「冷酷」の意味とは?「冷酷」と「冷淡」「薄情」の違い・英語・類語
「冷酷」という言葉は、たとえ使ったことがなかったとしても、誰かに対して「あの人は冷酷だ」などと感じた経験があるのではないでしょうか。
冷たい、酷い、といった漢字で成り立っていますので、何となく意味はわかるという人も多いでしょう。
ここでは「冷酷」という言葉について紹介します。
目次
- 「冷酷」の意味とは?
- 「冷酷」の読み方
- 「冷酷」の英語(解釈)
- 「冷酷」の対義語
- 「冷酷」の言葉の使い方
- 「冷酷」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など(意味を解釈)
- 「冷酷」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「冷酷」の類語や類義表現
- 「冷酷」と「冷淡」の違い
- 「冷酷」と「薄情」の違い
「冷酷」の意味とは?
「冷酷」というのは思いやりがなく酷いことを指します。
冷たい、酷い、といった文字で成り立っていることからも分かる通り、冷血な、意地悪な、自分のことしか考えていない、などといった意味を持っています。
性格診断等でも「冷酷」タイプといった診断結果があります。
占い等では「冷酷」だとは言われたくないですよね。
「冷酷」の読み方
「冷酷」は「れいこく」と読みます。
漢字もしっかり描けるようにしておきたいですね。
間違いなく読めるようにしておくことも大切です。
「冷酷」の英語(解釈)
「冷酷」という表現を英語にすると、“ruthless”や“cruel”、“heartless”や“cold hearted”といった言い回しが可能になります。
どれも酷い、冷たい、人間としての感情がない、などといった悪い意味合いが含まれています。
どれも人間性を疑うようなニュアンスが含まれていますので、使うときには注意が必要です。
もしも軽い意味合いで「君は意地悪だなぁ」などという表現をしたいのであれば、“mean”という単語も使えます。
これは友達同士で使うこともできる表現ですから、人間関係を維持したい相手に対して直接使う場合はこの表現を使った方が良いでしょう。
- 「冷酷」を使ったEnglishの例文1
- 「冷酷」を使ったEnglishの例文2
「冷酷」を使ったEnglishの例文1
“He is such a heartless person.”
これは「彼は本当に冷酷な人間だ」という意味になります。
“heartless”はその表現からも分かる通り、心がないという意味になりますので、自分のことしか考えていない、思いやりがない、といった人に対して使えます。
自分の利益ばかり考えていて人に対して意地悪をしても何とも思わない、目の前で人が倒れていても助けようと考えない、という人はまさに「冷酷な人間だ」と言えるでしょう。
「冷酷」を使ったEnglishの例文2
“He fired her cruelly.”
これは「彼は彼女を冷酷に解雇した」という意味になります。
日本はもともと年功序列、終身雇用といったスタイルが伝統的でしたが、最近はこのような労働形態も崩れつつあります。
会社がその経営難を乗り越えるためにリストラをするということもありますよね。
そのため、いきなり上司から解雇を言い渡されたという経験を持つ人もいるでしょう。
しかし、解雇された人はいきなり生活が変わってしまいますから本当に大変です。
躊躇することなく解雇を言い渡す人、解雇を決定する人はまさしく「冷酷」だと言えるでしょう。
「冷酷」の対義語
「冷酷」という表現の対義語は「温厚」になります。
温厚はおだやかで情に厚いこと、人に優しい人、などといった意味を持ち、例えば目の前で人が倒れたら、すぐに手を貸さずにはいられないという性質を指します。
とても穏やかであり、すぐに怒ることがなく、落ち着いている人、温かみがある状態、などという意味も持っています。
そのため、「冷酷」とは真逆の意味であるということがわかります。
「冷酷」の言葉の使い方
「冷酷」という表現はかなりネガティブな意味合いを含みますので、誰かに対して直接使う事はまずないでしょう。
また、よほどのことでない限り、「あの人は冷酷だ」と人に話をすることもないかもしれません。
