「言ったもん勝ち」の意味とは?似たことわざや使い方、例文や具体例を紹介!
言葉は使う人の性質を顕著に現すものです。
「言ったもん勝ち」もそうした言葉の一つ。
「言ったもん勝ち」と口に出す人は、勝気で積極的な性質を持つ人かもしれません。
目次
- 「言ったもん勝ち」の意味とは?
- 「言ったもん勝ち」の似たことわざや四文字熟語
- 「言ったもん勝ち」の使い方
- 「言ったもん勝ち」の反対語や似た対義語
- 「言ったもん勝ち」のことわざを分解して解釈
- 「言ったもん勝ち」の世の中の具体例
「言ったもん勝ち」の意味とは?
「言ったもん勝ち」は「言った方が得をする」という意味になります。
自分の考えを気持ちを話すことで、自分の思い通りの物事が運ぶ可能性があることを意味しています。
例えば、電気屋さんを訪れて商品を値切るとき、「商品を値切りたいな」と思っても、自分から値切りたいと言わない限り、お店の人が値切ってくれることはまずありません。
それよりも、ダメもとで「値切ってほしい」と話した方が、お店の人も快く応じてくれるかもしれません。
お得に買い物ができる可能性があります。
自分に得になるようなことは周囲の人に言った方が良い、自分の思い通りに物事が運ぶ可能性があるという意味です。
また、自分の考えを話すことで、それを聞いた周りの人が、「それならば、こうした方がいい」などと思わぬアイディアをくれることがあるかもしれません。
もしくは、「こんな話があったよ」などと良い情報をもたらしてくれることも。
周囲に話すことで滅多にないチャンスを掴むことができるかもしれません。
「言ったもん勝ち」とは、話すことで自分が得をするという意味です。
逆に何も言わないと、得ができなかったり、他の人の意見に従わなくてはいけない状況になることを示唆しています。
「言ったもの勝ち」も同様の意味です。
正式にはこちらの言葉です。
「言ったもん勝ち」は間に「ん」がついているので、「言ったもの勝ち」の口語調です。
- 「言ったもん勝ち」の読み方
「言ったもん勝ち」の読み方
「言ったもん勝ち」は「いったもんがち」と読みます。
「勝ち」は「かち」ではなく、「がち」と濁点がついた読み方になります。
なぜならば、「言ったもん勝ち」は「言ったもん」と分けることはできず、一続きの言葉になっているからです。
「負けるが勝ち(まけるがかち)」などように言葉の間に「が」などの助詞が入ると、「かち」という濁音のつかない言葉になります。
助詞によって、「負ける」と「勝ち」の二つの言葉に分かれるからです。
「言ったもん勝ち」には助詞がないため、一続きの言葉となり、「いったものがち」という読み方となります。
「言ったもん勝ち」の似たことわざや四文字熟語
「言ったもん勝ち」の似たことわざや四文字熟語について見てきましょう。
- 「やったもん勝ち」【やったもんがち】
- 「早い者勝ち」【はやいものがち】
- 「勝てば官軍、負ければ賊軍」【かてばかんぐん、まければぞくぐん】
「やったもん勝ち」【やったもんがち】
「やったもん勝ち」は行動を起こした方が得をするという意味です。
「やったもん勝ち」も「言ったもん勝ち」も、行動を起こした人が得をするという、積極的な性質を感じる言葉となっています。
この言葉の裏には、行動を起こして後悔するというネガティブな感情は感じられません。
成功するかどうかは分からないけど、とにかく前へ前へと人生を突き進み、成功を導いていこうとする躍動感のようなものを感じます。
使い方としては、「できるかどうかは分からないけど、やったもん勝ちだよ。」などです。
「早い者勝ち」【はやいものがち】
「早い者勝ち」は、早く行動を起こした人が得をするという意味です。
デパートにあるセール品を手に入れたいときに使います。
数に限りのあるものは、早めに手にした人の勝ちです。
うかうかしていると、他の人にとられてしまいます。
まさに早く行動を起こした人が得をするという状況です。
また、早く行動を起こした方が、他の物と比べて、どれが一番良いものか品定めすることもできます。
自分にとって都合のよい、ベストなものを手に入れることができます。
使い方としては、「この商品を手に入れたいのなら、早い者勝ちだよ。」などです。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」【かてばかんぐん、まければぞくぐん】
「勝てば官軍、負ければ賊軍」は戦争で勝利を収めた方の道理が通るという意味です。
「言ったもん勝ち」と、少し言葉のニュアンスが違いますが、似ている性質を持つ言葉だと言えます。
「言ったもん勝ち」は言うことで得をすることを現していますが、「勝てば官軍、負ければ賊軍」は勝つことで物事の道理が通ることを現しています。
どちらも、何か行動を起こすことで良い方向に物事が転じる可能性がある点で類似しています。
「官軍」とは国に認められた軍隊のことを指しています。
つまり、天皇に認められた軍という意味です。
官軍ではない軍は、天皇に認められていない軍となり、賊軍として扱われます。
賊軍となると、国の統治を脅かす忌まわしい軍と扱われ、道理を通すのが難しくなります。
ゆえに、官軍となることは、戦うものにとって喉から手が出るほど欲しい立場だといえます。
