「刹那」の意味とは?類語、反対語や使い方、例文を紹介!
「刹那」の意味や類語を紹介します。
さらに「刹那」を使った例文や「刹那」に関する言葉を紹介します。
目次
- 「刹那」の意味とは?
- 「刹那」の類語や言い換え
- 「刹那」を使った例文
- 「刹那」を使った言葉を解釈
「刹那」の意味とは?
「刹那」という言葉を目にした事があるでしょうか。
どことなくスタイリッシュで現代風な雰囲気が漂う「刹那」は、バンド音楽やゲームなど、様々なカルチャーに登場しています。
そこで「刹那」の読み方や意味を知っていきましょう。
- 「刹那」の読み方
- 「刹那」の意味とは
- 「今に生きる」の賛否
「刹那」の読み方
「刹那」は「せつな」と読みます。
どことなく、現代風な「キラキラネーム」のような印象を与える漢字の並びかもしれません。
実は「刹那」は仏教用語で、そのため比較的難しい漢字が配置されています。
「せつな」と読み間違えないように覚えておきましょう。
「刹那」の意味とは
「刹那」はもともと仏教用語です。
仏教用語としては「時間の最も短い単位のこと」で、これ以上刻めないくらい短い時間の事を意味します。
そこから解釈が広がって、「刹那」は「とても短い時間」を表現する言葉になっています。
「想像しうる限り、もっとも短い時間」という意味で使われる事もあります。
また「刹那」には、「瞬間」や「一瞬」など、とても短い時間を表すと同時に、「現在」「今」という意味も含んでいます。
例えば「刹那に生きる」という言葉には、「現在に集中しながら生きる」という意味があります。
「今に生きる」の賛否
「刹那に生きる」「刹那主義」のように、「現在に集中して生きる」事に対して、以前は否定的な意見が多数派でした。
老後まで考えて、そこから逆算して就職先を選び、貯蓄をして保険商品を購入して…という生き方が推奨されていたからです。
一方で、先を考えすぎる生き方が、現在をないがしろにしているという意見も増えています。
様々な精神疾患は、将来の事を考えすぎて不安になる事から起こっていると考えられ始めているからです。
「刹那」という言葉が、肯定的に使われるか、否定的に使われるかは、時代によって違います。
ただ最近の傾向では、「刹那」を大切にして生きる事が推奨され始め、「刹那」のイメージも良くなっていると考えられます。
「刹那」の類語や言い換え
次に「刹那」の類語や言い換えられる言葉について見て行きましょう。
「短い時間」に関連する言葉がいくつも登場します。
- 「一瞬」【いっしゅん】
- 「一寸」【いっすん】
- 「瞬く間」【またたくま】
- 「束の間」【つかのま】
- 「咄嗟」【とっさ】
「一瞬」【いっしゅん】
「一瞬」は、「一度の瞬き」と書きます。
「瞬き」は「まばたき」と読み、目をつむる事を指します。
「一度の瞬き」をスピードに変換すると、ものすごい速さになりますし、掛かる時間はとても短いと推測できます。
「一瞬」はそれくらい短い時間です。
「刹那」が意味するとても短い時間と、匹敵するような短い時間を表現している言葉です。
「一寸」【いっすん】
「一寸」は「ちょっと」と読みます。
「ちょっと、そこのコンビニに行ってくる」の「一寸」です。
誰もが使っている言葉ですが、漢字にすると意外に難しいのが「一寸」かもしれません。
「一寸」もとても短い時間を表現する言葉のひとつです。
ちなみに昔話に登場する「一寸法師」も「一寸」という言葉を使っています。
とても短くて小さい、そんな意味を持つ言葉です。
「瞬く間」【またたくま】
「一瞬」と同じ意味を持つ言葉が「瞬く間」です。
まばたきをするくらい、短い時間の事を意味する言葉です。
例えばスポーツ中継で、「瞬く間」という言葉は良く使われます。
オリンピックの陸上100m走などは、短い時間で決着がつくので「瞬く間に勝負がつく」と表現されます。
またボクシングのハードパンチャー同士の試合は、いつKOパンチが炸裂するか予想できず、実際に「瞬く間」に決着がつくケースがあります。
