「一触即発」の意味とは?反対語、使い方や例文を紹介!
「一触即発」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
もう少しで危なかった、などという時に使われる表現ですが、聞いたことがある人もいるかもしれないですね。
ここでは「一触即発」という言葉について解説します。
目次
- 「一触即発」の意味とは?
- 「一触即発」の類義語
- 危機を表す慣用句
- 「一触即発」の状態
- 「一触即発」の例文
「一触即発」の意味とは?
「一触即発」とは「少し触れただけですぐにでも爆発してしまいそうな状態」を指すことから、「極めて緊迫した状態」を指すようになりました。
ちょっとしたことで重大な何かが起こるかもしれない、危険な状態に直面しているということを指しているのです。
これは日本漢字能力検定の4級で出てくる熟語になります。
- 「一触即発」の読み方
- 「一触即発」を分解して解説
「一触即発」の読み方
「一触即発」の読み方は、「いっしょくそくはつ」になります。
「一触即発」を分解して解説
「一触即発」の一触は少しだけ触れることを指します。
そして即発はすぐに爆発するということを指しています。
これら2つの単語合わせ、少し触れることによって爆発してしまうような状態、を表すようになりました。
「一触即発」の類義語
「一触即発」の類義語ついて説明します。
- 「危機一髪」【ききいっぱつ】
- 「爆発寸前」【ばくはつすんぜん】
- 「累卵之危」【るいらんのき】
「危機一髪」【ききいっぱつ】
危機一発ではありませんので注意が必要です。
ひとつ間違えば非常に危険な目に遭うことを指し、髪の毛1本ほどの違いで困難や危機に陥るかどうか、極めて危険な状態の瀬戸際を指しています。
「爆発寸前」【ばくはつすんぜん】
あと少しで大きな事になりそうな状態のこと、限界ギリギリのことを指しているのです。
あと少しで怒らせそうな状態だった時など、爆発寸前という言い方をすることがあります。
「累卵之危」【るいらんのき】
累卵とは積み重ねた卵のことを指しており、卵を積み重ねるとすぐに崩れ落ちてしまうことから、非常に危険な状態を指すときに使われる言葉となりました。
危機を表す慣用句
危機を表す慣用句ついて説明します。
- 「一難去ってまた一難」【いちなんさってまたいちなん】
- 「足元に火がつく」【あしもとにひがつく】
- 「門前の虎後門の狼」【もんぜんのとらうしろもんのおおかみ】
- 「風前の灯火」【ふうぜんのともしび】
「一難去ってまた一難」【いちなんさってまたいちなん】
「一難去ってまた一難」というのは1回困難な状況に陥り、それは解決したにもかかわらず再度困難な状況に陥ってしまう、という意味を指します。
いちど困難をクリアしてもまたさらなる困難が待ち受けていた、という状況を表す言葉です。
つまり困難や災難がどんどん続いてやってくることを指すのです。
2度やってくるのではなく、続いてやってくるという意味が重要です。
「足元に火がつく」【あしもとにひがつく】
「足元に火がつく」は危機が身に迫って安閑としていられなくなる、という意味を指します。
つまり、危険な状態が近づいてきているため、気持ちが安らかではいられないためのんびりしてはいられない、という意味を持つのです。
例えばささいな言い争いが足元に火がつくきっかけとなってしまった、などという使い方ができますね。
「門前の虎後門の狼」【もんぜんのとらうしろもんのおおかみ】
「門前の虎後門の狼」は1つの災いを逃れたとしても、すぐにまた他の災いに襲われること、という意味を指します。
これは一難去ってまた一難と似ている表現になります。
例えば仕事が忙しく、常に残業をしなければいけない状態なのにも関わらず風邪をひいてしまい、門前の虎後門の狼、などという言い方ができるのです。
「風前の灯火」【ふうぜんのともしび】
「風前の灯」は危機が迫ってすぐにも絶えてしまいそうな状態を指します。
風が吹きつけるところにある灯はすぐに消えてしまいますよね。
今の状態は、これから危険が迫ったらすぐにもなくなってしまいそうな状態である、はかない状態である、という意味になります。
「一触即発」の状態
「一触即発」の状態について説明します。
- 「今にも戦争が起こりそうな状態」
- 「人間関係にトラブルがあり、すぐにでも大喧嘩になりそうな状態」
- 「部下が上司に言い返したことで上司が怒り始めた」
- 「大統領のスキャンダルが公になってしまい、いつクーデターが起こってもおかしくない状態」
「今にも戦争が起こりそうな状態」
憲法第9条に守られている日本にとって戦争というものは程遠い存在に思えるかもしれません。
しかし、世界ではまだまだ戦争を繰り広げている国々がたくさんありますよね。
中にはいつ戦争が起こってもおかしくないような状態にある国々もたくさんあります。
例えば2つの国が今すぐにでも戦争始めそうな状態にある、いつ何があってもおかしくない状態にある、という場合、「一触即発の状態にある」ということができるのです。
例えば政治家が何か余計なことを言ったり、戦闘機が領空を侵したりすればすぐにでも攻撃が始まりそうな状態の場合、まさに「一触即発」と言えるでしょう。
「人間関係にトラブルがあり、すぐにでも大喧嘩になりそうな状態」
人間関係は常にうまくいくとは限りませんよね。
もちろんとても良い関係を築くことができる人もいれば、中には社交辞令を述べながら付き合っていかなければいけない人もいますし、場合によっては喧嘩をしないように気をつけなければいけないというような人もいるでしょう。
