意味解説の読み物

meaning-book

meaning-bookは意味解説の読み物です

「温厚」の意味とは?類語、対義語や使い方、英語を紹介!

十人十色という言葉があるように、自分を取り巻くまわりの人々の性格や個性は様々ですね。

怒りっぽい、優しいなどいろいろな特徴を示す言葉がありますが、「温厚」という言葉はどういった特徴を表しているのか知っていますか?今回は意味を解説しながら、「温厚な人」の特徴もご紹介します。

温厚

Meaning-Book
「温厚」の意味とは?類語、対義語や使い方、英語を紹介!>


目次

  • 「温厚」の意味とは?
  • 「温厚」の類語
  • 「温厚」の使い方
  • 「温厚」の英語
  • 「温厚」の反対語や似た対義語
  • 「温厚」な人の特徴


「温厚」の意味とは?

「温厚」の意味とは?

「温厚」とは、「おだやかで情に厚いこと」を意味します。

怒りなどのマイナスな感情の起伏が少なく穏やかで、人を思いやる気持ちや気配りが見られる優しい性質であることを表します。

漢字を1字ずつ分解して見ていくと更にその意味が深く理解できます。

1字ずつまずはその漢字がもつ意味を追ってみましょう。

  • 「温」の字から意味を考える
  • 「厚」の字から意味を考える
  • 「温厚」の読み

「温」の字から意味を考える

まず「温」という字は、物質の温度がほどよく高いことに対して使われます。

温かいという形容詞で有名です。

また、おだやかな様子や優しい様子を表現する漢字でもあります。

今回挙げている「温厚」もそうですし、「温順」という気候が穏やかであることを示す言葉などがそうです。

「厚」の字から意味を考える

「厚」という字は、そのままで「厚い」と表現したりするように、物の一方の面から反対側までの隔たりが大きいという意味を表しています。

また、心がこもっているという意味もあります。

「分厚い本」というようにその物体の厚さを示したり、「厚いもてなし」というように心が深く入った状態を示します。

その一方で、「厚かましい」という言葉にも使われているように図々しいという意味でも使われますが、「温厚」はこの意味ではありませんので誤解に注意しましょう。

「温厚」の読み

「おんこう」とよみます。

「温」「厚」も音読みです。

「温厚な性格」「温厚な人」など性質や特徴を表す言葉として他の言葉とセットで使われることの多い語句です。



「温厚」の類語

「温厚」の類語

おだやかなことや、情に厚く優しい事を表現する類語を3つご紹介します。

些細な部分で意味合いが違いますので、状況やその人の個性に合わせて言葉を選ぶとより良いでしょう。

  • 「温和」【おんわ】
  • 「柔和」【にゅうわ】
  • 「寛容」【かんよう】

「温和」【おんわ】

おとなしく優しいことや、おだやかさを表す言葉で「おんわ」と読みます。

性質については「穏やかでおとなしい」という意味で使われ、気候に対しては「温かく穏やか」という意味で使われます。

「和」という漢字には平和という熟語があるように、「仲良くする」協力し合う、争いをやめる」や「調和する」という意味があります。

「柔和」【にゅうわ】

性質や態度がやわらかな物腰であることを表す言葉で「にゅうわ」と読みます。

性格を指す事もありますが、ほとんどが表情や態度など目に見える部分を指して使われている言葉です。

仏の像などで、にこっと目じりを下げて少し口角を上げたような優しい笑顔を見た事はありませんか?

