「危なげない」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
例えばオリンピックや世界大会などを観ていて、選手の演技を不安に感じたり、ドキドキして観ていられないと思った事はないでしょうか。
また逆に安心して観ていられたり、堂々とした姿に感動すら覚え「さすがだ」と思う事もあると思います。
このような状況の時に、「危なげない」といったりしますが、この「危なげない」にはどのような意味があるのでしょうか。
目次
- 「危なげない」の意味とは?
- 「危なげない」の類語や言い換え
- 「危なげない」の使い方
- 「危なげない」を使った例文
- 「危なげない」を使った言葉
- 「危なげない」の対義語
「危なげない」の意味とは?
- 「危なげない」の読み方や意味
- 「危なげない」によくある間違い
「危なげない」の読み方や意味
「危なげない」は【あぶなげない】と読み、
- 危なっかしくないこと
- 安心や安定して、観たり聞いたりできること
- 危うさや不安定さがないこと
をいいます。
「危なげ」は「危なし」という形容詞であり、名詞形になるように体言化したものになります。
「危なげない」によくある間違い
「危なげない」という言葉をよく危なっかしくてソワソワしたり、不安定で安心できないという意味だと勘違いされている場合が多いようです。
おそらく「危なげ」の意味のイメージが強過ぎて、一緒になってしまっているのでしょう。
ですが「危なげ」と「危なげない」は正反対の意味になります。
そもそも「危なげ」に否定語である「ない」が付いたものが「危なげない」なので同じ意味になるはずがないのです。
ですがそこが日本語の難しいところで、「なし」とついても否定形になるものもあれば、ならないものもあるので、ややこしいですが意味と単語をワンセットととして覚えると良いでしょう。
「危なげない」の類語や言い換え
「危なげない」を違う言葉で表現した時に、どのようなものがあるのか幾つかあげてみたいと思います。
- 「確実」【かくじつ】
- 「安定した」【あんていした】
- 「無難」【ぶなん】
- 「安静」【あんせい】
「確実」【かくじつ】
確実とは、確かに事実であることをいいます。
間違いではなく正しく当たっていることをいいます。
「危なげない」とは危うさがなく安心できる状態なので、「危なくないことはわかっている」とも捉える事ができるので、ニュアンスとしては同じになるでしょう。
- 「あの政治家は次の選挙に当選することが確実だと言われている」
- 「おそらくこっちの道を行く方が確実だと思うが、リーダーは彼なので口出しはしない」
など。
「安定した」【あんていした】
安定とは、状態に波が出たり、ぶれたりなどの振り幅がなく常に同じ位置を保っている状態をいいます。
また多少の上下や高低はあっても、すぐに元の状態に戻れるほどの強さを持っている事や、その様子の事をいいます。
安定した状態とは、人間にとって大変心地よく穏やかになれる心境なので、ほとんどの人は刺激を求めても、普段は安定した状況求める傾向にあります。
つまり安定とは「危なげない」状況と同じだと言えるでしょう。
- 「年齢を重ねるにつれ、安定した生活や状態を保ちたいと思う事は不思議なことではありません」
- 「何が幸せかって、精神状態が安定していることだ」
など。
「無難」【ぶなん】
無難とは、可もなく不可もなくといった状態のことを表し、取り立て責めるところも褒めるところもないことをいいます。
派手でもなければ地味でもなく、目立つこともなければ影が薄いこともないと言ったように、物事に「難」が起こりにくい程度の範疇をいいます。
「難」が起こりにくいということは、危険にさらされる可能性が低いと言うことを表すので、「危なげない」と近い意味になるでしょう。
- 「彼のファッションはいつも無難で、遊び心や外したところがなく似たような格好している」
- 「発言にユーモアがなく、毎回ブランなことばかり言うので興味がないのかと思われている」
など。
「安静」【あんせい】
病気や怪我をした時などに「安静にする」とはよく言いますが、安静とは安心して静かに過ごせたり、安定した精神状態で落ち着いた状況を保てることをいいます。
