「咄嗟」とは?意味と使い方!例文と語源や類語
人はほんの僅かな時間の流れの中で、思考を働かせるより先に本能的に行動することがあります。
そんな時に出てくる言葉が「咄嗟」という表現かもしれません。
普段何気なく使っている言葉の1つかもしれませんが、今回はこの言葉について説明していくことにします。
目次
- 「咄嗟」の意味とは?
- 「咄嗟」の読み方
- 「咄嗟」の語源
- 「咄嗟」を使った言葉と意味を解釈
- 「咄嗟」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「咄嗟」の類語や言い換え
- 「咄嗟」の英語や例文(解釈)など
「咄嗟」の意味とは?
「咄嗟」とは、「ごく短い時間」、「瞬間的な僅かな時間」という意味があり、「極めて短い時間」のことで、「あっという間」や「一瞬」というニュアンスで使われています。
「短い時間」ということでも、単なる時間の流れを指しているだけでなく、とても切迫した環境の中で、ほんの一瞬的な時の経過を示しています。
「咄嗟」の読み方
「咄嗟」は「とっさ」という読み方をしますが、会話の中でもよく使われる言葉です。
しかし、実際に文字にすると、意外と難しい漢字が使われていますので、読み方で悩む人も少なくないかもしれません。
ここで正確な読み方、書き方を覚えておくといいでしょう。
「咄嗟」の語源
「咄嗟」の語源を調べてみると、意外に面白い点は、「咄」、「嗟」の2つとも「驚くように思わず声を出すこと」という意味があるのです。
また、「咄」は「舌打ちをしながら叱る」、そして「嗟」は「ため息」を意味しています。
このようなことから、「咄嗟」は考えて行動を起こす時に使われる言葉ではなく、突発的な出来事や相手への無意識的なリアクションとして、「思わずため息を出てしまった」といったような捉え方ができるかもしれません。
そのような解釈から、「咄嗟」は「ごく僅かな短い時間」という意味に転じきたと考えられます。
「咄嗟」を使った言葉と意味を解釈
では、ここで「咄嗟」を含んだ言葉を解釈していくことにしましょう。
- 「咄嗟の行動」
- 「咄嗟に出る」
「咄嗟の行動」
「咄嗟の行動」とは、「ほんの一瞬の間に取られた行動」というように理解することができます。
この時の行動は周りの人が見ても、何が起こったのか理解することができないくらいの素早さがあるはずです。
もしかすると、「咄嗟の行動」をした本人さえ、条件反射的に身体が反応して動いた可能性もあります。
「咄嗟の行動」には、本能的に反応してうごく場合と反復練習に基づき動くパターンがあるでしょうが、何れにしても、考える前に身体が動いてしまうというのことになると思います。
「咄嗟に出る」
「咄嗟に出る」も「咄嗟の行動」と同じで、「僅かな時間の中で言葉が出たり、手が出る」ようなことを意味しています。
「生意気な娘の反抗の言葉に、咄嗟に手が先に出てしまった」というような使い方があります。
「咄嗟」を使った例文や短文など(意味を解釈)
では、「咄嗟」の理解を深めるために、活用例を見て、どのようなケースに当てはまるかを考察してみましょう。
- 「咄嗟」を使った例文1
- 「咄嗟」を使った例文2
「咄嗟」を使った例文1
「突然、車が歩道に取り上げてきたのですが、咄嗟に身をかわすことができたです」
下手をすると、大きな人命事故につながる可能性があったところを、僅かな時間の中で反応して車を避けることができたのです。
まさに「危機一髪」といったところですが、このようなことを体験した人もいるのではないかと思います。
ちょっとした行動で命を落とすことがなかったのですから、奇跡としか言いようがありません。
「咄嗟」を使った例文2
「犯行現場を見て、彼は咄嗟にヤツが犯人だと悟ったのです」
推理小説で出てきそうな一節ですが、身近な場面でも、このような考えが瞬時に頭の中に浮かんで来ることがないでしょうか?
これも経験から来る「咄嗟」の判断になっていくのでしょうが、長年の経験に基づき思い浮かんで来ることができるのです。
「咄嗟」の類語や言い換え
「僅かな時間」という意味がある「咄嗟」は他にどのような言葉で言い換えることができるでしょうか?
「咄嗟」の類義語をいくつか挙げてみることにします。
- 「瞬時」
- 「刹那」
「瞬時」
「瞬時」とは、「あっという間」や「人の感覚では付いていけないくらいの時間の経過」という意味で理解することができるでしょう。
「反射的に」というようなニュアンスを持っており、目にも止まらないくらいの出来事でも勝手に身体が反応してしまうようなケースで使われることもあります。
人は反射的に反応することができる場合がありますが、このようなアクションに移ることができるためには、日頃から何度も反復的な訓練をすることが必要なのです。
「刹那」
「刹那」という言葉も「咄嗟」の類義語として扱うことができるでしょう。
この言葉は「極めて短い時間」という意味になるのですが、元々はサンスクリット語が由来とされており、仏教の言葉の1つで、時間の最小単位を表しています。
よく会話の中では、「刹那的」という形で表現にされることがあるのですが、この場合には、「限られた時間の中で」という解釈から転じて、「後先のことを全く考えずに、今この瞬間だけを充実した時にしようと生きようとすること」という意味になってきます。
但し、「刹那的」には、何か行き当たりばったりの感じがあり、投げやり的な雰囲気もあります。
「咄嗟」の英語や例文(解釈)など
「咄嗟」を英語で訳すなら、“quick”や“prompt”で表現にすることができます。
パソコンに詳しい人であれば、ピンと来るかもしれませんが、“prompt”はカタカナ語で「コマンドプロンプト」という言葉で、使われています。
これはパソコンの通信や中身を調べる時に便利な画面ですが、「プロンプト」には「手っ取り早い」という意味があるので、「楽にパソコンの設定内容を把握できる」という意味合いがあるのでしょう。
また、「咄嗟」は、“at once”、“instantly”などの言葉で表現することもできるので、英訳でも、様々なバリエーションで解釈はできる言葉だと思います。
「咄嗟の判断」という表現をビジネスの中で、聞くことが時折あります。
仕事をしていると、普段は計画性通りに物事を進めていくことが普通なのですが、時には想定外のトラブルや問題にぶつかってしまうこともあります。
このような時は、できるだけ早く問題を解決して悪影響を最小限に留める必要があります。
その時に「咄嗟の判断」が求められていますが、そのような時に最も相応しい言葉が「咄嗟」だと思います。