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「宝の持ち腐れ」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

「あんなに素敵な『モノ』をもっているのに、どうして使わないんだろう」と他人に対して思った事はありませんか。

この"モノ"はその時折で変わり人によって違います。

そして相手からすれば大きなお世話かもしれませんが、殆どの場合この様に思っている感情には、「もったいないな」と感じている場合が多いのではないでしょうか。

またこの様な状況を「宝の持ち腐れ」と言いますが、この「宝の持ち腐れ」について今回はお話したいと思います。

宝の持ち腐れ

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「宝の持ち腐れ」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「宝の持ち腐れ」の意味とは?
  • 「宝の持ち腐れ」の類語や似たことわざ
  • 「宝の持ち腐れ」の使い方
  • 「宝の持ち腐れ」を使った例文
  • 「宝の持ち腐れ」から学びたい事


「宝の持ち腐れ」の意味とは?

「宝の持ち腐れ」の意味とは?

「宝の持ち腐れ」「たからのもちぐされ」と読みます。

宝物は人によって違いますが、それが何であれ使い方が分からなかったり、そもそも使っていなかったり、使うべきところで能力を発揮できないなど、せっかくの出番や活躍の場で全く役に立たず、残念な結果になる事を表す言葉になります。

価値のある物を本来の活かし方をせず、そのまま腐らせてしまうという意味のこの言葉の語源は正直分かっておらず、語源らしい語源はありません。

ですが宝を持ったまま腐らせてしまうという表現としてのニュアンスはわかると思うので、この「宝」について少しお話したいと思います。

まずこの「宝」には物の場合と他人自身が持つ容姿や能力などを表す場合があります。

またそれには代わりがなく、取り替える事が出来ないものや、唯一無二の存在であるなど非常に価値がある物をさします。

そしてそこに続く"持ち腐れ"ですが、(大切な物を)持ったまま日の目を見させぬまま腐らせる事や、役に立てずに消していく事を表しています。

そしてその二つを組み合わせると、せっかくの価値があるものを何もせず腐らせてしまう事という意味になり「宝の持ち腐れ」に結びついていくわけです。

また基本的には他人に対して使う言葉ですが、逆に言われてしまう事もあるかもしれません。

ですがこの言葉自体に悪意はなく、むしろある意味褒めていたり、素敵だと認めていると言えるので、もし「宝の持ち腐れ」だと言われたらムッとするのではなく、期待されたり認められているのかなと思う余裕を持つといいでしょう。



「宝の持ち腐れ」の類語や似たことわざ

「宝の持ち腐れ」の類語や似たことわざ
  • 「豚に真珠」【ぶたにしんじゅ】
  • 「箪笥の肥やし」【たんすのこやし】
  • 「猫に小判」【ねこにこばん】

「豚に真珠」【ぶたにしんじゅ】

豚に真珠は有名なのでご存知の方も多いと思いますが、このことわざは豚は動物なので着飾ったりしません、つまり豚に真珠を与えても価値がわからないので意味がないという意味です。

そのことから値打ちや価値がわからない相手に、どんなにいいものを与えても意味がないという事を表す言葉になります。

豚は自ら首から真珠を下げる訳ではありません。

豚が悪い訳ではありませんが、その物が活かされない事は「宝の持ち腐れ」と同じ意味だと言えるでしょう。

「箪笥の肥やし」【たんすのこやし】

肥やしとは肥料の事です。

箪笥は中に洋服や小物などをしまうものです。

つまり一度着たまま放って置かれている洋服や忘れ去られている小物が、箪笥の中で肥料になってしまって箪笥の一部になってしまうという事をたとえた表現になります。

どれほど素敵な物を持っていても箪笥で眠らせていては意味がありません。

その事から「宝の持ち腐れ」と似た意味だと言えるでしょう。

「猫に小判」【ねこにこばん】

猫に小判も、非常に有名なことわざなので知らない人はいないのではないでしょうか。

このことわざも豚に真珠と同じような意味になり、価値がわからない相手にいくら価値のある物を与えても意味がないという意味になります。

猫に小判を与えても、猫は小判を使う事はできません。

価値も分からなければ意味すら分からないからです。

豚に真珠同様、「宝の持ち腐れ」と同じ意味合いを持つ言葉だと言えるでしょう。

「宝の持ち腐れ」の使い方

「宝の持ち腐れ」の使い方

「宝の持ち腐れ」「宝」には、 "物"に対して使う場合と、人の"能力"や"魅力"、"才能"などに対して使う場合があります。

この言葉は二つの意味を持っているので、二つの側面から解釈する必要があります。

また基本的に他人に対して使う言葉であり、間接的に表現する場合もあれば、直接的に表現することもあるので、よく考えて発言しないと失礼になったり、傷付けてしまう事になるので気を付けなければいけません。



「宝の持ち腐れ」を使った例文

「宝の持ち腐れ」を使った例文
  • 「宝の持ち腐れ」の例文1
  • 「宝の持ち腐れ」の例文2
  • 「宝の持ち腐れ」の例文3

「宝の持ち腐れ」の例文1

「あの人はせっかく親から受け継いだ立派な家があるのに、全く使っていないから傷んできている。あれこそ宝の持ち腐れと言える。」

宝の持ち腐れの宝の部分が物である場合の例文になります。

他人に対して持つ感情ではありますが、対象物が物であるためこちら側の勝手な感情だと言えるでしょう。

「宝の持ち腐れ」の例文2

「彼女は人がなかなか持てないような立派な資格を持っているのに、家に引きこもって活かそうとしない。宝の持ち腐れとはこの事だけど、彼女にも何か理由があるのかもしれない」

