「袋の鼠」の意味・類語【使い方や例文】
「袋の鼠」というとギャングや泥棒が逃げている様子をイメージします。
一体どの様な状態なのか、何故「鼠」なのか、疑問を持つ人もいるでしょう。
「袋の鼠」の意味や使い方について紹介しますので参考にして下さい。
目次
- 「袋の鼠」の意味とは?
- 「袋の鼠」の語源や由来
- 「袋の鼠」の言葉の使い方
- 「袋の鼠」を使った例文・短文(解釈)
- 「袋の鼠」の英語と解釈
- 「袋の鼠」の類語
「袋の鼠」の意味とは?
まずは「袋の鼠」の読み方と意味について紹介します。
- 「袋の鼠」の読み方
- 「袋の鼠」の意味
「袋の鼠」の読み方
「ふくろのねずみ」と読みます。
「鼠」は非常に難しい漢字ですので多くの場合「袋の鼠(ねずみ)」とかなが付いています。
分り易い様に「袋のねずみ」「袋のネズミ」と表記することもあります。
「袋の鼠」の意味
袋の中に入れられたネズミは、もう逃れることはできません。
このことから絶体絶命の状態にいることの例えに使われます。
ただ自然に行動していてピンチの状態になるのではなく、自分から危険なことや悪いことを犯した末にこの様な状態になることが多くなります。
リスクが大きいことは分っていて、それでも敢えてチャレンジするのが前提です。
自分ではうまくいく、逃げられると思っていたのに追いつめられてしまい、万策尽きた時の表現です。
「袋の鼠」の語源や由来
「袋の鼠」の由来は、正に言葉通りに「袋に鼠が入っていること」から来ています。
但し袋と言ってもただの買い物袋や、罠のことではありません。
昔の人にとって食料は大変貴重で、米袋や麻の袋などに入れて蔵に大切に保管していました。
しかしネズミはいつの間にかその蔵に侵入して食料を食い散らしてしまうのです。
ネズミも食べ物に困って必死になっていると見えて、袋の中でごそごそと食料を漁っている時にそっと人が近づいても気づかないことがあります。
そこで瞬間的に袋の口をサッと閉じてしまい、ネズミが出られない状態にして捕まえるのです。
この状態が「袋の鼠」でもはや逃げ様はありません。
このことから転じて、人が絶体絶命のピンチに陥り逃れられない状態を意味する様になったのです。
「袋の鼠」の言葉の使い方
「袋の鼠」はユーモアのある表現ですので、日常生活で上手に使うと効果的です。
- ドラマや映画を観てる時に
- 道に迷った時に
- 身近な犯罪現場で
ドラマや映画を観てる時に
最もスタンダードな使い方です。
ドラマや映画で犯人が警察に追われているシーンで使います。
ドラマや映画の場合、有り得ない設定に脚色されているもので、ハラハラドキドキしながらも犯人が確実に追い込まれていきます。
どうにも逃げられない場所に追い込まれてしまい、しかも周囲を警察で取り囲まれているシーンで犯人に向かって「袋の鼠だ」と言うでしょう。
面白いのは海外の作品でもちゃんと「袋の鼠」と翻訳していることです。
英語訳については後で紹介します。
道に迷った時に
車で知らない場所に来ると、一方通行や右左折禁止などの表示があり、自分の意思と反してドンドン変な方向に行ってしまうことがあります。
気がつけば前に進めない状態になってしまい、自分がどこにいるのかも分らない状態です。
この様な時に同乗者がいる場合場を和ませる為に「袋の鼠だな」と使えます。
実際にはバックをして車を元の場所まで戻すので、運転技術がしっかりしていれば絶体絶命とまではいきません。
身近な犯罪現場で
最近では日常生活で犯罪に巻き込まれる可能性も高くなっています。
ひったくりや無差別の傷害事件などが起きる様になりました。
身近なところで犯罪が起きてまだ犯人が逃走中のこともあります。
犯人が逃げ込んだ先が地下通路だったり雑居ビルの中だと、警察が人海戦術で追い詰めれば程なくして捕まるでしょう。
その状況をネットニュースなどでし知った時に「犯人は袋の鼠だね」と使うこともあります。
「袋の鼠」を使った例文・短文(解釈)
「袋の鼠」を使った例文とそのシチュエーション別の解釈を紹介します。
- 「袋の鼠」の例文1
- 「袋の鼠」の例文2
- 「袋の鼠」の例文3
「袋の鼠」の例文1
「あの創りだと犯人は袋の鼠だな」
犯人が建物に逃げ込んで警察が追っている場合、その建物の構造を良く知っている人から見れば逃げ道がないことが分かってしまいます。
最初のうちはあちこちの部屋やスペースに隠れたりするのですが、警察が追い詰めればいつか見つかるでしょう。
うまく隠れられても何日もそこには居られないので、遅かれ早かれ捕まる運命にあることが分かっている状態です。
「袋の鼠」の例文2
「この袋の鼠状態から脱出するには新しいアイテムが必要だ」
ゲームに夢中になっている時に、自分のキャラが迷宮に迷い込んだりして絶体絶命のピンチに陥ってしまうことがあります。
もうすぐクリアできそうなところでリセットしてやり直すのは悔しいと思い、レベルの高い人からヒントを貰ったのでしょう。
何とかして脱出する為にあらゆる場所を探してアイテムをゲットしようとしています。
「袋の鼠」の例文3
「畑を荒らすイノシシは袋の鼠状態で次々と捕獲された」
最近では山に住むイノシシがエサ不足により街に現れては畑を荒らしたり人を襲ったりする事件が相次いで起こっています。
イノシシは非常に足が速く集団で行動するので、捕獲するには狭い場所に追い込むのが一番です。
綿密に打ち合わせをして地元の消防団や警察が協力しながらイノシシを追い込み、捕獲していくニュースを見ることがあります。
ここではイノシシであっても「ネズミ」と言い表しているところが非常にユニークです。
「袋の鼠」の英語と解釈
「袋の鼠」は英語で直訳すると“be trapped like a rat”(ネズミの様に罠にかかる)といいます。
“He was trapped like a rat. ”(彼は袋の鼠だった)となり、日本人でも分り易いでしょう。
「袋の鼠」の類語
「袋の鼠」の類語には以下の言葉があります。
- 「万事休す」【ばんじきゅうす】
- 「八方塞がり」【はっぽうふさがり】
- 「手も足も出ない」【てもあしもでない】
「万事休す」【ばんじきゅうす】
もはやなすすべがなく、何をしてもダメでおしまいという状態のことです。
「万事」は「全ての手段」、「休す」は「終わる」という意味です。
「八方塞がり」【はっぽうふさがり】
どの方角にも障害があって何もできない状態や、取るべき手段がなく途方にくれる状態を意味します。
「手も足も出ない」【てもあしもでない】
自分の力ではどうしようもないことや、なすすべが全くないことを意味します。
「袋の鼠」は意味が限られているので、一度覚えてしまえば使い易い言葉です。
仕事上ではあまり使う機会はありませんが、映画やゲームで盛り上がっている時にさりげなく使えれば、普段のコミュニケーションが取り易くなるでしょう。