しかし、誰かが不幸にあったとしても顔色1つ変えることがない、誰かに同情を伝える言葉も全然言わない、そもそも優しくする姿を見たことがない、人に対してとにかく厳しい、人の事情も考えない、という人は周りから冷酷だと思われてしまっているかもしれません。
「冷酷」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など(意味を解釈)
ここでは「冷酷」という言葉を使った表現を紹介します。
- 「冷酷無慈悲」
- 「冷酷非情」
「冷酷無慈悲」
「冷酷無慈悲」というのは「冷酷」で非道である、という意味を持ちます。
慈悲というのは人を哀れんで慈しむことですが、無慈悲というのはその慈悲の心がない状態を指します。
「冷酷」という表現に無慈悲という言葉を付け加え、さらに冷酷である」、人に対して何の情も感じない、という意味になるのです。
「冷酷非情」
「冷酷非情」というのは情け容赦なく冷たい仕打ちをすることという意味になります。
例えば、先ほどリストラなどによって人を解雇するという話をしました。
解雇された人がその後どうするか全く考えることなく、失業手当ての事や就職活動について助言をすることもなく、むしろ「君は力がないから解雇されて当たり前なんだ」などと言い方をすれば、まさにそれは冷酷非情だと言えるでしょう。
いずれにせよ、不当に解雇された側からしてみれば「冷酷非情」に感じるかも知れませんね。
「冷酷無比」
「冷酷無比」というのは人の言動が冷たく、残酷である様子、全くぬくもりがない様子、まるで違通っていないかのように冷たい様子、などという意味を持ちます。
非人道的な、という意味も持っており、人間とは思えないような仕打ちをすることを指します。
「冷酷」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは「冷酷」という言葉を使った例文を紹介します。
- 「冷酷」を使った例文1
- 「冷酷」を使った例文2
「冷酷」を使った例文1
「彼女は母親に対し、とても冷酷な仕打ちをとった」
いつの時代も親の事は大切にしなければいけません。
しかし、最近では子供の学歴が高くなったこと、時代の変化による考え方の違いなどから、親子関係をしっかりと維持できない人々が増えています。
親から束縛されて育った、などということから毒親という言葉も出回るようになりました。
そのため、結婚などによって親元から離れた時、親に対して「冷酷」な仕打ちをする子供も少なくないと言われています。
「冷酷」を使った例文2
「あの人は本当に冷酷で、自分がしたことの反省は一切していない」
殺人事件などで犯人が捕まった場合、その人が反省の態度をとっているかどうかということが重視されますよね。
反省することがなく、謝罪することもない、という場合は「冷酷な犯人」としてメディアで扱われることも珍しくありません。
例えば殺人事件などを起こした場合、やはり真摯に自分の行いを見直し、反省することが大切です。
しかし、全く反省する素振りも見せず、開き直った態度をとってしまえば、それは「冷酷な人」ということになります。
「冷酷」の類語や類義表現
ここでは「冷酷」という表現の類義語を紹介します。
- 残酷【ざんこく】
- 残忍【ざんにん】
残酷【ざんこく】
残酷というのは思いやりがなく、平気で人を苦しめる様子を指しています。
惨たらしい様子、まともに見ていられないようなひどいやり方、などという意味も持っています。
かつて、「残酷な天使のテーゼ」という歌が話題になったこともありますね。
残忍【ざんにん】
残忍というのは酷いことを平気でする様子、あるいはそのような性質、という意味を持ちます。
残忍な犯行、残忍な事件、などといった使われ方があります。
「冷酷」と「冷淡」の違い
残酷とよく似た表現に冷淡というものがあります。
冷淡というのは物事に熱心ではなく、関心や興味がない状態、淡白、などという意味を持ちますが、それ以外に思いやりがないこと、という意味を持ちます。
同情や親切心を示さないこと、という意味もありますが、「冷酷」ほど冷たい意味ではありません。
「冷酷」と「薄情」の違い
薄情というのは冷たい性格や人情や相手の愛情が薄いこと、などといった意味を持ちます。
思いやりの気持ちがないことやその性質を差し、薄情な仕打ち、などといった言い回しがあります。
「冷酷」という表現は日常的に口にする表現ではありませんが、ぜひ知っておきたい言い回しです。
かなりネガティブな言い回しになりますので、実際に使うときには気をつけましょう。