「天性の才能」の意味とは?類語や反対語、使い方や例文を紹介!
「天性の才能」と聞くと、秀でた才能を持つ有名人を想像しますよね。
では、実際はどのような意味で使われるのでしょうか?
目次
- 「天性の才能」の意味とは?
- 「天性の才能」の類語やことわざ
- 「天性の才能」の使い方
- 「天性の才能」を使った例文
- 天才ではなく努力に関することわざ
- 「天性の才能」英語ではなんという?
「天性の才能」の意味とは?
「天性」と「才能」の二つに分けて意味を考えるとわかりやすいです。
「天性」とは生まれ持った、や生まれつきのという意味があります。
元々持って生まれてきたもの、という意味ですね。
また、「才能」とは、ある個人の能力が訓練などで強化、伸張され、洗練された力のことです。
何かを成し遂げる能力のことをさします。
この2つの意味が合わさった言葉である「天性の才能」とは、元々生まれ持った能力や力が、何かを成し遂げるだけの有力性を持っている、という意味です。
「天性の才能」という言葉がさらに特定して表しているのは、「特に秀でた」才能です。
他と比べても類い稀なほどの能力を持っていて、それを伸張するだけの余裕がある能力のことを指す場合が多いです。
「天性の才能」は、生まれ持った能力だけではなく、その能力を伸ばすための努力もその意味に含まれているのですね。
「天性の才能」の類語やことわざ
- 「天性の才能」の類語
- 「努力に勝る天才なし」【どりょくにまさるてんさいなし】
- 「瑠璃の光も磨きから」【るりのひかりもみがきがら】
- 「能ある鷹は爪を隠す」【のうあるたかはつめをかくす】
「天性の才能」の類語
「天性の才能」という言葉は、二つの言葉が組み合わさってできた言葉であるため、たくさんの類語が見られます。
代表的なのは、生まれつきの能力や先天的資質です。
- 「天性」という言葉の類語は生まれつきや生まれ持った、また先天的などがあります。
- 「才能」という単語には、資質、能力、力などがあります。
- 「資質」や「能力」は「才能」と比べると特異性が低く一般的なニュアンスを含みます。
才能の方が頭一つ分ほどぬけた、突出した能力を指すと考えるのが妥当でしょう。
また、「天性」という言葉には「生来」という類語もあり、主に書き言葉によく使われます。
「天性の才能」は様々な組み合わせの類語が存在すことがわかりますね。
生まれ持った能力、生まれ持った資質、先天的な力、先天的な能力、生来の能力、生来の資質など、様々な組み合わせが存在しますが、意味はほとんど同じです。
文中での単語の使用率や、文脈との兼ね合いなどに鑑みて、いろいろな組み合わせで表現することが可能です。
「努力に勝る天才なし」【どりょくにまさるてんさいなし】
このことわざには2つの意味が存在しています。
一つ目は、「どれだけ天才的な能力を持った人でも、努力をし続ける人が見せるパフォーマンスには太刀打ちできない」ということです。
天賦の才能を持っていても、努力をして磨かなければ錆びついてしまいます。
「天性の才能」とは、持って生まれた資質や素質に加えて、努力という素質も必要である、という意味が込められていることわざです。
一方で、もう一つの解釈としては「努力を続けることができる、それ自体が生まれ持った才能」という考え方です。
どれだけ天才的な才能を持っていてたとしても、努力をしなければその才能は朽ちてしまう。
では、努力することがいちばんの才能なのではないかということです。
天才と言われた人々は、必ずその才能が褒め称えられる前に並々ならぬ努力をしています。
今では知らない人はいないと言われるほど有名なスペインの画家、「パブロ=ピカソ」も努力せしめた天才のうちの一人です。
彼の絵はその破天荒なタッチと、モチーフの原型がわからないまでに解釈された彼独特の視点が魅力です。
一般人からすると一見ただの落書きのように見えてしまう彼の絵ですが、実は計算され尽くした計画のもとに書かれている絵なのです。
彼があのようなキュビズムの絵を描くようになる前、まだまだ駆け出しの画家だった頃のデッサンを見ると、彼の観察眼やデッサン力などの基本的な力を伸ばすための努力が見られます。
よく知られている絵からは想像ができないほど写実的で、繊細で緻密なデッサンが何千枚もあります。
特に目を引くのは人体の一部を細やかに観察し描き上げたデッサンですが、彼が天才と言われる所以を感じることができます。
超大作ゲルニカなど、様々な名作を世に生み出した天才ピカソは、同時に、努力する天才でもあったのです。
「瑠璃の光も磨きから」【るりのひかりもみがきがら】
「美しい光を放つ瑠璃も、きちんと手入れをして磨き上げなければその美しさを拝むことはできない。」という例えを説明しています。
つまり、「どれだけ才能があっても、努力してそれを磨かなければ美しい光を放つことはない」ということです。
生まれ持った才能の上にあぐらをかいて怠けていては、せっかくの才能も無駄になってしまうという教えです。
「能ある鷹は爪を隠す」【のうあるたかはつめをかくす】
このことわざの場合は、「天性の」才能であるかどうかは問われていませんが、努力して得た才や天賦の才の両方を能としてさしています。
意味は言わずもがなでしょうが、「実力が本当にあるものは、それをむやみに人にひけらかすようなことはせず、慎まやかである」という意味です。
「天性の才能」の使い方
「天性の才能」という言葉は、2つの言葉が組み合わさっているため使い方が幅広くあります。
品詞的には名刺ですので、目的語になったり主語になったりすることが多いです。
使われる場面としては、類い稀な才能を持つスポーツ選手や芸術家を形容するときに使われたり、天才的な能力を持つ子供や若者を指すときにも使われます。
基本的には「常人では考えられないほどの優秀な能力を持つ人」を説明したり、紹介するときに使われることが多いです。
では、実際にはどのような文脈の中で使われているのでしょうか。
「天性の才能」を使った例文
