「憤懣やるかたない」とは?意味と類語!例文と使い方!憤懣/忿懣やるかたない
「憤懣やるかたない」という言葉の意味や使い方を紹介します。
また「憤懣やるかたない」を使った言葉や、「憤懣やるかたない」を使った例文や短文を紹介して行きます。
さらに「憤懣やるかたない」の類語などについて紹介して行きます。
目次
- 「憤懣やるかたない」とは?
- 「憤懣やるかたない」を分解して解釈
- 「憤懣やるかたない」を使った言葉と意味を解釈
- 「憤懣やるかたない」を使った例文や短文など
- 「憤懣やるかたない」の類語や言い換え
「憤懣やるかたない」とは?
みなさんは「憤懣やるかたない」と言う言葉を知っているでしょうか。
みるからに読み方が難しい言葉のため、意味をまるで知らない人もいるでしょう。
そこで「憤懣やるかたない」の読み方と意味を紹介して行きます。
- 「憤懣やるかたない」の漢字
- 「憤懣やるかたない」の意味
- 「憤懣やるかたない」の使い方
「憤懣やるかたない」の漢字
「憤懣やるかたない」の読み方を紹介します。
「憤懣やるかたない」は「ふんまんやるかたない」と読みます。
「憤懣」は「ふんまん」と読みます。
また「やるかたない」を漢字にすると、「遣る方無い」という表記になります。
あわせると「憤懣遣る方無い」と、画数が多い、読むのが面倒に思えるような言葉になります。
「憤懣やるかたない」は「ふんまんやるかたない」と読むこと、さらに「憤懣遣る方無い」と書くケースがあることを覚えておきましょう。
「憤懣やるかたない」の意味
「憤懣やるかたない」にはどのような意味があるでしょうか。
「憤懣」には、「憤って、我慢できないこと」「憤って我慢できない気持ち」という意味があります。
そのため「憤懣やるかたない」には「腹が立ち、どうしようもない気持ち」「何をしても、腹立たしい気持ちがなくならない様子」などの意味があります。
「憤懣やるかたない」の使い方
「憤懣やるかたない」の使い方を紹介します。
「憤懣やるかたない」は、腹が立ち、どうしようもないという意味があるため、そのような場面に出会った時に使いましょう。
例えばラーメン店の行列に並んでいたら、他の客が列の前に横入りし、そのまま食事をする姿を見た時、腹が立ってどうしようもなくなるのではないでしょうか。
このような時に、「憤懣やるかたない」という言葉を使いましょう。
ビジネスシーンでは、コネ入社した若い社員が、コネの無いベテラン社員に生意気な態度を取っている姿を見た時、強い立場を利用して理不尽な言動をする取引先を見た時などに、「憤懣やるかたない」という言葉を使ってみましょう。
「憤懣やるかたない」を分解して解釈
続いて「憤懣やるかたない」という言葉を、あらためて分解して解釈してみましょう。
ひとつずつの言葉をしっかり理解することで、全体の理解につながるかもしれません。
- 「憤懣」【ふんまん】
- 「やるかたない」【やるかたない】
「憤懣」【ふんまん】
「憤懣」は「憤りがあり、我慢できないことや、その気持ち」という意味があります。
誰かのワガママな態度に憤って、我慢できない時、また権力を笠に着て、やりたい放題をする人などに対して、「憤懣」という感情がわき上がるかもしれません。
「やるかたない」【やるかたない】
「やるかたない」は「遣る方無い」という漢字を当てることばできます。
「遣る」は「何かをする」という時の「する」の意味があります。
「遣る方」とは「方法」、「無い」はそのまま「ない」という意味があるため、「方法がない」という意味にあります。
「憤懣」と「遣る方無い」は、「我慢できないほどの憤り」と「方法がない」という意味があり、「憤りをどうしようもない様子」「怒りを逃がす方法すらないような状態」という意味になります。
「憤懣やるかたない」を使った言葉と意味を解釈
続いて「憤懣やるかたない」を使った言葉を紹介し、意味を解釈して行きます。
「憤懣やるかたない」を使った言葉を、実際に使う時、便利になる言葉を紹介します。
- 「憤懣やるかたない様子」【ふんまんやるかたないようす】
- 「憤懣やるかたない気持ち」【ふんまんやるかたないきもち】
- 「憤懣やるかたない目つき」【ふんまんやるかたないめつき】
- 「憤懣やるかたない表情」【ふんまんやるかたないひょうじょう】
- 「憤懣やるかたない口調」【ふんまんやるかたないくちょう】
「憤懣やるかたない様子」【ふんまんやるかたないようす】
「憤懣やるかたない様子」という言い回しを使うことがあります。
例えば隣にイライラしている人がいて、体の動きや口調などから、憤りを抑えきれないと感じられる時、「憤懣やるかたない様子」と言えます。
イライラや憤りは、体全体から溢れるため、近くにいる人なら、何となく感じられます。
「憤懣やるかたない気持ち」【ふんまんやるかたないきもち】
「憤懣やるかたない気持ち」という言葉もあります。
「憤懣やるかたない気持ち」には、「腹立たしさが晴れない気持ち」「どうしようもなく腹が立つ気持ち」などの意味があります。
仕事上で、とても嫌な目に遭い、さらにその腹立ちが何時間たっても消えないような時があるでしょう。
このような気持ちを「憤懣やるかたない気持ち」という言葉で表現できます。
「憤懣やるかたない目つき」【ふんまんやるかたないめつき】
「憤懣やるかたない目つき」という言葉を使うこともあります。
「憤懣やるかたない目つき」とは、「腹立ちを隠せないような目つき」のことです。
