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「落ち度」の意味とは?類語や使い方、例文を紹介!

「落ち度」の表現する「過ち」とはどの程度?

「落ち度」という言葉は「過ち」などというネガティブな意味をもっています。

あまり良い意味を持たないこの言葉ですが、この「落ち度」とは一体、どの程度の過ちを指すのでしょうか。

詳しくみていきます。

落ち度

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「落ち度」の意味とは?類語や使い方、例文を紹介!>


目次

  • 「落ち度」の意味とは?
  • 「落ち度」の類語や言い換え
  • 「落ち度」の使い方
  • 「落ち度」の例文
  • 「落ち度」を使った言葉


「落ち度」の意味とは?

「落ち度」の意味とは?

「落ち度」は、「過失」「手落ち」「失敗」などを意味する言葉です。

そして、この「落ち度」という言葉は、「落ちる」「度」という言葉に分けられます。

一つずつ、言葉を詳しくみていきましょう。

「落ちる」という言葉は、一般的には「下の方へ動き移る」という意味で用いられています。

「木の実が落ちる」「コンタクトレンズが外れて、道路に落としてしまった」などと用いています。

ですが、他にも「落ちる」には意味があって、「その中に入れるはずのものが漏れる」「抜ける」「欠ける」という意味があります。

そしてこの「落ち度」の場合の「落ちる」は、こちらの意味となります。

「彼の名前がリストから抜け落ちている」などと使います。

次に「度」の言葉ですが、この言葉には「物事のほどあい」「程度」という意味があります。

さて、ここで疑問が生じます。

「落ち度」という言葉は、どの程度の失敗を指す言葉なのでしょうか。

「落ち度」で表される失敗は、「非難されるようなしくじり」のことをいいます。

周りから非難されるほどの失敗を指すので、ちょっとした程度の失敗では使いません。

相手に謝らなくてはいけないほどの大きな失敗を指す言葉です。

  • 「落ち度」の読み方

「落ち度」の読み方

「落ち度」の読み方は「おちど」となります。

「落ち度」「落ちる」「度」という言葉に分かれますが。

そして、「落ちる」はそのまま「おちる」という読み方になりますが、「度」「ど」だけでなく、「たび」という読み方もできる言葉です。

同じ「度」という漢字でも「ど」と読むのか、「たび」と読むのかで意味が異なります。

「ど」と読む場合は、「程度」「ほどあい」という意味を持ちます。

「たび」と読む場合は、「数量や程度などの回数を表す単位」を意味する言葉となります。

同じ漢字を使う言葉ですが、意味としてはここまで意味に違いが生じます。

さて、このことを踏まえて考えると、「落ち度」の場合は「ど」を読むので、「程度」「ほどあい」を表現している「度」だということが理解できます。

「落ち度」=「抜けている程度」「欠けている程度」を表す言葉となっています。



「落ち度」の類語や言い換え

「落ち度」の類語や言い換え

「落ち度」の類語や言い換えについてみていきましょう。

  • 「手抜かりがある」【てぬかりがある】
  • 「ドジを踏む」【どじをふむ】
  • 「手違い」【てちがい】

「手抜かりがある」【てぬかりがある】

「落ち度」の類語として、「手抜かりがある」が挙げられます。

「手抜かりがある」には、「漏れがある」「欠けているところがある」「完璧ではない」「不完全」といった、物事に足りない部分がある様子を表す意味があります。

表現方法は違えども、「落ち度」と全く同じ意味をもっていることが分かります。

また、使い方も同じです。

例文としては、 「プロの泥棒は、手抜かりがないか、何度も確認するものだ。」

(プロの泥棒は、ヘマをしていないか、何度も確認するものだ。)

「私の手抜かりがあったために、多くの人に迷惑をかけてしまった。」

(私のミスがあったために、多くの人に迷惑をかけてしまった。)

などが挙げられます。

「ドジを踏む」【どじをふむ】

「ドジを踏む」「落ち度」の類語となります。

「ドジを踏む」の意味としては、「間の抜けた失敗をする」「ヘマをする」となります。

この「ドジを踏む」という言葉は「ドジ」「踏む」の2つの言葉に分けることができます。

「ドジ」とは間の抜けた失敗を表す言葉、「踏む」とは「実際に行う」という意味があります。

「踏む」という言葉は、一般的に「足で上から押し付けること」を表現する言葉ですが、この場合には、もう一つの「踏む」の意味である「実際に行う」の意味になります。

よく経験を積むことを「場数を踏む」などと表現することがありますが、このときに使う「踏む」と同じ性質の意味となります。

例文としては、 「彼女がドジを踏み、相手の企業を怒らせてしまった。」

(彼女が失敗をしてしまい、相手の企業を怒らせてしまった。)

「彼はドジを踏んだが、かえってそれで好感を得たようだ。」

(彼は失態を犯したが、かえってそれで好感を得たようだ。)