もし危なっかしいことや不安なこと、精神的に気持ちが掻き乱れるようなことがあれば、安静して過ごすことができませんので、「危なげない」は安静と似た意味を持つと言えるでしょう。
- 「こんな時ぐらい安静にして自分のことを労った方がいいと思う」
- 「安静に過ごせる生活が羨ましく、見習いたいと思う」
など。
「危なげない」の使い方
「危なげない」とは何度も述べますが、ヒヤッとしたりドキッとするような危なっかしく不安定な状況になるようなことを指す言葉ではありません。
落ち着いて穏やかな感情を保てることをいいます。
ですから感情に波風が立たず、通常の精神状態で見たり聞いたりできるときに表現する言葉として使うと良いでしょう。
「危なげない」を使った例文
- 「危なげない」の例文1
- 「危なげない」の例文2
- 「危なげない」の例文3
- 「危なげない」の例文4
- 「危なげない」の例文5
「危なげない」の例文1
「彼女は毎回危なげない歌を披露してくれるので心が癒される」
「危なげない」の例文2
「周りが思っている以上に彼は実力を持っているので、危なげなく乗り越えていくだろう」
「危なげない」の例文3
「あの計画は危なげないと思っていたけれど、蓋を開けてみると問題点がいくつか見つかった」
「危なげない」の例文4
「危なげないと早い段階から高を括らない方が良いのではないでしょうか」
「危なげない」の例文5
「彼のスピーチは危なげなく、本当に安心して聞いていられる」
「危なげない」を使った言葉
「危なげない」を使った言葉は沢山ありますが身近で聞き慣れたものを挙げてみたいと思います。
- 危なげない演技
- 危なげなく
危なげない演技
「危なげない演技」とは、観ていて安定感がありハラハラドキドキしない演技のことをいいます。
この「演技」の部分を違う言葉に変えてみることで、例えば「危なげない料理をする」、「危なげない勝負をする」などのようにその人の生活に合った安心し、安定できる物事の状況を表現することができます。
危なげなく
「危なげなく」のその後には、「やり遂げた」や「観ていられる」などの動詞が続き、その状況を安心して受け入れられていることを表現する時に使われます。
「危なげなく」という言葉を使うには、実際にそれを行っている人物が余裕持っていたり自信を持っていることが観ている側に伝わっているからこそ使える表現でもあるので、非常にポジティブな言葉だと言えるでしょう。
「危なげない」の対義語
- 「危なっかしい」【あぶなっかしい】
- 「不安になる」【ふあんになる】
「危なっかしい」【あぶなっかしい】
見ていてハラハラしたり、支えたり協力がないと、きちんと物事を行えないのではないのではないかと思わせるような状況や様子のことを「危なっかしい」といいます。
場合によっては助けてあげたい、守ってあげたいという気持ちにさせるので、全てがマイナスの要素だけではありませんが、やはり基本的には人を不安にさせますし、信用できないと思われてしまうので、できれば遭遇したくない状況だと言えるでしょう。
- 「彼女はいつも危なっかしい発言をするので気が気でない」
- 「子供達に包丁持たせ一緒に料理をしているが、危なっかしくてドキドキする」
など。
「不安になる」【ふあんになる】
不安になるとはご存知の通り、気持ちが安定せず、心配事や悩みが心を占領し、曇らせることをいいます。
「危なげない」は安心をすることなので、不安は対義語となりニュアンスとしても合っていると言えるでしょう。
ただ危なげないは《行動》に対して使う言葉なので、《感情》に対してとなると意味が変わってきます。
- 「あの人の行動はいつも先が不安になるようなことばかりだ」
- 「どれだけ用意周到に準備をしても、不安になるしもしもの時を考えるものだ」
など。
「危なげない」と言う言葉は誤解されやすいですが、もし使われる状況があるとすれば、非常に穏やかで安定した空間にいると言うことになります。
できれば「危なげない」環境に身をおきたいものですし、勘違いせずに言葉を使って周囲に発言が「危なげない」と思ってもらいたいものです。