しかし、中には不仲が続き、すぐにでも大喧嘩に発展してしまいそうな人間関係というものも存在するものです。
例えば夫婦関係が冷え切っており、今にも離婚話が出そう、今にもどちらかが相手に暴力を振るのではないか、などという状態はまさに「一触即発」の状態と言えるでしょう。
「部下が上司に言い返したことで上司が怒り始めた」
日本は年功序列がいまだに社会のマナーになっている国ですよね。
会社等では歳上の上司が年下の部下に注意をする、ということもあるでしょう。
そんな時、「日本においては年下の部下はたとえそれが不条理だと思ったとしても黙って聞いていなければいけない」という暗黙のルールがあります。
もしもそこで年上の上司に歯向かってしまえば、そもそもビジネスにおける人間関係に暗い影をさしてしまうかもしれません。
しかし、最近では年功序列という考え方も変わりつつあり、部下が上司に意見をする、ということもあるでしょう。
意見をするならば良いですが、もしも部下が上司に口答えをしたり、刃向かったり、ということがあれば上司にとっても心穏やかではいられませんよね。
毎回注意をするたびに部下から口答えをされていたら、いつかしら「一触即発」の状態になってしまうかもしれません。
これ以上口答えをしたら上司が爆発する、というような状態を指します。
「大統領のスキャンダルが公になってしまい、いつクーデターが起こってもおかしくない状態」
国によってはまだまだ大統領が不正を働いていることも珍しくありません。
大統領と言えば多くは民主主義の選挙によって選ばれるため、そんな大統領が不正を働いていたがやはりショックですよね。
今でも戦争が続いて日本の国家においてはクーデターが起こることもあるかもしれません。
そしてそのような状態もまさに「一触即発」の状態だと言えるでしょう。
「一触即発」の例文
「一触即発」の例文について説明します。
- 「冷戦中は本当に一触即発のような状態だった」
- 「うちの部長と他の部署の部長が一触即発の状態にあって大変だった」
- 「濡れ衣を着せられてイラついた、本当に一触即発の状態だった」
- 「うちの両親は一触即発の状態にある、いつ離婚になってもおかしくない」
「冷戦中は本当に一触即発のような状態だった」
アメリカのソ連が起こした冷戦は本当に「一触即発」のような状態だったといえます。
第二次世界大戦の原爆投下を皮切りに、世界は核兵器というものを開発し始めていたのです。
アメリカもソ連も水爆を完成させ、第三次世界大戦が起こったら確実に核兵器が用いられるという状態でした。
キューバ危機によりあと一方で核兵器が使われるかもしれないという状態にまで陥り、世界はまさに「一触即発」の状態だったのです。
リーダーたちはミサイルのボタンに常に手を当てているような状態で、何があってもおかしくなかったと言えるでしょう。
だからこそ、「あの時は本当に一触即発の状態だった」と言えるのです。
「うちの部長と他の部署の部長が一触即発の状態にあって大変だった」
ビジネスをしているときは自分の部署で仕事をしますよね。
そして部長の話を聞き、指示を受けながら仕事をする、ということもあるのではないでしょうか。
そんな時自分の部署の部長と他の部署の部長がビジネス関連のことで揉めてしまい、今にも問題が大きくなりそうな状態だったら部下としては疲れてしまいますよね。
そのような状態はまさに「一触即発」の状態だったといえます。
どちらかの部長が休んだりして姿を表さなければ、他の部下たちもちょっぴり安心してしまうのではないでしょうか。
「濡れ衣を着せられてイラついた、本当に一触即発の状態だった」
無実の罪というのは本当はあってはならないことですが、誰であっても人生で1度は濡れ衣を着せられた経験などもあるのではないでしょうか。
濡れ衣を着せられるというのはやってもいないことをやったと疑われることを指します。
しかし、やってもいない悪いことをやったと疑われてしまったら心穏やかではいられませんよね。
大したことがないものであれば笑って済みますが、犯してもいない罪を犯した、などと言われてしまえば大変です。
例えば小学校や中学校でガラスが割られたとしましょう。
例えば自分が3年1組に入るとします。
そんな1組のガラスが割られてしまったからといって3年1組の生徒たちが疑われたら、3年1組の生徒たちと学校はまさに「一触即発」の状態になる可能性が考えられます。
「うちの両親は一触即発の状態にある、いつ離婚になってもおかしくない」
離婚というのは非常に残念な結果ではありますが、夫婦の中には性格の不一致なので離婚という道を選ぶ人たちも今は増えつつあります。
しかし、中には家庭内別居などを続けつつ、離婚をしない道を選ぶ人もいますよね。
家の中でどれだけ口をきかなかったとしても絶対に離婚しないと決めているならばともかく、離婚をする可能性がある状態で冷戦状態が続くと、それはまさに「一触即発」の状態と言えるでしょう。
ちょっとしたきっかけでいつ離婚が起こってもおかしくない場合、文字通り「一触即発」になるのです。
いかがでしょうか。
「一触即発」というのは今にも危険な状態になりそうな様子、などという意味を表しますので、しっかりと意味を理解した上で使わなければいけない表現です。
また、「一触即発」の一色は一触ですので、漢字の間違いがないようにしておかなければいけません。
読めるだけではなく、書ける感じになると良いですね。
また、熟語は漢字が特殊なものもありますのでしっかりとマスターしておきましょう。
先ほども述べた通り、「一触即発」の類義語、危機一髪は危機一発とは書きません。