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「阿る」の意味・読み方・類語【使い方や例文】

「阿る」とは、「相手に気に入られようとすること」「人に好かれるため(嫌われないため)にへつらうこと」を示す言葉です。

「阿る」「意味・類語・言い換え・使い方・例文・英語・語源・阿ると諂うの違い・阿るを使った言葉」などについて、詳しく説明していきます。

阿る

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「阿る」の意味・読み方・類語【使い方や例文】>


目次

  • 「阿る」の意味とは?
  • 「阿る」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「阿る」の言葉の使い方
  • 「阿る」を使った例文
  • 「阿る」の英語
  • 「阿る」の語源や由来
  • 「阿る」と「諂う」の違い
  • 「阿る」を使った言葉と意味を解釈


「阿る」の意味とは?

「阿る」の意味とは?

「阿る」の意味は、「相手に気に入られようとして機嫌を取ること・おべっかを使うこと」「人に好かれるため(嫌われないため)にへつらうこと」になります。

「阿る」という言葉は、自分の本心・本音を隠して相手から何らかの利益・便宜を得るために、他人のご機嫌を取って媚びることやへつらうことを意味しています。

「阿る」「阿」を使った似た意味の言葉・四字熟語として、「曲学阿世(きょくがくあせい)」「阿諛追従(あゆついしょう)」があります。

「曲学阿世」とは、「学問の真実・道理を曲げて、世の中に合わせておもねること、媚びること」を意味しています。

「阿る」という言葉も「世の中におもねる曲学阿世」と同様に、「誰かに気に入られるために媚びたりへつらったりすること」「相手からの好意・恩恵を受けるためにご機嫌取りをすること」を意味しているのです。

  • 「阿る」の読み方

「阿る」の読み方

「阿る」の読み方は、「おもねる」になります。



「阿る」の類語や言い換え・似た言葉

「阿る」の類語や言い換え・似た言葉

「阿る」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「阿る」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。

  • 「媚びる」【こびる】
  • 「煽てる」【おだてる】
  • 「胡麻する」【ごまする】
  • 「迎合」【げいごう】

「媚びる」【こびる】

「阿る」の類語・言い換えとして、「媚びる・媚び諂う(こびへつらう)」があります。

「媚びる」というのは「相手に気に入られるためにご機嫌を取ること」であり、「媚び諂う」とは「相手に好かれるためにおべっかを使ったり本心を曲げてでも賛同・迎合すること」です。

「阿る」という言葉には「相手に気に入られるための言動を取る」という意味があるので、「阿る」の類語として「媚びる・媚び諂う」を上げることができます。

「煽てる」【おだてる】

「阿る」の類語・似た言葉として、「煽てる(おだてる)・煽て上げる」があります。

「煽てる・煽て上げる」という言葉の意味は、「相手を気分良くするために褒める」「心にもない褒め言葉を言って相手を持ち上げる」ということです。

「阿る」には「相手に気に入られるためにおだてる」という意味もあるので、「阿る」に似た言葉として「煽てる・煽て上げる」を指摘することができます。

「胡麻する」【ごまする】

「阿る」の類語・言い換えとして、「胡麻する(ごまする)」があります。

「胡麻する」というのは、「相手にお世辞を言って気に入られようとすること」「相手を持ち上げて自分への対応を良くしようとすること」を意味しています。

「阿る」には「相手から好かれるためにおべっかを言う・相手に気に入られるために持ち上げる」という意味があるので、「阿る」という言葉は「胡麻する」という言葉に言い換えることができるのです。