実際に例文を使って、「天性の才能」という言葉がどのように使われているのかを見てみましょう。
例文を5つご紹介します。
- 「天性の才能」の例文1
- 「天性の才能」の例文2
- 「天性の才能」の例文3
- 「天性の才能」の例文4
- 「天性の才能」の例文5
「天性の才能」の例文1
「羽生結弦の輝かしい成績は、天性の才能に加えて、血の滲むような練習と毎日のたゆまぬ努力をもってして達成されている。」
「天性の才能」の例文2
「彼の文筆は、まさに天性の才能の賜物だ。」
「天性の才能」の例文3
「モーツァルトは生まれて間もない頃から、その音楽に対する天性の才能を発揮したことで有名だ。」
「天性の才能」の例文4
「天性の才能をもってしても、努力することに長けた人には勝つことができなかった。」
「天性の才能」の例文5
「努力をし続けることができることも、天性の才能なのだろうか。」
このように様々な場面で使うことができます。
どれも類い稀な才能を指し、常人とは比べ物にならない能力に対する驚きさえも含意している場面も見られます。
天才ではなく努力に関することわざ
ここまでは天性の才能や生まれ持った素質に関することわざを紹介してまいりましたが、「努力」に関してのことわざはどのようなものがあるのでしょうか。
- 「七転び八起き」【ななころびやおき】
- 「蛍雪の功」【けいせつのこう】
- 「勤勉は成功の母」【きんべんはせいこうのはは】
「七転び八起き」【ななころびやおき】
7回転んでも8回起き上がるという意味のこのことわざは、「何回失敗してもあきらめずに何度も挑戦をしていれば、いつかは努力は実る」という意味のことわざです。
3回転んだらもう諦めてしまいそうですが、このことわざでは諦めずに努力することの大切さを説いています。
「蛍雪の功」【けいせつのこう】
これは中国のことわざですが、晋の国ではある人物が貧しいために明かりを灯すことができない中、夜には蛍の光を明かりにして勉強し、大成したことを指しています。
このようなたゆまぬ努力のおかげで出世した人々から学んで、「どんな状況下にあっても、努力は積み重ねることができる」ということを教えています。
「勤勉は成功の母」【きんべんはせいこうのはは】
似たような響きのことわざで、「失敗は成功の母」というものがありますが、ニュアンスは似ています。
「勤勉は成功の母」とは、「人生で成功したくば、勤勉でありなさい」というメッセージを含んだことわざです。
努力に関することわざは、才能に関することわざよりもなんだかグッとくるものが多いですね。
「天性の才能」英語ではなんという?
これまで日本語で「天性の才能」の使い方や意味についてご説明してまいりましたが、英語ではどのように表現されるのでしょうか。
例文を使いながら検証していきましょう。
- 「天性の才能」の英文例
「天性の才能」の英文例
【例文1】“He has an exceptional ability on the field of Robot development.” (彼はロボット開発分野において、天性の才能を持っている)
【例文2】“Her natural ability is to make people happier especially when they are in a difficult situation.”(彼女の生まれ持っての才能は、人々が難しい局面にいるときにこそ元気付けられることだ。)
【例文3】“It is their talent of birth, that they can handle with any kinds of technical problems of air planes.”(飛行機に発生する技術的トラブルをなんでも解決してしまうのは、彼らの生来の才能であると言えるだろう。)
【例文1】では、“Exceptional ability”、【例文2】では“natural ability”、そして【例文3】では“talent of birth” という単語が「天性の才能」という意味を補っています。
【例文1】の表現では、“exceptional”というのは、「規格外の」や「例外的な」という意味を持ち、“ability”は能力をいう意味です。
つまり、「規格外の能力」や「例外的な能力」というニュアンスで、「天性の才能」の意味を表しているということです。
一番わかりやすいのは【例文2】で使われている“nature ability” です。
言わずもがな、“nature”とは「自然」という意味ですね。
ところが、この場合の“nature”は「自然」と訳すよりも、「自然に与えられた」と解釈することが適当でしょう。
自然に与えられた、ということは「天性に授かった」という意味とほぼ同義ですので問題ありません。
そして、3つ目の表現ですが、最も英語的な表現であると言えるでしょう。
生まれ持ったという意味を持つのが“of birth”です。
“birth”は「産」という意味を持っており、ニュアンスとしては、「生まれたときから」というのが適当でしょう。
他にも“from the birth” という表現もありますが、少し長くなる上スタイリッシュな文体にはならないので “of birth” が一般的によく使われます。
そして、“talent”という単語ですが、これは直訳するとずばり「才能」です。
日本語では、「タレント」と聞くとテレビに出ている芸能人を思い浮かべますが、テレビに出る人でない人関係なく、優れた能力を指して「才能・タレント」といいます。
タレントという単語そのものにも、すでに「生まれ持った」や「天性の」という意味は含まれていますが、“of birth”をつけることによって「天賦の」という意味を強調することができるのです。
「天性の才能」という言葉の意味や使い方、英語での表現の方法についてご説明してまいりました。
様々な用途のあるこの言葉ですが、使いこなすためには文学的に優れた天性の才能は必要ないでしょう。
しかし、使いこなそうと努力をすることが必要ですが。