「手筈」とは?意味や使い方!例文や解釈
日常会話で「手筈」という言葉を聞いたことがあるという人も多いでしょう。
意味や語源などについて紹介しますので参考にして下さい。
目次
- 「手筈」とは?
- 「手筈」の表現の使い方
- 「手筈」の類語や類似表現や似た言葉
- 「手筈」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「手筈」の反対語
- 「手筈」の英語と解釈
「手筈」とは?
「手筈」の概要について紹介します。
- 「手筈」の読み方
- 「前もって手順を決める」の意味
- 「前もって準備をする」の意味
- 「手筈」の語源や由来
「手筈」の読み方
「手筈」は「てはず」と読みます。
「筈」が読みにくいので「手はず」と平仮名表記にすることもあります。
「前もって手順を決める」の意味
ものごとを始める前に、やるべきことの段取りを決めておくことを言います。
具体的には何時に何をするというスケジュール管理をする時に使われます。
旅行に出かける際に、何時の飛行機に乗る、何時にホテルにチェックインする、何時に食事をするという段取りを決めておき、それを関係する人に知らしめる時の言葉です。
「前もって準備をする」の意味
ものごとを始める前に、下準備をしておくことを言います。
上記の例で言えば、旅行に出かける際に、荷物を取りまとめたり、銀行からお金をおろして来たり、休暇を取っている間の仕事を誰かに引き継いでおくなどのことです。
予定している行動をする為に前段階としてするべきことを表しています。
「手筈」の語源や由来
「手筈」の語源は、漢字の意味からきています。
「手筈」の「手」は「人の手」の他に、「手を使ってする行為のこと」という意味があります。
「筈」は「当然そうなるべき」「そうなる予定」という意味があります。
この「筈」には更に語源があり、「矢筈(やはず)」という言葉で「矢じりでない方の端で、弦にひっかける切り込みのある部分」という意味があります。
矢筈がなければ矢を弓につがえられず、当然矢を射っても当たらないということになります。
この様な意味のある言葉により「手をかけてそうなるべきことをする」という意味として使われる様になりました。
「手筈」の表現の使い方
「手筈」の使い方のポイントを紹介します。
- 「手筈を整える」【てはずをととのえる】
- 計画性のあるものに使われる
- ビジネスでの「手筈」
「手筈を整える」【てはずをととのえる】
「手筈」で最も使われる表現が「手筈を整える」です。
意味は「ものごとを始める為の準備をしっかりとすること」です。
「手筈」にも「前もって準備をする」という意味がありますが、「整える」という言葉は「本来あるべききちんとした状態にすること」という意味がある為に、「準備をしっかりとする」という意味が強調されます。
旅行に行く時の例で言えば、手順を決めて更に準備もしっかりと行い、後は流れに乗って出かけるだけの状態を表すのです。
計画性のあるものに使われる
「手筈」は、計画性のあるものごとに対して使われます。
単にこれから買い物に行く為に出かける準備をするだけでは「手筈」とは言えません。
以前から決まっていて、その日の為に計画を進めている時に使われる言葉です。
ビジネスでの「手筈」
「手筈」は「手をかけてするもの」と紹介しましたが、ビジネスでは「手筈」は更に広い意味になります。
「接待の手筈を整えた」と使う場合、スケジュール管理やお店、配車などの準備だけではなく、相手への連絡や相手の趣味や好みのリサーチまで入ります。
そのものごとを行うに当たっての全ての行動パターンについて計算し尽くしていることを言います。
「手筈」の類語や類似表現や似た言葉
「手筈」の類語を紹介します。
- 「お膳立て」【おぜんだて】
- 「支度」【したく】
- 「手配」【てはい】
「お膳立て」【おぜんだて】
「おぜんだて」と読みます。
「すぐとりかかれる様に準備すること」という意味で、江戸時代から使われています。
語源は、会合がある時にお膳に料理を載せたりお箸を並べておき、時間になったらすぐに人前に出せる様にしておくことに由来しています。
「支度」【したく】
「したく」と読みます。
「決まっていることに対して行動を起こす為に、必要なものを揃えること」という意味です。
主に持ち物を揃えることを表し、当事者で完結する動作が多くなります。
「手配」【てはい】
「てはい」と読みます。
「ものごとを始める時に、必要なものを準備したり、役割分担や段取りを決めること」という意味です。
こちらは当事者だけではなく外部の人と連絡を取り合って進めていくというニュアンスが強くなります。
「手筈」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「手筈」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「手筈」を使った例文1
- 「手筈」を使った例文2
「手筈」を使った例文1
「同窓会の手筈は整ったので後は当日を待つばかりだ」
この人は同窓会の幹事と思われます。
最近ではネットで同窓会を呼びかけたり、お店の予約もネットでできる時代になりましたが、それでも幹事は大変です。
日程や場所決めから始まり皆への出欠確認を取り、当日の進行まで全て準備が整い、後は当日を待つばかりという状態です。
「手筈」を使った例文2
「プレゼンの手筈は整ったが肝心の自分が緊張してしまっている」
ビジネスにプレゼンテーションは非常に重要なスキルです。
資料集めから始めて、見易いスライド作りと簡潔なスピーチを作成して、リハーサルまできちんと終えました。
準備は万端のはずなのに、当日が近づくにつれて自分が緊張してしまっていることに気付きました。
緊張しては折角完璧に準備をしても思わぬミスをする可能性があるので、どうにかしたいと思う気持ちが表れています。
「手筈」の反対語
「手筈」には特に反対語はありませんが、似た様な意味の言葉を紹介します。
- 「無計画」【むけいかく】
- 「適当」【てきとう】
「無計画」【むけいかく】
「前もって予定を立てずにその場の雰囲気や気分で行動すること」です。
準備をしないという点で「手筈」の反対の意味と言えます。
「適当」【てきとう】
「適当」には「ある条件にあてはまること」と「いい加減なこと」という2の意味があります。
「手筈」と反対の意味に近いのは「いい加減なこと」の方です。
「手筈」の英語と解釈
“She arranged for the trip to USA.”
「彼女はアメリカ旅行の手筈を整えた」になります。
“arrange”は日本語でも「アレンジ」として使われていて「準備・手筈」という意味があります。
「手筈」は「前もって手順を決める」「前もって準備をする」の2つの意味があります。
計画性を持ってものごとを進めていく時に使ってみましょう。