「迎合」【げいごう】

「阿る」の類語・似た言葉として、「迎合する(げいごうする)」があります。

「迎合する」というのは、「自分の本心(本音)を脇に置いて、相手の意見や考えに賛成して合わせること」「相手に嫌われないために相手の主張に合わせること」です。

「阿る」にも「相手に嫌われないためにへつらう・合わせる」という意味があるので、「阿る」の類語として「迎合する」を上げることができます。

「阿る」の言葉の使い方

「阿る」の言葉の使い方

「阿る」の言葉の使い方は、「自分の本心を曲げてでも、相手に気に入られるような言動をしている人・状況」に対して使うということになります。

逆らったり反対したりしたら、不利益を被るリスクが高い「権力者・上位者(上司)」に対してご機嫌取りをしているような時に、「阿る」という言葉を使うことができます。

あるいは、自分が好かれたいと思っている相手・異性におべっかを使ったり媚びた言動をしたりしている時にも、「阿る」という言葉を使用することができるでしょう。

「相手との上下関係・利害関係・リスク」などを考えて、相手に気に入られるための媚びた言動(ご機嫌取り)をしている人・状況に対して、「阿る」という言葉を使うのです。



「阿る」を使った例文

「阿る」を使った例文

「阿る」を使った例文には、どのようなものがあるのでしょうか?「阿る」を使った例文について紹介していきます。

  • 「阿る」の例文1
  • 「阿る」の例文2
  • 「阿る」の例文3

「阿る」の例文1

「嫌いな上司に阿ってまで、今の職場で出世したいとは考えていない」

「阿る」の例文2

「自分の表現欲求を偽って世の中に阿るような作風で売れても、僕はアーティストとして本当の喜びや価値を実感することができないだろう」

「阿る」の例文3

「ファシズムのナチスドイツに恐怖政府で統治された国家・地域では、ナチスの軍人に阿らなければ庶民は生きていくことができなかった」

「阿る」の英語

「阿る」の英語

「阿る」の英語は、“flatter,fawn on〜,curry favor with〜,butter up〜,pander to〜”などになります。

“The politicians curry favor with the public.” (政治家は大衆迎合をする。)

“People fawn upon the hierarch. ”(大衆は権力者におもねる。)

“He flattered his boss. ”(彼はボスにおもねっている。)

「阿る」の語源や由来

「阿る」の語源や由来

「阿る」の語源・由来は、「阿」という漢字の原義にあると推測されています。

「阿」「こざとへん(丘を表す阜の意味)+可」からできた形成文字で、「阜」「大きな丘」を意味し、「可」「鉤型(かぎがた)に曲がっている状態」を意味しています。

「阿」という漢字には「丘の曲がった部分」という意味がありますが、その後に「四阿(あずまや)」という言葉があるように、「屋根のある建造物」「建物の軒(のき)・庇(ひさし)・棟(むね)」も意味するようになりました。

そこから転じて、「建物に拠る・建造物に寄りかかる」という「阿」の意味が生じ、「力ある者(好かれたい相手・利益を得られる相手)におもねる、媚び諂う」という「阿るの意味」が生まれたと考えられます。

「阿る」と「諂う」の違い

「阿る」と「諂う」の違い

「阿る(おもねる)」「諂う(へつらう)」には、大きな意味の違いはなく、どちらも「相手に気に入られるために媚びたり機嫌を取ったりすること」を意味しています。

強いていうなら、丘の曲がりくねった部分を漢字の原義とする「阿る」には、「自分の気持ち・考えを曲げて相手に媚びる」のニュアンスがあります。

それに対して「諂う」の方には、「自尊心(プライド)を捨てて自分を貶めて(おとしめて)でも、相手のご機嫌取りをする」というニュアンスがあります。

「阿る=自分を曲げて媚びる」「諂う=自分を低めて媚びる」の間には、若干の意味の違いはあります。

「阿る」を使った言葉と意味を解釈

「阿る」を使った言葉と意味を解釈

「阿る」を使った言葉とその意味を分かりやすく解釈していきます。

  • 「権力に阿る」
  • 「大衆に阿る」

「権力に阿る」

「権力に阿る」というのは、「他者に強制する権限を持つ権力に、自分の信念を曲げてでも従って合わせる」という意味になります。

特に、国民弾圧や人権抑圧を行うような独裁国家の政治権力に抵抗せずに迎合することに対して「権力に阿る」という表現を使うことがあります。

それまで一般庶民の立場に立っているように見せていた人が、急に保身・自己利益で権力に媚びるような言動をし始めた場合などにも、「権力に阿る」という言葉が使われます。

「大衆に阿る」

「大衆に阿る」というのは、「権力(有力者)に阿る」とは反対の相手である大衆(庶民)に合わせてご機嫌を取ることですが、「政治家のポピュリズム(大衆迎合主義)」「作家・芸術家の世俗主義的(エンタメ的)な作風」に対して使われることの多い言葉になっています。

自分本来の信念や価値観、方向性を曲げてでも、「大衆の人気(大衆の選挙の得票)+作品の売上」を得るために「大衆に合わせて媚びている時」に、「大衆に阿る」という言葉が使われるのです。

icon まとめ

「阿る」という言葉について徹底的に解説しましたが、阿るには「相手に気に入られようとすること」「人に好かれるため(嫌われないため)にへつらうこと」などの意味があります。

阿るの類語・言い換え・似た言葉としては「媚びる・媚び諂う」「煽てる・煽て上げる」「胡麻する」などがあります。

「阿る」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。