に見えることを表しています。
「すれっからし」を使った例文2
「彼女は貧乏な家庭に育ったのですれっからしになってしまった」
貧乏な家庭に生まれ育ち、満足に食べ物がなかったり、必要なものを買って貰えなかったりすると、それを補う為に悪知恵が働き人にねだったり物々交換をしたりする様になります。
そのやり方が不公平だと周囲から嫌われることもあるでしょう。
辛い経験をしたことで狡猾になってしまったことを表しています。
「すれっからし」の反対語
「すれっからし」の反対語を紹介します。
- 「純粋な」【じゅんすいな】
- 「清らかな」【きよらかな】
「純粋な」【じゅんすいな】
真面目で邪念が全くないことを表しています。
子供の頃や「すれっからし」になる前は皆がこの様な内面なのです。
「清らかな」【きよらかな】
「心が澄み切って美しいこと」です。
人を騙そうとしたり利用しようとしたり考えずに、誠実に接する人のことを言います。
「すれっからし」の英語と解釈
“She is so shameless person.”
「彼女はすれっからしな人だ」となります。
“shameless”で「恥知らず=すれっからし」という意味になります。
「すれっからし」は、「長い間苦労が続いたことで、ずる賢くなってしまった人のこと」です。
男女共に使えますが、良い意味ではありません。
人に対して使う時には十分に注意しましょう。