などが挙げられます。

「手違い」【てちがい】

「手違い」「落ち度」と類語として挙げられます。

「手違い」の意味は、「物事の段取りを間違えること」「手順の取違い」となります。

「手違い」の言葉を詳しくみていくと、「手」「違う」という言葉に分けて考えることができます。

「手」という言葉には「手そのものの」意味がありますが、ここでの意味はこれではありません。

「手で行った物事」について表す言葉となっています。

例えば、手記とは手で書いた日記のことを指し、手帳といえば手で書き記す帳面のことを指しています。

「手違い」「手」もこの意味であり、「手で行った物事」を表しています。

次に「違う」の意味ですが、「正常な状態と異なる」という意味があります。

この「手」「違う」の言葉が組み合わさってできた言葉が「手違い」です。

自分の行った作業が、通常と異なる状態であることを意味しています。

例文としては、「当社に手違いがあり、ランドセルの配送が少し遅れます。」

(当社に間違いがあり、ランドセルの配送が少し遅れます。)

「書類を渡す時期に手違いがありました。もう少しお待ちください。」

(書類を渡す時期に間違いがありました。<もう少しお待ちください。)などが挙げられます。

「落ち度」の使い方

「落ち度」の使い方

「落ち度」という言葉を使うときは下記のポイントを踏まえて使ってみましょう。

  • 失敗、過失、手落ちがあったとき
  • 失敗、過失、手落ちの程度が大きいとき

この2点です。

「落ち度」を使うときに気を付けるべきことは、失敗がどの程度のものに使うのかということです。

大した失敗でもないのに「私の落ち度で…」などと表現すると、「大きな失態を犯したに違いない」などと思われてしまいます。

大げさな表現となってしまいますし、このような表現をしても得をしません。

大した失敗には決して「落ち度」などと表現しない方が身のためでしょう。

例えば、「特に紛失しても困らないプリントだったのだが、私の落ち度で、昨日、ゴミ箱に捨ててしまいました。」

などの表現です。

特に紛失しても困らないプリントを過ってゴミ箱に捨てたくらいでは、「落ち度」という表現は適切ではありません。

気を付けましょう。



「落ち度」の例文

「落ち度」の例文

「落ち度」の例文についてみていきましょう。

  • 「落ち度」の例文1
  • 「落ち度」の例文2

「落ち度」の例文1

「私は事故にあったが、私の運転に落ち度はなかったはずだ。」

(私は事故にあったが、私の運転にミスはなかったはずだ。)

事故に遭うという大きなミスは自分のせいではないと主張している文章です。

過ちを犯したかもしれない状況、そして事故を引き起こすまでの程度の大きい過ちがしっかりと含まれています。

「落ち度」を正しく使っている表現です。

「落ち度」の例文2

「あなたの落ち度のせいで、今まで積み上げてきた信頼が失われつつあるよ。」

(あなたの過ちのせいで、今まで積み上げてきた信頼が失われつつあるよ。)

信頼を失うという大きな失敗を犯してしまった人に対する表現。

過ちを犯し、その過ちの程度が大きいという、「落ち度」を使うときのポイントがしっかりと入っています。

「落ち度」を使った言葉

「落ち度」を使った言葉

「落ち度」を使った言葉を紹介します。

  • 「落ち度がある」
  • 「落ち度なく」

「落ち度がある」

「落ち度」という言葉を用いるときに、一番多く使われている使い方は、「落ち度がある」という表現ではないでしょうか。

「落ち度がある」という意味は、「失敗がある」「過ちがある」「手落ちがある」という意味になります。

そして「落ち度がある」と表現していることから、すでに理解している人も多いと思われますが、「落ち度」とは「ある」「なし」で表されます。

失敗があることを「落ち度がある」「失敗がないこと」「落ち度がない」と表現します。

例文をいくつか挙げてみます。

「まさか優秀なあなたに落ち度があるなんて信じられない。」

(まさか優秀なあなたに失敗があったなんて信じられない。)

「私に仕事に落ち度があって、彼の仕事を増やしてしまった。」

(私に仕事に失敗があって、彼の仕事を増やしてしまった。)

「落ち度なく」

「落ち度なく」というと、どのような意味を思い浮かべるでしょうか。

恐らく、「落ち度がある」の意味を見て、この反対を意味する言葉だろうと思う人が多いでしょう。

しかし、実は「落ち度」にはまた違った意味があります。

さて、どのような意味なのでしょうか。

確かに、「落ち度なく」という言葉には、「抜けているところがない」「完璧な」「失敗のない」「手落ちのない」という意味があります。

ですが、意味はこれだけにとどまりません。

もう一つの意味には、「手際や技術が優れている様子」を表現する意味があります。

「巧妙な」「たくみな」「上手な」といった意味です。

例文をいくつか挙げてみます。

「君は落ち度のない優れた技術を持っているね。」

(君は完璧で優れた技術を持っているね。)

「その落ち度のない仕事ぶりには驚きを隠せない。」

(その素晴らしい手際のよい仕事ぶりに、驚きを隠せない。)

などが挙げられます。

このように「落ち度なく」という表現には手際や技術が優れており、それを褒めたたえる意味として用いられることがあります。

icon まとめ

「落ち度」という言葉が意外に奥深い意味を持つ言葉で驚いている人も多いのではないでしょうか。

「落ち度がある」「落ち度がない」という表現は、対になる言葉でもありながら、「落ち度がない」という言葉に関しては、少し異なる意味を持っているので面白いです。

この意味は、案外、知らない人は多いのではないでしょうか。

日常においてぜひ使ってみましょう。