「淡い期待」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
人は何事にも色々なことを行う時にある種の期待を込めて行動するものです。
その中には、実現不可能としか思えないような厳しい現実でも、夢を持って挑戦する気概のある人々もいます。
そのような人達の飽くなきチャレンジ精神は、実に素晴らしいものを感じさせてくれますし、感動も与えてくれます。
それだけハードルが高ければ高い程、その壁を乗り越えた時は感動さえします。
しかし、挑戦する山があまりにも大きく高くそびえている時は、現実的に厳しいと思わざるを得ない時もありますが、それでも人は「淡い期待」を持っていることが少なくありません。
目次
- 「淡い期待」の意味とは?
- 「淡い期待」の類語や言い換え・似た言葉
- 「淡い期待」の言葉の使い方
- 「淡い期待」を使った例文
- 「淡い期待」の英語
- 「淡い期待」の対義語
- 「淡い」を使った言葉と意味を解釈
「淡い期待」の意味とは?
誰が見ても実現できなさそうな難しい難題に取り組んでいる人達も心の奥底では分かっているのです。
到底、届かぬ願いであることを。
しかし、「淡い期待」を持っていることも事実なのですが、この「淡い期待」とは、「期待の度合いが比較的に低いさま」あるいは「僅かに期待していた様子」などを指している表現です。
別の言い方をすると、「ほのかな期待」という言い方に置き換えることもできる表現で、「淡い」という言葉自体が、「非常に光や形がぼんやりしている」意味合いがあり、「味や色や香りなども薄い」という感じがします。
- 「淡い期待」の読み方
「淡い期待」の読み方
「淡い期待」の読み方は、「あわいきたい」となります。
「淡い期待」の類語や言い換え・似た言葉
では、「期待の度合いが比較的に低いさまでほのかな期待」という意味がある「淡い期待」の他に、似ている言葉や表現としては、どのような言葉が類語としてあるでしょうか?
- 「幻想を抱く」
- 「甘い期待」
「幻想を抱く」
「幻想を抱く」という言葉が「淡い期待」に近い意味を持つ言葉になるかもしれません。
「幻想」という言葉自体に、「非現実的で空想的な世界観」的なニュアンスがあり、そのような環境や状況において使われることが多い言葉です。
言い換えると「現実にはない出来事をあたかもあるかのように、思い描くこと」や「その想念」という意味になり、「幻想を抱く」とは、そのような「想念を持つこと」と例えることができます。
「君をいつまでも、幻想を抱くことがやめなさい」
長い間、実現できないような願いを持ち続けていることに対して、いさめるような意味で、このような発言をすることがあるかもしれませんね。
まさに、「自分の中だけで思い描く世界のこと」とも言えるのではないでしょうか?
また、「想像」、「妄想」というような言葉でも通用するでしょう。
「甘い期待」
「甘い期待」という表現も「淡い期待」に近い言葉だと思います。
「今回の結果で、自分の願いが甘い期待だったことを痛感した」
といった感じで使われることになりますが、人はどうしても物事に対する期待感から、自分の考えを甘くさせてしまう弱さがあるのです。
「淡い期待」の言葉の使い方
「淡い期待」を使う場面としては、自分の目の前に立ちはだかった困難な出来事に対して、
「まあ、何とか乗り越えることができるんじゃないかな」
と真剣に悩むのではなく、軽い気持ちで期待するような時に使えることになると思います。
ある意味、楽観的な見方として解釈することもできるでしょうし、その課題や問題に対して深く考えていない節も感じ取れます。
「淡い期待」を使った例文
では、「淡い期待」という表現が、どのような場面で使えるのか、例文を見ていくことにしてみたいと思います。
- 「淡い期待」の例文1
- 「淡い期待」の例文2
- 「淡い期待」の例文3
「淡い期待」の例文1
「私の淡い期待を浩二君に確認するよりも早く、田中さんは落胆の表情を見せていたのです」
「私」も期待はとても軽い(淡い)ものだったのですが、そのことを「浩二君」に聞いてみるより、現実をよく理解していた「田中さん」の方が、いち早く、「私」の期待が実現できないことを悟った結果、落胆の表情が顔に出ていたのです。
厳しい現実世界を理解している人(田中さん)だからこそ、客観的に判断できるのかもしれません。
「淡い期待」の例文2
「いつ突然、現れるかもしれない父との対面に、淡い期待を抱いている私です」
数年前から行方が分からなくなった父親が、もしかすると、ふと現れるような気がして、「淡い期待」を持っていた「私」がいるのでした。
「淡い期待」の例文3
「もうしかすると、ここに何か新しい発見を見出すことができるかも知れないという淡い期待が私にあったのです」
何か、「お宝探し」でもやっている「私」なのでしょうか?
