「アンチテーゼ」とは?意味や類語!表現の使い方
たまに聞く言葉ながら、今ひとつ意味が分からないという人も多いと思われる「アンチテーゼ」について、詳しく解説していきます。
目次
- 「アンチテーゼ」とは?
- 「アンチテーゼ」の語源
- 「アンチテーゼ」を分解して解釈
- 「アンチテーゼ」を使った例文と意味を解釈
- 「アンチテーゼ」の類語や言い換え
「アンチテーゼ」とは?
「アンチテーゼ」とは、反対の意味を込めた主張という解釈で使われる言葉です。
この言葉をよく聞く形として、「〜に対するアンチテーゼとして」のような使い方が多く見られます。
かの高級スポーツカーのランボルギーニは、創設当初はトラクター専門の車メーカーでした。
それが、同社の創設者であるフェルッチオ・ランボルギーニ氏が、所有していたフェラーリの車を分解してみたところ、同社のトラクターと同じ部品が使われていることに気付き、それでいて高額で販売していることに対するアンチテーゼとして、同様のスポーツカー事業にも乗り出したというのは有名な話です。
その当初はフェラーリの性能以上の車を次々と低価格で販売していましたが、現在ではランボルギーニもすっかりフェラーリ同様の高級スポーツカーメーカーとなってしまっているのはまた別の話です。
「アンチテーゼ」の語源
「アンチテーゼ」は、英語で“antithesis”と表記します。
元はドイツ語の“antithese”(発音は同じ)で、“these”は「主張」という哲学用語で、それに「反対する」という意味の“anti”が付いて、この言葉となっています。
日本語で「嫌っている」という意味でよく「アンチ」と使われるのは、実はこの「アンチテーゼ」を略したものです。
「アンチテーゼ」を分解して解釈
「アンチテーゼ」を2つに分解して、それぞれ詳しく解釈していきます。
日本語としては、上のように「アンチ」だけで「アンチテーゼ」の意味をカバーしていると考えていいでしょう。
- 「アンチ」
- 「テーゼ」
「アンチ」
英語(ドイツ語)で“anti”と言葉の前に付けると、それに「反対する」、「対抗する」という意味になります。
有名な使い方が“antivirus”(アンチウイルス)で、コンピューターのウイルス対策ソフトの商品名にもなっているので、聞いたことがある人も多いでしょう。
スポーツにおける禁止薬物の使用をチェックする機関は、“Anti-doping Agency"と呼ばれており、こちらも"doping”(ドーピング、禁止薬物の使用)に反対する機関という意味になります。
「テーゼ」
“these”(ドイツ語)は、先の説明のように、「主張」という意味です。
英語では“thesis”という綴りになり、同じく「主張」や「命題」、時には「論文」としても使われる言葉です。
「アンチ」を付けないこの「テーゼ」とは、カタカナ語ではあまり使いませんが、アニメで有名な「残酷な天使のテーゼ」というタイトルの楽曲があります。
歌のタイトルなので、そこまで深い意味が込められているのか分かりませんが、天使(神)が与えた残酷(過酷)な命題(こなさなければいけない運命)とでもすると、アニメの内容とよく連動した解釈になります。
「アンチテーゼ」を使った例文と意味を解釈
「アンチテーゼ」を使った例文と、その意味の解釈です。
意味が分かってしまうと、それほど難しくもない言葉です。
- 「アンチテーゼ」を使った例文
「アンチテーゼ」を使った例文
「あの人の服装は、このパーティの主催者へのアンチテーゼだろう」
その主催者が好まないような服装で参加することで、嫌々来ていると主張しているようなシチュエーションを想像してください。
このような無言のアンチテーゼと表現できる行動は、色々な事柄に対して行われています。
「アンチテーゼ」の類語や言い換え
「アンチテーゼ」と似た意味のある言葉です。
アンチテーゼと使うより、直接的な表現になります。
- 「嫌味」【いやみ】
- 「揶揄」【やゆ】
「嫌味」【いやみ】
あからさまな嫌味になる言動は、アンチテーゼからきているものと解釈できます。
アンチテーゼと呼べる言動には、少なからず対象へのこれが含まれていることがほとんどです。
「揶揄」【やゆ】
この「揶揄」は、馬鹿にしたりからかうことで、その対象に反対する意味から行った場合には、アンチテーゼの1つだと捉えていいでしょう。
「アンチテーゼ」は、意味が分かると、意外と使える場面が多い言葉です。
「あの商品の名前は○○へのアンチテーゼとして付けたようだ」といった具合に、うまく意味に当てはめて使うことができます。