「名残惜しい」とは?意味や使い方!例文や解釈
「名残惜しい」という言葉はどの様な意味があるのでしょうか。
使い方や意外な語源などについて紹介します。
目次
- 「名残惜しい」とは?
- 「名残惜しい」の表現の使い方
- 「名残惜しい」の類語や類似表現や似た言葉
- 「名残惜しい」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「名残惜しい」の反対語
- 「名残惜しい」の英語と解釈
「名残惜しい」とは?
「名残惜しい」の意味や、読み方を紹介します。
- 「名残惜しい」の読み方
- 「別れたくないと思うこと」の意味
- 「強い心残りがあること」の意味
- 「名残惜しい」の語源や由来
- 「名残惜しい」と「未練」との違い
「名残惜しい」の読み方
「名残惜しい」は「なごりおしい」と読みます。
「なのこりおしい」と読み間違わない様に注意しましょう。
「別れたくないと思うこと」の意味
人と会って非常に楽しい時間を過ごしたあと、別れ際に「もっと一緒にいたい」と寂しい感情が湧くことを言います。
家族や親友、恋人など親密な関係の人に対して抱く気持ちです。
「強い心残りがあること」の意味
自分が今まで慣れ親しんできた場所から引越したり、大切にしてきたけれども断舎利の一環として処分しなければならないものがあった時に、強く心残りを感じることをあらわします。
自分から離れよう、手放そうと決意したものの、最後まで気になって仕方がない様子を言います。
「名残惜しい」の語源や由来
「名残惜しい」の語源は、「余波」という言葉からきています。
「余波」は「なごろ・なごり」という読み、海辺に波が打ち寄せられて引いた後に、海藻や波の泡などが残ることという意味があります。
この「波が残していったもの」の様に心に残る思いという意味で「名残」という同じ読み方をする漢字を当てはめて使う様になりました。
「惜しい」は「残念に思う」「大切に思う」という意味があります。
これらの言葉が組み合わさり「残念に思う気持ちが心に残る」という意味で使われる様になりました。
「名残惜しい」と「未練」との違い
「名残惜しい」と似た意味の言葉に「未練」があります。
この2つの言葉の違いは「気持ちの持続時間」です。
「名残惜しい」の場合、一度離れてしまえば気持ちの切り替えができるというニュアンスがあります。
「未練」の場合、離れた後も諦めきれずにいつまでも引きずっているというニュアンスがあります。
「名残惜しい」の表現の使い方
「名残惜しい」が使われるのは以下の様なシーンです。
- 人との別れ際
- 大切にしていたものを手放す時
- 土地を離れる時
- 会合を切り上げる時
人との別れ際
「名残惜しい」が最も良く使われるのは人との別れ際です。
人と会って楽しい時間を過ごし、いざ帰らなければならない時間になり「もっと一緒にいたい」という気持ちになった時に「名残惜しい」と言います。
急に「じゃあまた」「さようなら」と言うよりも、相手の心に響く言葉です。
大切にしていたものを手放す時
今まで大切にしていたものや、長い間使い続けてきて愛着や思い出のあるものを手放す時にも「名残惜しい」が使われます。
何らかの事情があり、本人は手放す決意をしているものの、寂しさを感じてしみじみとしている状態を表します。
土地を離れる時
子供の頃はあまり気にしないものですが、大人になると住み慣れた土地に対して愛着を感じる様になるものです。
そこに住んでいた時の出来事が全て関連付けられて、「土地=自分の思い出」として記憶に残るのです。
様々な事情で引越さなければならない時に「離れがたい」と思う気持ちが湧いた時に「名残惜しい」と言います。
会合を切り上げる時
同窓会やオフ会など、滅多に会えない人達と会えると楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいます。
楽しく盛り上がる程お開きの時間になるのが惜しくてたまりません。
その様な時に幹事が「大変名残惜しいのですが、お時間となりました」と、終わりの言葉を告げるのです。
「名残惜しい」の類語や類似表現や似た言葉
「名残惜しい」の類語を紹介します。
- 「後ろ髪を引かれる」【うしろがみをひかれる】
- 「心残り」【こころのこり】
- 「尾を引く」【おをひく】
「後ろ髪を引かれる」【うしろがみをひかれる】
「気持ちが引かれてしまいその場からはなれられないこと」という意味です。
まるで髪の毛が後ろに引かれる様に気持ちが残っているという比喩的表現です。
「心残り」【こころのこり】
「ものごとが終った後になっても気持ちが残ってしまいモヤモヤすること」という意味です。
多くの場合は何かできなかったことに対して後悔している時に使います。
「尾を引く」【おをひく】
「ものごとが終ってからも気持ちが引かれること」「終わった後にも影響が残ること」という2つの意味があります。
こちらも後悔をしたり悪い影響などが残っている時に使われます。
「名残惜しい」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「名残惜しい」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「名残惜しい」を使った例文1
- 「名残惜しい」を使った例文2
「名残惜しい」を使った例文1
「同窓会が終り、皆名残惜しそうに帰って行った」
同窓会で懐かしい友人達に会い、昔の思い出話で盛り上がりました。
何年分もの話題なので尽きることがありません、お開きの時間がきて帰ることになり、皆が「もっと一緒にいたい」という気持ちになっていたことを表します。
「名残惜しい」を使った例文2
「このぬいぐるみを捨てるのは名残惜しい」
子供の頃から持ち歩いたりベッドで一緒に寝たりしていたぬいぐるみをとうとう処分することにしました。
小さい頃からの思い出が詰まっているので寂しいと思う心理を表しています。
「名残惜しい」の反対語
「名残惜しい」の反対語を紹介します。
- 「晴ればれ」【はればれ】
- 「清々しい」【すがすがしい】
「晴ればれ」【はればれ】
「気持ちがすっきりと軽くなること」という意味です。
背景として何か悩みや不安を抱えていたのが解決して、精神的な負担が取れた時に使われます。
「清々しい」【すがすがしい】
「心に引っ掛かるものがなく爽やかな気持ち」という意味です。
こちらも悩み事が解決した時などに使われます。
「名残惜しい」の英語と解釈
“I will miss you.”
「お別れするのが名残惜しいです」になります。
「名残惜しい」には様々な英訳がありますが、こちらは日本人が最も使い易いフレーズです。
この言葉だけで「あなたがいなくなるのが寂しい=名残惜しい」という意味になるので、その他の自分の感情や状況などは付け加えて言えばいいからです。
「名残惜しい」は「別れたくないと思うこと」「強い心残りがあること」という2つの意味があります。
相手に対して好意を伝える言葉ですので、別れ際などに積極的に使ってみましょう。