そのような微笑んでいる表情を示したり、トゲの無い優しい態度を示します。

「寛容」【かんよう】

心が寛大で人をとがめたりせず、よく人の言動を受け入れることを表す言葉で「かんよう」と読みます。

温和や柔和と比べると意味が若干異なりますが、人に対して優しく穏やかであり受け入れる態度というポジティブな表現の言葉です。

心が広い、という別の言い方ができるように、深い思いやりや優しさ、そして落ち着いた心がなければ実行することは難しそうですね。

「温厚」の使い方

「温厚」の使い方

それでは実際に例文を見ながら、どういった場合に「温厚」が当てはまるのかを見てみましょう。

また、「温厚」というのが一体どういった性格や人物を指すのか例文を参考にしてみて下さい。

  • 「温厚」の例文1
  • 「温厚」の例文2

「温厚」の例文1

「温厚な性格の彼の周りには、自然と人が集まってくる」

温厚な性格というのは、意味そのままで簡単に言うと「穏やかで優しい性格」という事です。

私たち人間は、自分と似通った嗜好をもつ相手や、自分に害のない性格を持つ相手へ好意を抱きがちです。

穏やかで優しい性格であれば、相手へ物理的、または精神的にも攻撃することはなく、むしろ安心感を与えてくれるとても有益な存在といえるでしょう。

そういった性質の人は好かれやすく、人気者として自然とまわりに人が寄ってきて良い雰囲気で関わり合うものです。

「温厚」の例文2

「彼女は常に温厚で、怒ったところを見たことがある人はいない」

「温厚」というのが穏やかな性質を表す言葉であることから、そういった性格の人はマイナスの感情の起伏がとても少ないとされています。

悲しみに明け暮れて泣き叫ぶとか、怒りにまかせて相手へ暴言を吐くと言った感情的な行動をとりません。

たとえそういった感情を抱いていても人前でさらすことをしません。

そのため例文のように、温厚な人が感情的に怒ったり泣いたりする様子を見た事がない人がほとんどでしょう。

ただし、感情がないわけではありませんし、限界はあります。

温厚な人を怒らせるととても怖いとよく言いますから、温厚な人だからといって甘えすぎないようにしましょう。



「温厚」の英語

「温厚」の英語

日本語の「温厚」に近い表現として挙げられる単語は“calm”“gentle”です。

「calm」とは海や天候が穏やかなさまや、気分が落ち着いていて平静であることを表す言葉です。

例えば「落ち着いてください」という英語表現は“calm down”と言うように、“calm”が使われます。

「gentle」については日本語でも「ジェントルマン」という言葉で馴染みがありますが、人や性質・言葉が優しいことや、態度が柔らかく上品であることを指す単語です。

「温厚」の反対語や似た対義語

「温厚」の反対語や似た対義語

「温厚」という言葉がいかにポジティブで穏やかな言葉かわかりましたが、もちろん性質や特徴を表す言葉としてあまり良くないイメージ、ネガティブな言葉もいくつか存在します。

そのうち2つを紹介しましょう。

  • 「陰険」【いんけん】
  • 「冷酷」【れいこく】

「陰険」【いんけん】

漢字からも伝わるように、わるだくみするような暗く嫌な感じやいじわるそうな性質を表す言葉です。

また、表面は何気なくポーカーフェイスを装いつつ、心の中で悪意を隠すさまを表現する言葉でもあります。

相手へ嫌な思いを感じさせる性質、ということですね。

「冷酷」【れいこく】

思いやりが見られずむごいことやそのさまを表す言葉です。

「温厚」で使われている「温」の字の逆の意味である「冷」という漢字が入っているように、人として冷たく思いやりがないような、温和とは正反対の性質を表す語句です。

「温厚」な人の特徴

「温厚」な人の特徴

ここまでは言葉として解説をしてきましたが、ここからは「温厚な人」というところにポイントを置いて解説していきましょう。

  • 内面的な特徴
  • 外面的な特徴

内面的な特徴

「温厚」という言葉が表す意味のように、内面はとても穏やかで温かさを感じる性格です。

具体的には、「小さな事ですぐイライラしたり悲しんだり、ネガティブな感情を持たない」という事と、「人に対して優しく思いやりを持ち気配りする」という2点が絶対条件です。

まるで聖人のような性格ですね。

ただ、意識してこの2点をしているわけではなく、元々こういった性質を自然に持っている人に対して「温厚な性格」だと言い表します。

こういった性格ですから、誰にでも好かれやすいという特徴があります。

「温厚」な人というのは人を傷つけたり嫌な思いをさせる行動をしないためです。

「温厚」な人と対峙すると、「自分へは絶対に攻撃してこないだろう」という安心感を感じます。

外面的な特徴

外面として表れやすいのは表情です。

「温厚」な人というのは、常に笑顔を絶やさないような人です。

誰かと目が合えばにっこりほほ笑みます。

悲しいことや苦しい事、怒りにまかせて、人前で顔をゆがめることは非常に少ないです。

また、仕草も同じです。

物や人に八つ当たりしたり、暴力をふるう事は絶対にありません。

自分の内側だけで上手に発散させることができる人です。

また、相手の気持ちを汲んだり察することに長けており、さりげない気配りができることも特徴です。

他人の悪口を言う事もしません。

icon まとめ

人間だれしも意識して、一般的により良いとされる性格になろうと努力します。

これまで解説した「温厚」な性格というのは、努力しても実現するのはとても難しく感じられますね。

天性のものかもしれません。

しかし、完全にそうなることは困難でも、近づく事はできます。

日々色々なことに直面したときに、いかに落ち着いて対処し、人に優しく接せられるかを意識することから始めてみませんか。