「瞬きをする間に勝負がつく」ため、「瞬き厳禁」などのうたい文句で試合を宣伝する事もあります。
「束の間」【つかのま】
「束の間」という言葉も、短い時間を表現する言葉です。
そして「束の間」とは、日本刀の「束」からきている言葉です。
刀を持つ時の様子を見て見ると、「束の間」は指4本を並べた距離でしかありません。
その様子から、「束の間」は短い距離を表現する時に使われます。
「咄嗟」【とっさ】
「咄嗟」も、「刹那」のように短い時間を表現する言葉です。
「咄嗟」は「とっさ」と読みます。
「咄嗟」はごくわずかな時間を意味する言葉で、「咄嗟に避けた」など、日常的に使用するメジャーな言葉です。
ただし漢字にすると難しいので、読み方が分からない人も出てくるかもしれません。
「咄嗟に反応して、落下物から身を避けた」などのように、「反射的に」という意味も含まれています。
考えていたら間に合わないような短い時間なので、反射的に動くしかないからです。
「刹那」を使った例文
「刹那」を使った例文を見て、「刹那」を文章に組み入れる方法を知りましょう。
「刹那」は見た目が難しそうなので、使い方が難しく感じますが、「咄嗟」などの「短い時間」を意味する言葉と、同様の使い方をすると間違いありません。
例えば剣道の試合の様子を「刹那」を使った例文にしましょう。
「○○選手が面を狙った一撃を振った『刹那』、○○選手は身をかわし、逆に面を決めた」という感じです。
「彼女が別れのセリフを口に出した『刹那』、彼氏の顔色が変わった」、「それは『刹那』の出来事だった」、「二人の達人がすれ違った『刹那』、勝負は決まった」など、様々な文章を作る事ができます。
「刹那」を使った言葉を解釈
最後に「刹那」を使った言葉を解釈していきましょう。
「刹那」を使った言葉は、否定的なものが多かったのですが、最近は「刹那」を使った言葉に対する評価が変わっていますので注意が必要です。
- 「刹那に生きる」【せつなにいきる】
- 「刹那主義」【せつなしゅぎ】
「刹那に生きる」【せつなにいきる】
「刹那に生きる」という言葉で、自分の生き方を表現する人がいるかもしれません。
「刹那」はとても短い瞬間なので、「今」を生きるという意味になります。
過去や未来を考えずに、「この一瞬」にすべてをかけて生きるという意味になります。
悪い意味で言えば、リスクを考えずに享楽的に生きる人の生き方になります。
後先を考えずに、リスクを取った生き方をするために、「刹那に生きる」という言葉は、危険なスポーツなどに挑戦する人にも使われます。
例えばスカイダイビングをする人は、まさにその瞬間にすべてを掛けているため、「刹那に生きる」という言葉がぴったり来ます。
またF1選手のような音速に生きる勝負師の世界も、0.1秒の遅れが事故につながるため「刹那に生きる」という言葉にピッタリでしょう。
「刹那主義」【せつなしゅぎ】
「刹那主義」という言葉があります。
「刹那に生きる」という意味に近いのですが、やや否定的なイメージで使われる言葉です。
「刹那主義」という場合、「今さえよければいい」と考えて生きている人に使用されます。
例えば「アリとキリギリス」という童話がありますが、冬に備えて準備をせずに、夏を思い切謳歌したキリギリスは「刹那主義」の代表例といえるでしょう。
ただし、先述した通り、現在は「刹那主義」に対する解釈が少し変化しています。
先の事を考えすぎて現在の楽しさを放棄し、満足感を後回しにするような生き方が、本当に正しいのかどうか疑問視されているからです。
「今、この瞬間」を楽しむ「刹那主義」の方が、素晴らしい人生を送れる可能性もあるのです。
「刹那」という言葉は、もともとも仏教用語で「時間の最小単位」の事でした。
そこから広がって、「とても短い時間」という意味の言葉になっています。
短い時間を表現した言葉は、とても豊富ですので、「刹那」とその仲間にあたる言葉も一緒に覚えておくといいでしょう。