例えば、AさんがBさんに対して憤りを隠せないほど怒っている時、他の人を見る目とは違い、目つきが悪くなっているはずです。
このような目つきを「憤懣やるかたない目つき」と言います。
目は口ほどにものを言うという言葉があるほど、心の中の様子は目で表現されてしまいます。
「憤懣やるかたない表情」【ふんまんやるかたないひょうじょう】
「憤懣やるかたない表情」という言葉があります。
「憤懣やるかたない目つき」という言葉がありましたが、目つきだけでなく、口元や、しわなど、表情全体で、激しい憤りを表現している人に対して、「憤懣やるかたない表情」という言葉を使います。
口持ちが尖っていたり、今にも激しい口調で怒鳴り出しそうだったり、髪が逆立っているなど、「憤懣やるかたない表情」は見たらすぐにわかる険しい表情ではないでしょうか。
「憤懣やるかたない口調」【ふんまんやるかたないくちょう】
「憤懣やるかたない口調」は「怒りを隠しきれないような口調」という意味があります。
ビジネスシーンでは感情をあらわに出来ない場面が多いため、表面上は穏やかなに話そうとするでしょう。
しかし心の中で立腹して仕方がない時は、「こんにちは」にも「ありがとう」にも、怒りが含まれてしまいます。
このように、口調に憤懣があふれてしまっている時に、「憤懣やるかたない口調」という言葉を使ってみましょう。
「憤懣やるかたない」を使った例文や短文など
続いて「憤懣やるかたない」を使った例文や短文を紹介して行きます。
「憤懣やるかたない」の使い方のコツを、文章を見ながら覚えて行きましょう。
- 「憤懣やるかたない」を使った例文1
- 「憤懣やるかたない」を使った例文2
「憤懣やるかたない」を使った例文1
「若い社員の失礼な態度に、部長は『憤懣やるかたない』様子だった」
この例文のように、若い社員が無礼な態度を取った時、社会マナーを無視した態度を取った時は、上の立場に立つ人は、腹立たしさを抑えられないかもしれません。
彼らは若い頃、社会マナーを守り、目上の人を立ててきたという自負があるため、若い人がそれをできないことに怒ります。
ただしコンプライアンス的な問題で、以前の上司のように、若い社員を厳しく叱ることもできいため、怒りの行き場がなくなっているという現実もあります。
このような時の、上の立場の、人の怒りは「憤懣やるかたない様子」という言葉で表現できます。
「憤懣やるかたない」を使った例文2
「理不尽な振られ方をしたAは、Bさんを『憤懣やるかたない』表情で見ていた」
恋愛の場面でも、ある程度のマナーのようなものは必要になるでしょう。
告白されて断る時、あるいは付き合っていた男女が分かれる時は、それなりの理由を告げたり、相手がショックを受けないよう気配りをする必要があるかもしれません。
この例文のBさんは、きっとそのような配慮をせず、Aさんが傷つくような振り方をしてしまったようです。
このような振られ方をしてしまうと「憤懣やるかたない表情」になってしまうかもしれません。
「憤懣やるかたない」の類語や言い換え
続いて「憤懣やるかたない」の類語や、言い換えられる似た意味を持つ言葉を紹介します。
「憤懣やるかたない」と似た意味の言葉には、どのような言葉があるでしょうか。
- 「むかつく」【むかつく】
- 「立腹」【りっぷく】
- 「腸が煮えくり返る」【ちょうがにえくりかえる】
- 「憤怒」【ふんど】
「むかつく」【むかつく】
「むかつく」は、口語的な言葉で、日常的に口にする人が多い言葉です。
「むかつく」には、「しゃくに障る」「腹が立つ」という意味があります。
自分にとって気に食わない態度を取る人に対して「むかつく」などと言います。
「憤懣やるかたない」に比べると、それほど強い怒りを感じさせない言葉です。
「何となく腹が立つ」「何か嫌な感じがする」という程度の感情を「むかつく」という言葉で表現してみましょう。
「立腹」【りっぷく】
「立腹」は「腹が立つ」という意味がある言葉です。
すぐに腹が立つ人のことを「ささいなことで『立腹』する人」などと言います。
みなさんの中にも、「立腹」しやすい人がいるかもしれません。
また「腹が立つ」という表現ばかりが続いてしまうのを避けるために、「立腹」という同じ意味を持つ言葉に言い換える方法もあります。
「腸が煮えくり返る」【ちょうがにえくりかえる】
「腸が煮えくり返る」という言葉があります。
「腸」は「はらわた」と読みます。
「腸が煮えくり返る」には、「我慢できないくらい、腹が立つ」という意味があります。
みなさんも、我慢できないくらい腹が立った経験があるかもしれません。
上司に理不尽な怒られ方をした時などに「腸が煮えくり返る」経験をした人がいるでしょう。
あるいは先生に、自分は悪くないのに叱られたという時などに、「腸が煮えくり返る」ほど、腹が立ったかもしれません。
「憤怒」【ふんど】
「憤怒」という激しい漢字を使った言葉もあります。
「憤怒」には、「大いに怒ること」という意味があります。
恐ろしい表情をして怒っている人は、「憤怒」している人かもしれません。
普段は優しい人ほど怒ると怖いという説がありますが、優しい人を怒らせて「憤怒」させるのは避けたいところです。
「憤懣やるかたない」という言葉について見てきました。
みなさんも「憤懣やるかたない」という感情を持ったことがあるかもしれません。
自分以外でも、「憤懣やるかたない」と思えるような表情や目つき、態度を取っているのを見た時に、この言葉を使ってみましょう。