「浅い川も深く渡れ」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
「浅い川も深く渡れ」の意味と、類語を紹介します。
さらに「浅い川も深く渡れ」を使った例文や対義語についても紹介して行きます。
目次
- 「浅い川も深く渡れ」の意味とは?
- 「浅い川も深く渡れ」の類語や似たことわざ
- 「浅い川も深く渡れ」から学ぶ事
- 「浅い川も深く渡れ」を使った例文
- 「浅い川も深く渡れ」の反対語や対照語・対義語
「浅い川も深く渡れ」の意味とは?
「浅い川も深く渡れ」という言葉があります。
今まで聞いたことがない人もいるかもしれません。
この言葉は、「用心をしよう」という注意を促す言葉です。
何かをする時に気持ちが緩んでしまい失敗をしてしまう人や、軽い気持ちで何かを始めてトラブルに巻き込まれてしまうタイプの人は、この言葉をしっかりと覚えましょう。
「浅い川も深く渡れ」と聞くと、「浅い川なのに、どうやって深く渡ればいいの?」と思うかもしれません。
これは「浅い川でも、深い川だと思って渡れ」という意味で、気持ちの持ち方の問題です。
一見浅い川でも、深い川を渡る時のような心構えで渡ろう、すなわち「用心をして渡ろう」「きちんと心の準備をして渡ろう」という意味の言葉です。
- 「浅い川」は「些細な事」
「浅い川」は「些細な事」
「浅い川も深く渡れ」の読み方は「あさいかわもふかくわたれ」です。
「浅い川」は、世の中にある「些細な事」「かんたんに見える事」「造作なく見える事」などを指します。
例えば簡単な仕事を任された時、特に準備もせずに仕事を始めて、大切な事を見落としていた事に後で気付く事があるかもしれません。
また仕事自体は簡単に見えても、重要な仕事というものはあります。
例えばスーパーのレジ打ちの仕事は、仕事自体はそれほど難しくないかもしれませんが、スーパーのお金やお客さんのお金を預かるという意味では、重要な仕事になります。
ほとんどの人は、難しそうな仕事や、危険そうな課題を前にすると、緊張します。
そして臨戦態勢を整えて、下準備もきちんとした上で仕事に臨みます。
そのため意外と失敗をしなかったり、失敗をしても最低限のリスクに抑える事ができます。
しかし簡単な事をする時は、無防備でボーっとしながら始める事が多いので、手痛いミスをするケースが多いです。
大きなミスにつながる事は、実は些細な事をなめて行ったからかもしれません。
ぜひ「浅い川も深く渡れ」という言葉を大切にして、些細な事でも用心して行う習慣をつけましょう。
「浅い川も深く渡れ」の類語や似たことわざ
続いて「浅い川も深く渡れ」の類語や似たことわざをチェックして行きましょう。
「浅い川も深く渡れ」よりも、メジャーな言葉が登場しますので、「こういう意味の言葉か」という事が、より伝わりやすいと思います。
- 「石橋を叩いて渡る」【いしばしをたたいてわたる】
- 「念には念を入れよ」【ねんにはねんをいれよ】
- 「転ばぬ先の杖」【ころばぬさきのつえ】
「石橋を叩いて渡る」【いしばしをたたいてわたる】
「石橋を叩いて渡る」は、頑丈に見える石橋でも、棒や杖などで叩いて強度を確かめながら渡る人の様子を表現しています。
絶対に安心だと思えるような状況でも、用心をしようという意味の言葉です。
実際に石でできた橋を見ると、壊れるわけがないと思ってしまいますが、世の中では何が起こるか分からないため、用心に用心を重ねたとしても損はありません。
「浅い川も深く渡れ」では「浅い川」が「些細な事」でしたが、「石橋を叩いて渡る」では「石橋」は「絶対に安全に見える事」となります。
