「たかをくくる」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
何気なく「たかをくくる」という言葉を使っていませんか?「たかをくくる」の意味についてご紹介します。
目次
- 「たかをくくる」の意味とは?
- 「たかをくくる」の類語は何だろう?言い換えてみると...
- 「たかをくくる」はどのようなシチュエーションで使うの?
- 「たかをくくる」を使った例文
- 「たかをくくる」のを分解して深読みしてみよう
- 「たかをくくる」の対義語
「たかをくくる」の意味とは?
「たかをくくる」を調べると、
- その程度事だろうと安易に予測する。
- 大したことはないであろうと軽く見くびる。
と二つの意味を持っています。
深く考えもせずに行動したり、はじめから相手を見くびってかかっていては、後から大変な目にあうことがありますよね。
このようなことを「たかをくくる」といいます。
- 「たかをくくる」の漢字
「たかをくくる」の漢字
「たかをくくる」を漢字で書くと、「高を括る」。
鳥の「鷹(たか)」をくくりつけるという意味ではないのでご注意くださいね。
「たかをくくる」の類語は何だろう?言い換えてみると...
「物事に対して注意や認識に欠けている」「相手を自分よりも程度の低いものとして見ること」という「たかをくくる」とよく似た意味を持つ言葉を集めてみました。
- 「見くびる」【みくびる】
- 「侮る」【あなどる】
- 「軽視する」【けいしする】
- 「呑気に考える」【のんきにかんがえる】
「見くびる」【みくびる】
「見くびる」とは、軽く見る、侮る、実力などを過小評価する、などの意味です。
漢字で書くと「見縊る」。
「縊る」は「くびる」の他にも「くくる」読み、その意味は、首を絞めるということ。
「見くびらないでください」などと、日常でも使う表現には、ちょっと殺伐とした意味を含んでいるのですね。
「侮る」【あなどる】
「侮辱する(ぶじょくする)」の「侮(ぶ)」を訓読みした「侮る」は、相手を見下げて軽んずる、軽蔑するという意味です。
「軽視する」【けいしする】
軽く(かるく)視る(みる)で「軽視(けいし)」。
重要ではないと考えて軽んずることをいいます。
相手を大したことは無いのだ、と馬鹿にしていることですね。
「呑気に考える」【のんきにかんがえる】
「呑気(のんき)とは、のんびりしている、物事にとんちゃくしない様子や心配事や苦労がないことをいった言葉」です。
「まだ試験まで一ヶ月あると『呑気に考えて』いたら、あっという間に当日になった」などのように使います。
「呑気に考えて」部分を「たかをくくって」に入れ替えても意味はほとんど同じになります。
「たかをくくる」はどのようなシチュエーションで使うの?
- 悪い結果で使う「たかをくくる」
- 良い結果で使う「たかをくくる」
悪い結果で使う「たかをくくる」
「たかをくくっていたら、××だった。(悪い結果)」
このように、自分の都合のよいように簡単に考えていたら、思うような結果にならなかった場合に使用する場合は、「いたら」とは、「至る(いたる)」のことですよね。
つまり、「軽視していた結果」が悪いことだったとなりますね。
良い結果で使う「たかをくくる」
「たかをくくっていたけれども、○○だった。(良い結果)」
「たかをくくる」は、悪い結果が起きた場合だけに使う表現ではなく、思いのほかに良い結果がもたらされた場合にも使えますよ。
その場合は、「けれども」に注目してください。
「けれども」とは、先に言ったことやそれから予想されることとは、反対のことを言う場合に使用する接続語です。
「しょせん安物とたかをくくっていたけれども、なかなか悪くない」このように、侮っていたけれども、思いのほか良い結果だった場合にも「たかをくくる」は使えますよ。
「たかをくくる」を使った例文
では、悪い結果をもたらす「たかをくくる」と良い結果をもたらす「たかをくくる」の例文を見てみましょう。
- 「この間の格闘ゲーム大会で、対戦相手が小学生だと『たかをくくって』いたら、あっという間にKOされたよ」
- 「この問題は簡単そうだと『たかをくくって』いたら、思いのほか難しくて時間がかかってしまった」