これは宝の対象が人そのものなので、発言に気をつける必要があります。

宝が人の能力や容姿などの場合は相手がある事なのでデリケートになる必要があります。

「宝の持ち腐れ」の例文3

「そんなに粗末にしてはもったいない。それは宝の持ち腐れというものです。せっかくの物を利用しない手はないでしょう」

持っているものを最大限に活かそうとする会話になります。

他人に忠告しつつ、認めて褒めています。

「宝の持ち腐れ」から学びたい事

「宝の持ち腐れ」から学びたい事
  • 「宝」は使わないと意味がない
  • 自分について振り返ってみる
  • 人によって「宝」は違う

「宝」は使わないと意味がない

「宝の持ち腐れ」の意味そのままになりますが、宝は持っているだけでは何の意味もありません。

物理的なものであっても、その人が持つ容姿や能力、魅力や才能であっても磨かず放っておいては何の役にも立たないのです。

また全く使い方が間違っていたり、意味を成さないような方向で活かしていたり、磨きあげていても、おそらく行き詰まり宝を腐らせてしまう事になるでしょう。

例えば一生懸命勉強をして志望校に合格をしても、全く行かず遊んでばかりでは何の意味もありません。

必死で乗り越えてきたのにも関わらず合格をしただけでは、その頑張った期間が無駄になってしまいます。

また昔に買ったものを買ったことすら忘れ、いざそれが必要になった時に買っていた事を忘れていたり、挙げ句の果てには同じものを買って結局使わないなど宝に対して大切にしない気持ちを持っていると、無駄なものが益々増えていく事にもなるでしょう。

いいものを持っているのにも関わらず使わないでいる事はチャンスを逃す事にも繋がります。

千載一遇のチャンスが目の前にあっても、宝を持ち腐ってしまう人はおそらくそのチャンスをもうまく使う事ができないかも知れません。

「宝」は正しく使わなければもったいない事になってしまいます。

腐ってしまう前に何かに気付く訓練は必要かもしれません。

自分について振り返ってみる

他人から直接「宝の持ち腐れ」だと言われる事は少ないかもしれませんが、もし言われても、または言われなくても、自分の「宝」について振り返って考える事は大切な事ではないでしょうか。

他人から言われると、今まで考えた事もなかった事に気付かされたり、何かを見つけるかもしれません。

また見て見ぬ振りをしていた自分の能力や本当にやってみたかった事を思い出し再度チャレンジしてみたくなるかもしれません。

それは物理的な物でも同じであり、見直す事で断捨離にもなりますし、その物のお陰で生活が豊かになったり、気持ちが楽になったり感性が磨かれたりするかもしれません。

少しのきっかけで自分について見つめ直し、転機を迎えたり可能性を見出せたりするので、誰かに言われたわけではなくても、振り返り自分について考える事は大切な事ではないでしょうか。

人によって「宝」は違う

「宝の持ち腐れ」とは、せっかの「宝」を台無しにしてしまう事とお伝えしましたが、たとえ他人がどれほど「宝の持ち腐れ」だと思っていても、結局本人がそれを「宝」だと思っていなければ、それは「宝」ではありません。

どれほど美しく誰が見ても羨むような容姿をしていたとしても、本人が全く興味がなく、磨こうと思っていなければ、それはただの周りの意見に過ぎません。

それどころかコンプレックスであり褒められたくないと思っているのであれば尚のこと「宝」どころではありません。

また高学歴で素晴らしい能力を持っていても、本人が学力に関係のない夢を持っていれば、それは本人にとっては持ち腐れでも何でもありません。

つまりどれほど周りが騒ごうが「宝」だと思おうが、本人にすれば「宝」でも何でもなくただの一つのツールに過ぎないのです。

もちろんそれは物理的なものでも同じになります。

価値があり世界中の学者や収集家が素晴らしいといった物を持っていたとしても、本人にとって何の興味もなく値打ちなど感じていないのであれば、ただの物にしかならないのです。

つまり「宝」とは、本人が決める事であり、その価値も値打ちも周りが決めることではないという事です。

「宝の持ち腐れ」と同じような意味として、先程「豚に真珠」を挙げましたが、このことわざも考え方を変えれば、豚に真珠の価値がないと思っているのは私達が真珠に価値を感じる人間だからであって、豚からすれば真珠なんかになぜ価値なんて感じているのかわからないと思っているかもしれないのです。

もちろん「豚に真珠」は例えではありますが、実際に真珠に対して価値を感じない人も必ず人間の中にもいるはずです。

人は立場で感覚や考え方が変わりますし、物の見方も変わります。

ですから当然「宝」も変わりますし、価値観も変わります。

「宝の持ち腐れ」だという言葉自体は決して悪い意味ではなく、認め素晴らしいと思われているということには変わりはありませんが、その事が本人にとって本当に宝物かどうかを考える必要もありますし、こちら側の一方通行で決めつけてはいないかという事も頭に置いておかなければいけないのかもしれません。

icon まとめ

物はもちろん、自分の持って生まれた才能や能力、努力して身につけた実力は大切にしなければいけません。

無駄に乱用したり粗末にしてはせっかくの宝物を汚してしまいます。

ですがだからといってあまりにも大切にし過ぎて日の目を見ささず、奥の方に閉まっていてはカビが生えて傷んでしまいます。

宝物は、然るべき使い方をしてこそ価値が出て輝くものです。

出し惜しみし過ぎて無駄にしてしまう事はもったいないので、上手に使いながら大切に扱って、更に値打ちを付けましょう。