そして、勝利を収めることで、この官軍の立場を得ることができるということを表しています。
使い方としては、「今まで自分に従わなかった人も、社長となった今では何でも言うことを聞いてくれる。まさに勝てば官軍、負ければ賊軍だね。」などです。
「言ったもん勝ち」の使い方
「言ったもん勝ち」の使い方について見ていきましょう。
- 「言ったもん勝ち」を使った例文1
- 「言ったもん勝ち」を使った例文2
「言ったもん勝ち」を使った例文1
「まさか、あの子が先輩と付き合えるなんて。恋愛は言ったもん勝ちなんだね。」
みんなの憧れの先輩が自分よりも可愛くない女の子に告白され、お付き合いしているのを目の当たりにしたときの一言です。
憧れの先輩が自分になびく訳がないと、最初から諦めていたのに、いざ先輩とお付き合いしている女の子は、自分よりも可愛くないと女の子。
もしかして、自分が告白していたら、自分も大好きな先輩とお付き合いできていたかもしれないという悔しい気持ちがにじみ出ている言葉です。
「言ったもん勝ち」を使った例文2
「いくら言ったもん勝ちだとしても、もうこれ以上は値切れないよ」
お客さんに「もっと値切ってくれ。」と頼まれた際に発した店主の一言。
積極的なお客さんにどんどん値段を交渉され、商品を安く値切られますが、これ以上、値切ったら利益が出ないと切り返したときの言葉です。
「言ったもん勝ち」の反対語や似た対義語
「言ったもん勝ち」の反対語や似た対義語について見ていきましょう。
- 「逃げるが勝ち」【にげるがかち】
- 「石の上にも三年」【いしのうえにもさんねん】
「逃げるが勝ち」【にげるがかち】
「逃げるが勝ち」は、無駄になる闘いは避けた方が良いという意味です。
始めから勝ち目のない争いなら、戦っても無駄。
力を使い果たした挙句、相手の思うままに物事が運ぶ結果となるだけです。
それならば、争いは避けて、自分の力を温存させておいた方が身のため。
自分を守りたいのなら、勝ち目のない無駄な争いはするなという意味になります。
「言ったもん勝ち」に比べると、自分に自信が持てない人が考えそうな、消極的な言葉に聞こえます。
「石の上にも三年」【いしのうえにもさんねん】
「石の上にも三年」とは、どんなに辛いことでも辛抱して努力すれば成功を収めることができるという意味です。
辛いことがあっても我慢をして、歯をくいしばって頑張る姿が想像できます。
反面、「言ったもん勝ち」の言葉には、言うことで得をしようとする、よこしまな心を感じることができます。
「石の上にも三年」のように、物事を真正面から受け止めるのではなく、なんとか上手に人生を立ち回ろうとする人間の狡さのようなものを感じます。
「言ったもん勝ち」のことわざを分解して解釈
「言ったもん勝ち」のことわざを分解して解釈してみます。
- 「言ったもん」の解釈
- 「勝ち」の解釈
「言ったもん」の解釈
「言ったもん」とは、自分の口から自分の意見を話すという意味です。
これから自分がやりたいこと、お願いしたいこと、考えていることなどをしっかりと相手に伝えることを表しています。
また、自分の意志を伝えるタイミングについては、なるべく早い段階で相手に伝えることを表していると考えれらます。
というのも、この言葉の裏には、いつまでも話さずにいると損をしてしまうと意味を含んでいるからです。
とにかく、早い段階で言った方が勝ちということを表しています。
「勝ち」の解釈
「勝ち」とは、勝負事の勝ち負けとは少し違った意味になります。
どちらかというと、自分に有益となる結果が得られた状態を「勝ち」と表現しています。
だから、自分が「勝ち」の状態になることで誰かが負ける訳ではありません。
自分にとって利益の出る状態、好都合な状況になることを「勝ち」だと表現しています。
言うだけで自分に好都合の状況になるのなら、話さない手はありません。
言うだけならタダです。
タダでラッキーな出来事が舞い込むのなら、恥ずかしいなんて言わずに当たって砕けた方が賢い生き方なのかもしれません。
まさにこのような生き方ができる人は、人生を上手に生きられる勝者なのかもしれません。
「言ったもん勝ち」の世の中の具体例
世の中には「言ったもん勝ち」の状況を目にすることがよくあります。
例えば、商品に対するクレームなどがそうです。
些細なことでもクレームをつけることで、別の問題のない商品と交換してもらうことができるでしょう。
何も言わなければ、現状はそのまま。
欠陥商品を使う羽目となります。
昔に比べて、日本は個人主義となりました。
個性を大事にする風潮が生まれ、自分の意見を話しやすい世の中になりました。
まさに、今の日本は「言ったもん勝ち」の世の中。
SNSなどの普及もあって、ネットを通してあれやこれやと言う人も増えました。
日本人は奥ゆかしいなどと言われたりしますが、「言ったもん勝ち」にはそういった日本人の品のようなものは感じません。
雑草のように逞しく生きる一人の人間を感じる取ることができます。
どんなに大変な状況下においても、この人ならばきっと乗り越えていけそうな気がします。
皆さんも、自分に都合の悪い状況になったら、ぜひ周囲に話してみてはいかがでしょう。
思わぬアドバイスが貰えてピンチを切り抜けることができるかもしれません。