- 「山の中にぽつんとあるレストランだからと『たかをくくって』いたけれども、なかなか本格的なフランス料理でとても美味しかった」
「たかをくくる」のを分解して深読みしてみよう
「認識に欠けている」「相手を自分よりも程度の低いものとして見る」という意味を持つ「たかをくくる」を「高を」と「括る」に分解して深読みしてみれば、どのような新しい発見があるでしょうか。
- 「高を」を深読みしよう
- 「高(たか)」を使った表現を探してみよう
- 「括る(くくる)」を深読みをしよう
- 「括る(くくる)を使った表現を探してみよう
「高を」を深読みしよう
ここでいう「高(たか)」とは、「生産高」「残高」など、物の数量や金額を見積もった時の合計額のことや数量の程度のことをいいます。
また、限界、限度という意味もありますね。
「高(たか)」を使った表現を探してみよう
例「高(たか)が知れる」
「高が知れる」は、大したことはないと相手を見くびった表現です。
この「高(たか)」も、同じく、数量や合計額のことをいったものです。
その「高」が知れるということは、「程度がわかっている」「どのくらいなのか知れたもの」という意味になりますね。
例「高々(たかだか)」
「旗を高々と掲げる」というと、とても高い様子を表したものですが、ここでは、別の意味の「高々」について考えて見ましょう。
「高々10分おくれたくらいで、そんなに怒ることはないじゃないか」このように使用する場合の「高々」は、最高に見積もっても大したことではないことの意味で、言い換えれば「せいぜい」という意味ですね。
「括る(くくる)」を深読みをしよう
では、「括る」には、どのような意味があるのでしょうか。
「括る」とは、ひもや縄などをかけて、ばらばらの物を一つにまとめて縛るという意味です。
ザっとひとつにまとめることですね。
「高」とセットになると「括る」には、程度を予測する、物事を軽くみる、見くびるという意味になります。
「括る(くくる)を使った表現を探してみよう
例「腹を括る(はらをくくる)」
「腹を括る」とは、決心を固める、覚悟を決めるという意味です。
この語源には諸説あって、「戦場に向かう武士が、帯を締め直す=きゅっと締める)」ことからだとも「緩んだ着物の帯を締めなおす」ことからだとも言われています。
どっちにしろ身なりを整えて、びしっと気合を入れなおすイメージですね。
例「木で鼻を括る(きではなをくくる)」
「一体どうやったら木で鼻をくくれるの?」と一瞬とまどってしまいますよね。
この表現の意味は、きわめてそっけない態度、冷淡な態度をとることのたとえです。
本来は、「木で鼻をこくる(=こする)」といっていたそうですが、「こくる(こする)」を「括る(くくる)」と誤用していたのがいつの間にか一般化していったといわれています。
木で鼻をこすったら、紙のようにしなやかでないので顔に傷がついてしまいそうですよね。
要するに、愛想も何も無い態度であることですね。
「たかをくくる」の対義語
では、「認識に欠けている」「相手を自分よりも程度の低いものとして見る」の反対の意味を持つ言葉にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 「買い被る」【かいかぶる】
- 「過大視する」【かだいしする】
「買い被る」【かいかぶる】
能力を実際以上に高く評価するという意味の「買い被る」。
本来は「物を相場より高い値段で買って損をする」意味で、「買って(その結果、損害を)被(かぶ)る」というのがその語源です。
明治時代になって意味が変化して、現在の「買い被る」の意味になりました。
この「被る」は「被(こうむ)る」と同じで、損害などの悪いことを背負い込むという意味です。
「過大視する」【かだいしする】
読んで字のごとく、物事を実際以上に大きく見ることや必要以上に重大に考えることを「過大視する」といいます。
物事を軽んじてみる「たかをくくる」とは、反対の意味になりますね。
「たかをくくる」の意味や使い方について考えてみましたが、いかがだったでしょうか?物事をはじめるときには、「たかをくくらずに」慎重に自分のできることを精一杯やりたいものですね。