「ルサンチマン」とは?意味や類語!
会話の中で「ルサンチマン」というと、正義のヒーローの名前かなと勘違いする人もいるでしょう。
但し意味と使い方について紹介しますので参考にして下さい。
目次
- 「ルサンチマン」とは?意味
- 「ルサンチマン」の表現の使い方
- 「ルサンチマン」のニーチェでの意味
- 「ルサンチマン」を使った例文と意味を解釈
- 「ルサンチマン」の類語や言い換え
「ルサンチマン」とは?意味
「ルサンチマン」の概要について紹介します。
- 「ルサンチマン」の意味
- 「ルサンチマン」の語源
- 「ルサンチマン」の対義語
「ルサンチマン」の意味
「ルサンチマン」の意味は「弱い者から強い者へ持つ羨望や恨みの心理」です。
人は生まれた時から身分が決まっています。
現代社会では努力次第で成り上がることは可能で、日本でも「下剋上(げこくじょう)」という言葉があります。
しかし昔はそう簡単に出世はできず、親の職業を末代まで踏襲するという社会でした。
金持ちの息子は金持ちに、貧乏人の息子は貧乏人になるのが当然で、生まれながらに一生が決まっていたのです。
身分の低い人はそうと分かっていても、心理的に抑圧された状態になります。
そしてお金持ちや権力者を「悪者」と決めつけてしまい、勝手に恨みを持つ様になるのです。
この時の無意識に強い者を攻撃してしまう心理のことを「ルサンチマン」と言うのです。
「ルサンチマン」の語源
「ルサンチマン」はフランス語では“ressentiment”、英語では“re-sentiment”です。
“sentiment”は「感情」という意味があり、日本語でも「センチメンタル」として使われています。
「re-」は「反対・否定」を表す接頭辞で、意味は「感情の反復」になります。
相手に叶わないという気持ちから感情が反転して相手に対して恨みを持つ、という意味で使われる様になりました。
「ルサンチマン」の対義語
「ルサンチマン」の対義語は「優越感」です。
意味は「自分が他人よりも優れていると認識すること」です。
自分の方が明らかに他人よりも優れている、恵まれていると思うと、何となく誇らしい気持ちになります。
心の余裕から相手に対して労わる気持ちも持つことでしょう。
この様な自分の状態を内面で満足する気持ちを「優越感」と言うのです。
「ルサンチマン」の表現の使い方
「ルサンチマン」は哲学的な話題の中で使われます。
感情を表す名詞ですので、「ルサンチマンを持つ」「ルサンチマンを抱く」などと動詞を伴って使われたり、「ルサンチマンだ」など単独でも使えます。
但し、一般的に認知度の低い言葉であり相手に合わせて使わないと「自分の知識をひけらかす人」と思われてしまうので注意しましょう。
「ルサンチマン」のニーチェでの意味
「ルサンチマン」はニーチェは「弱者が強者に対して直接行動して反発することが禁じられているので、精神面で復讐することでガス抜きしている」と説いています。
この「ルサンチマン」の精神により、下級層の人々の道徳観も生じる様になりました。
「隣人愛」という名の「他人にこびて利を得る行為」なども「ルサンチマン」の副産物として生まれた精神だと説いています。
「ルサンチマン」を使った例文と意味を解釈
「ルサンチマン」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「ルサンチマン」を使った例文1
- 「ルサンチマン」を使った例文2
「ルサンチマン」を使った例文1
「ルサンチマンの本当の対象は富裕層ではなく政府だと思う」
「ルサンチマン」が生じるのは身分や貧富の差であり、それは金持ちのせいではなく、中々強者になれない社会であり、それを作った政府を敵とするべき、という解釈です。
「ルサンチマン」を使った例文2
「反日運動はルサンチマンの副産物だ」
外国で反日運動が起きるのは、その国の政府に対する国民の不満を政府側が上手に反日運動にすり替えているからという解釈です。
「ルサンチマン」の類語や言い換え
「ルサンチマン」の類語は以下の通りです。
- 「嫉妬」【しっと】
- 「悪感情」【あくかんじょう】
- 「憎悪」【ぞうお】
「嫉妬」【しっと】
「自分より優れているものを妬む気持ち」です。
「悪感情」【あくかんじょう】
「相手に対して何かに付けて悪く思ってしまうこと」です。
「憎悪」【ぞうお】
「相手をひどく憎んで嫌うこと」です。
「ルサンチマン」は難しい言葉ですが「弱い者から強い者へ持つ羨望や恨みの心理」と考えればスムーズです。
哲学的な話題をしている場面で使ってみましょう。