「どつぼ」の意味・英語・対義語【使い方や例文】
どつぼは、日常生活中に結構聞く言葉です。
しかし、それとなく意味が分かっていても、詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか。
目次
- 「どつぼ」の意味とは?
- 「どつぼ」の語源や由来
- 「どつぼ」の言葉の使い方
- 「どつぼ」を使った例文と解釈
- 「どつぼ」を英語にすると?
- 「どつぼ」を使った言葉と意味を解釈
- 「どつぼ」の類義語
「どつぼ」の意味とは?
どつぼとは、「非常にまずい状況」を指す言葉です。
そのような状況に陥ってしまった時、且つ、原因が主に自分にある時に使います。
要は、自分がよかれと思って行った言動により、そういうことになった場合を指します。
他人や自然現象など、自分以外に原因があった場合にはまず使いません。
「どつぼ」の語源や由来
どつぼという言葉の由来は、その昔に関西地方で肥溜めのことを「野つぼ」(のつぼ)と呼んでいたことです。
それがなまって「どつぼ」となり、意味として、「肥溜めに落ちてしまうほどのことをやってしまった」と使われるようになったのが語源です。
その為、最初は関西地方のみで使われていた言葉ですが、序々に全国に広まり、現在では日本のどこでも(よほど独特の方言が発達している地域でない限り)通じる言葉です。
「どつぼ」の言葉の使い方
どつぼは、自らによって非常にまずい状況を作り出してしまった時にこそ使います。
しかも、何かを行えば行うほど悪い状況になっていき、辿り着いた先の最悪の状態のことこそ、このどつぼと表現します。
よって、何かを失敗した所為で悪い状況になってしまったとしても、それが一度だけの失敗の結果であれば、どつぼとは呼びません。
「どつぼ」を使った例文と解釈
どつぼとまで表現するには、何度かよかれと思って行った言動を失敗しているということです。
つまり、それに至るまでの(失敗の)プロセスをそれなりに重ねていないと、どつぼという言葉を使うにはまだ早い、もしくはこの言葉は合っていません。
- 「やればやるほど、どつぼに向かっているようだ」
- 「あれ以上、どつぼと表現できる状況もないだろう」
- 「あれだけどつぼの状態から這い上がったのはすごいと思った」
「やればやるほど、どつぼに向かっているようだ」
失敗を積み重ねてしまい、最終的に辿り着くのがどつぼという状態なので、この例では、まだそこまでには至っていないということでしょう。
何をしているのか分かりませんが、どつぼに向かっていると分かっているのなら、もうそこら辺でやめておいた方がいいとも考えられます。
「あれ以上、どつぼと表現できる状況もないだろう」
何度かの失敗によって、どつぼと言える状況に陥ってしまった人を見て、それをこの言葉を使って表している例です。
一番悪くなった状態こそがどつぼなので、それに至ってしまっていると見えた場合には、それ相応のことが何度もあったのでしょう。
「あれだけどつぼの状態から這い上がったのはすごいと思った」
どつぼにまで堕ちてしまうと、あとは這い上がるだけだとも言うことができます。
それがとても大変なのは分かりますが、決して諦めてはいけません。
「どつぼ」を英語にすると?
どつぼは英語では、“in deep trouble”が一番合っている表現です。
「こじれた問題」、「とても困っている問題」という意味になり、「どつぼ」という日本語そのものの意味になります。
「どつぼ」を使った言葉と意味を解釈
どつぼという言葉は、それと合わせた表現と共に使うと、より意味が強くなります。
ここでは、そのような例をいくつか紹介します。
- 「どつぼにハマる」【どつぼにはまる】
- 「どつぼ過ぎる」【どつぼすぎる】
「どつぼにハマる」【どつぼにはまる】
どつぼは、語源が肥溜めという点から、それに「ハマる」という表現がとても合います。
この「どつぼにハマる」という使い方は、一番使われる場面が多いと考えていいでしょう。
「どつぼ過ぎる」【どつぼすぎる】
どつぼという言葉の時点で、既に最悪の状態になっている訳ですが、それを更に強く言いたい時に使う表現です。
この応用例として、「超どつぼ」という言い方もあります。
こちらは若者が好んで使って言るようです。
共に大袈裟になり過ぎてしまう表現で、あまり推奨されませんが、どうしても使うなら、そこまで状況が悪いことを大々的に言いたい時だけにしておきましょう。
「どつぼ」の類義語
どつぼの対義語には、以下があります。
どちらも、これ以上状況が悪くならないほど最悪の状態になっていることを表します。
- 「万策尽きる」【ばんさくつきる】
- 「打つ手がない」【うつてがない】
- 「八方塞がり」【はっぽうふさがり】
「万策尽きる」【ばんさくつきる】
考えうる全ての策を講じて、もうそれ以上やることがない(どうやっても今の状況から抜け出せない)という状態になった時に使います。
つまりは、どつぼと全く一緒の状態です。
「打つ手がない」【うつてがない】
上と一緒で、これ以上講じるべき策とが無くなった時に使います。
「これ以上〜」、「もう〜」と合わせて使うことが多く、何か画期的な案でも浮かばない限り、その状態から脱出は難しいかも知れません。
「八方塞がり」【はっぽうふさがり】
この表現もまた、どつぼと同じ意味で使うことができます。
どの方向へも進むことができなくなってしまったことが語源で、失敗の連続によって、そのような状況にまで陥ってしまったと解釈します。
どつぼに陥ってしまうまでには、そこまでに色々な原因があったに違いありません。
その状態からの回復は困難かも知れませんが、次の機会の為に、それに至ってしまった理由をきちんと理解しておくことが大切です。