見つかるはずもない新発見を期待している人なのかもしれませんが、世界を驚かすような新発見を実現するには、それ相応の努力と時間が必要と思います。
「淡い期待」の英語
「淡い期待」を英語で表現すると、“a vague expectation”となります。
「淡い期待」の対義語
「淡い期待」の反対の意味を持つ対義語としては、次のような言葉になるでしょうか。
- 「失望」
- 「厳しい現実」
「失望」
「淡い期待」には、「僅かな望み」、「ほのかな願い」と決して強くない思いでの願いが込められている感じがしますが、反対の意味を持つ言葉の1つとして、「失望」があります。
意味は、「望ましい事態の実現、好機の到来を心から待つことの期待が裏切られて希望を失うこと」ということになります。
「期待」にも軽い気持ちの「淡い」という弱いレベルから、「切望」と強いレベルの「期待」がありますが、「失望」した後は、「高い・低い」、「強い・弱い」というような程度の差はありません。
「失望」はそのままの「失望」そのものなのです。
「厳しい現実」
「淡い期待」の反対の意味の言葉を挙げるなら、「厳しい現実」も挙げることができないでしょうか?
「淡い」=「甘い」という解釈をするなら、その反対の意味を持つ「厳しい」という言葉が出てくることでしょう。
そして、「期待」とは裏腹に「現実」という結果が付いてくることから、「厳しい現実」と挙げてみました。
どのようなことでも、結果は「厳しい現実」が待ち構えているといっても過言えはありませんし、私達はその現実に向かっていく必要があると思うのです。
「淡い」を使った言葉と意味を解釈
「淡い」を使った言葉も見てみましょう。
- 「淡い悲しみ」
- 「淡い秋」
- 「淡い闇」
「淡い悲しみ」
「私は、淡い悲しみを心の上に浮かべたのです」
ここで言う「淡い悲しみ」とは、深い悲しみではなく、比較的に「浅い悲しみ」ということになるでしょう。
しかし、程度が軽いとは言いつつも、やはり悲しい出来事には変わりはありません。
「淡い秋」
「肩に淡い秋の日光を感じて、爽快な気持ちになる」
「淡い秋」とは、暑い夏が終わって、次第に涼しい空気が漂い始めてきた「秋の入り口」を指しているのでしょうか。
飽き深まる11月頃とは異なり、まだ暑さの余韻を残しつつ、優しいまでの涼しさで心地よい日の光が、肩を照らすことが、とてもいいのかもしれないと思います。
「淡い闇」
「淡い闇が風に吹かれるて、大都会の上をさまよい流れていたのです」
この時の「淡い闇」とは、明るい昼間から漆黒の闇となる夜とのはざまにある闇とでも言っているのでしょう。
人には、心の中に光を闇の2つのものが存在していますが、「淡い闇」が都会の上(自分の頭の上)をさまよっていることは、もしかすると、心の動揺を指しているような感じもします。
「淡い期待」とは、「僅かな期待」という意味であることが分かりました。
誰でも、自分の願いを成就したいと思っていると同時に無理なことから顔をそむけることもしていまいます。
それは、己の心の弱さでもあるのですが、どうしても「期待」の気持ちを捨て去り、冷静に物事を直視することを避けようとしてしまうのです。