このふたつの言葉を採用すれば、「些細な事」でも「絶対に安全に見える事」でも用心は欠かせないという事になります。
そもそも明らかに危険な場所を渡る時は、誰でも用心をするはずです。
ボロボロの木の橋を渡る時は、誰でも転落を覚悟しながら、慎重な気持ちを持つ事ができます。
安全に見える「石橋」のような場所を渡る時こそ、用心が必要です。
「石橋を叩いて渡る」という言葉はその事を教えてくれます。
「念には念を入れよ」【ねんにはねんをいれよ】
「念には念を入れよ」という言葉は、注意に注意を重ねろという意味の言葉です。
例えば、旅行などで長く家を離れる時は、家の鍵をきちんとしめたか、火の始末や水道ガスをしめたかどうかを、何度も確認した方がいいでしょう。
危険な旅行先に着いたら、安全確認を何度でもした方がいいはずです。
またビジネスシーンでも「念には念を入れよ」は役に立ちます。
取引先などに提出する大切な書類は、一度内容をチェックするだけでなく、提出前に何度もチェックした方が間違いがなくて良いはずです。
「念には念を入れよ」と言う言葉は、基本的に注意をすべき状況で、さらに注意を重ねようという教えが含まれています。
「転ばぬ先の杖」【ころばぬさきのつえ】
「転ばぬ先の杖」という言葉は、「転んでから杖を用意しても後の祭り。
だからこそ、転ぶ前に杖を用意しよう」という意味の言葉です。
つまり何かを始める前には、必要な準備をしっかりとしようという事を教えてくれます。
高齢者が出かける時には杖や、薬、老眼鏡などが必要になるでしょう。
会社員が仕事に出かける時も、名刺やハンコ、身だしなみを整える道具などが必要になります。
何かを始める時、いつもしていることをする時でも、油断は禁物です。
ちょっとコンビニに出かける時でも、空の様子をチェックして傘を持ったり、多めにお金を持ったり、クレジットカードなどを持参すると、何があっても安心です。
「浅い川も深く渡れ」から学ぶ事
「浅い川も深く渡れ」という言葉から、日常的な心構えの大切さを学ぶ事ができます。
浅い川を渡るような、誰にでもできる事をする時、イージーな事を始める時こそ、注意が必要です。
人がケガをする時は、難しい挑戦をしている時ではなく、いつもの通勤経路を歩いている時や、のんびりと散歩をしているような時だったりします。
「これは簡単な仕事だな」とか「ここは簡単に通過できるな」と思った時こそ、「実は大きなリスクが潜んでいる」ものです。
「浅い川」を渡る時こそ「用心が必要」だと感じて欲しいと思います。
「浅い川も深く渡れ」を使った例文
それでは「浅い川も深く渡れ」を使った例文をチェックして行きましょう。
「浅い川も深く渡れ」という言葉は、自分にも他人にも注意を促す時に使う事ができる言葉です。
誰かが危うい行動をしそうな時、自分が何かを舐めている時に、「浅い川も深く渡れ」という言葉をかみしめてみましょう。
- 「浅い川も深く渡れ」を使った例文1
- 「浅い川も深く渡れ」を使った例文2
- 「浅い川を深く渡れ」を使った例文3
「浅い川も深く渡れ」を使った例文1
簡単に見えるけれど、実は大変な事があります。
例えば、富士登山は、イージーなイメージがあるかもしれません。
しかし、富士山の頂上まで登山をする事は、運動経験がない人にとってはかなり難しい事です。
普段何もしていない友達が、富士登山をする時、富士山を舐めて、たいした準備をしていないようでしたら、声をかけましょう。
「富士登山は簡単に見えるけど、実はかなり大変だよ。ほら、『浅い川も深く渡れ』というだろ?険しい山を登るような気持ちで、きちんと登山の装備を整えた方がベターだよ」という感じです。
「浅い川も深く渡れ」を使った例文2
特に警戒をしていない場所で、思わぬリスクを背負う事があります。
例えばバイト先を決める時がそうです。
有名な企業、名のある飲食店などでバイトを始める時は、「バイトだし、別に対してきつくないだろ」と思ってしまいます。
「バイトだし辛かったらやめよう」と軽く考えて始めてしまうかもしれません。
しかしブラックバイトに捕まってしまうと、仕事は厳しく、しかもそう簡単にやめる事もできず、苦労をする事になります。
そこで安易にバイト選びをしている人がいたら、「『浅い川も深く渡れ』というだろ。バイト選びを舐めちゃだめだよ。きちんとネットで情報を調べて、安心だと思えるバイト先を選ぼうよ」と、たしなめてあげましょう。
「浅い川を深く渡れ」を使った例文3
ビジネスシーンで大きなミスにつながるようなミスをする時は、決まって簡単な仕事をまかされた時です。
片手間でいいだろうとか、すぐに仕上がるから、ギリギリまで放置してもいいだろうと感じてしまうからです。
例えば、自分に誰にでもできそうな簡単に見える仕事が回ってきた時は、「浅い川も深く渡れ」という言葉を文章に組み入れて、自分に言い聞かせるようにしましょう。
「簡単に見える仕事ほど、ミスをしやすいものだ。『浅い川も深く渡れ』という言葉を思い出して、イージーに見える仕事も、重要な仕事のような気持ちで取り組もう」という感じです。
「浅い川も深く渡れ」の反対語や対照語・対義語
「浅い川も深く渡れ」という言葉には反対語や対義語がいくつかあります。
「浅い川も深く渡れ」とセットで覚えると、言葉に奥行きが出るのでおすすめです。
- 「当たって砕けろ」【あたってくだけろ】
- 「一か八か」【いちかばちか】
- 「危ない橋を渡る」【あぶないはしをわたる】
「当たって砕けろ」【あたってくだけろ】
「当たって砕けろ」は、「結果を考えずにとにかくチェレンジしてみよう」という意味の言葉です。
ある程度のリスクを負わなければ、成功は難しいという意味も含まれています。
「浅い川も深く渡れ」という言葉を知って、その精神を持った上での「当たって砕けろ」なら、覚悟をした上でリスクを背負ったチャレンジをする事ができます。
最低限の準備をする事もできるでしょう。
「一か八か」【いちかばちか】
「一か八か」は賭博の「丁か半か」からきているとされています。
特に根拠のない五分五分の確率に、すべてを掛けるような行為ですから、かなり勇気がいります。
本当に「ここぞ」という場面で、「一か八か」の勝負をかける事があるかもしれません。
勝ったら手持ちの資金が倍になりますが、負けたらすべてを失うような大勝負です。
「一か八か」という言葉は、気軽に使いがちですが、実は大変な大勝負に臨む前の言葉だと知っておきましょう。
「浅い川も深く渡れ」という言葉とは、真逆に位置するような言葉です。
「危ない橋を渡る」【あぶないはしをわたる】
「石橋を叩いて渡る」の反対の言葉になるのが「危ない橋を渡る」という言葉です。
「浅い川も深く渡れ」という言葉からも真逆に位置します。
今にも崩れそうな橋は、渡るのにリスクが伴います。
しかし渡れてしまえば、誰よりも先んじて違う場所に行く事ができるかもしれません。
もちろん、橋は崩れてしまうかもしれません。
リスクを負ってでも、勝負をかけるべきかどうか、慎重に判断をしてから、「危ない橋を渡る」決断をするようにしましょう。
通常時は「石橋を叩いて渡る」または「浅い川も深く渡れ」という言葉を大切にしましょう。
「浅い川も深く渡れ」という言葉から、簡単な事、容易に見える事ほどきちんと準備をして真剣に望む事の大切さが伝わります。
人生で成功を収めるためには、いつでもきちんとした心構えでスタートを切る事が大切なのかもしれません。