「馴染み」とは?意味と類語!例文と使い方!語源
社会人になってから「馴染み」という言葉をよく耳にする様になったという人もいるでしょう。
どの様な意味があるのか、語源なども併せて紹介します。
目次
- 「馴染み」の意味とは?
- 「馴染み」の語源
- 「馴染み」の使い方
- 「馴染み」を使った言葉など解釈
- 「馴染み」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「馴染み」の類語や言い換え
- 「馴染み」の英語や例文(解釈)など
「馴染み」の意味とは?
「馴染み」の読み方と意味、言葉の成り立ちについて紹介します。
- 「馴染み」の読み方
- 「よく知っていること」の意味
- 「遊郭に通い馴れること」の意味
- 「長年連れ添った伴侶」の意味
- 「馴染み」の言葉の成り立ち
「馴染み」の読み方
「馴染み」は「なじみ」と読みます。
「なれしみ」と読み間違わない様にしましょう。
「よく知っていること」の意味
人やお店、場所などについて昔からよく行き来していて知っていることを言います。
その人や場所に親しみがあり、勝手が良く分かっているのでスムーズに行動できたり、相手に会った時に笑顔で話しをしたりできる関係です。
よく通っているお店や旧知の友人の場合、相手もその人が来訪することを喜んでくれる時に使います。
「遊郭に通い馴れること」の意味
遊郭で同じ遊女の元に何度も通って親密になることを言います。
「馴染み」とは遊女がお客に対して使う言葉で、その由来は後に詳しく紹介します。
「長年連れ添った伴侶」の意味
結婚して長いこと夫婦として連れ添っている妻や夫のことを言います。
日本では自分の身内のことを人に言う時に、はっきりと名前で言わないことが多く「うちの人」「家内」「せがれ」などと言い、「馴染み」もその一つです。
「馴染み」の言葉の成り立ち
「馴染み」をより理解する為にそれぞれの漢字について紹介します。
「馴」は「じゅん」と読み、これだけでも「なれる・ならす」という意味があります。
「染」は「せん」と読み、「そまる」という意味の他に「しみ込む・影響を受ける」という意味があり、「馴染み」の場合は後者の意味となります。
これらの漢字が組み合わさり「なれて身体にしみ込む様になる」という意味で使われる様になりました。
「馴染み」の語源
「馴染み」の由来は遊郭で使われていた言葉からきています。
男性が吉原遊びをする時には、一般的には「引手茶屋」という紹介所を通して申し込むことになります。
遊女には格付けがあり、中でも最高ランクである花魁を指名するには3つのステップが必要でした。
「初会」は通い1回目で、初顔合わせとなりますが、何とお客は花魁と目も合わせられず、会話もできずに終わるのです。
「裏」は通い2回目で、「初会」と変わらず堅苦しい雰囲気で、お客はまだ花魁から名前を呼ばれることはありません。
各楼では遊女が客に指名されると名札を裏返すことから「裏」と呼ばれる様になりました。
「馴染み」は通い3度目で、花魁とやっと親密になれます。
専用の部屋で高級なお箸を用意されたりなど、お客として手厚くもてなされます。
但し、この時お客は楼には「馴染み金」、花魁には「床花」という御祝儀を持って行く必要がありました。
これによりお客は花魁としてのサービスを受けられる様になります。
それ以降はお迎えやお見送りなど、「馴染み客」として大切にされる様になるのです。
このことから、その場所に通っていて馴れ親しんでいる人ことを「馴染み」と呼ぶ様になったのです。
「馴染み」の使い方
「馴染み」の使い方について以下のポイントがあります。
- 「馴染み」だけでも通じる
- 3回以上は続いていること
「馴染み」だけでも通じる
「馴染み」は「〇〇馴染み」「馴染みの〇〇」など、「馴れ親しんだもの」を表す言葉を伴って使われます。
但し、ただ「馴染み」と言ってもそれまでの会話の流れで意味が通じることが多くなります。
3回以上は続いていること
先に「馴染み」の由来でも説明しましたが、遊郭では「馴染み」になる為には3回以上通う必要があります。
このことから、何かに対して「馴染み」という時には少なくとも3回以上は続いていることが必要です。
1回位その場所に行ったり人に会った位で「馴染み」とは言わない様にしましょう。
「馴染み」を使った言葉など解釈
「馴染み」を使った言葉と解釈を紹介します。
- 「馴染み客」【なじみきゃく】
- 「馴染み深い」【なじみぶかい】
- 「馴染みやすい」【なじみやすい】
- 「お馴染み」【おなじみ】
「馴染み客」【なじみきゃく】
その店に何度も通い、お店の人に顔も名前も覚えられているお客のことです。
「いつもの」と言えば料理が出てくる様になっています。
「馴染み深い」【なじみぶかい】
何度も見たり聞いたりしていて、すぐに理解できることです。
好きな音楽や行きつけの場所などのことを言います。
「馴染みやすい」【なじみやすい】
すぐに親しんだり覚えられたりするものや人のことを言います。
初めてなのに昔から知っている様にしっくりする時にも使います。
「お馴染み」【おなじみ】
いつものことであるという意味です。
「毎度お馴染み」などとも言われ、同じ様な場面で必ず出てくる人やもの、催しや芸などに使われます。
「馴染み」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「馴染み」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「馴染み」を使った例文1
- 「馴染み」を使った例文2
「馴染み」を使った例文1
「しばらく会わないうちに幼な馴染みが成長していてびっくりした」
小さい頃よく遊んでいた近所の子供のことを「幼馴染み」と言います。
同じ学校に行くとは限らず、中学生や高校生になり別々の学校に通う様になると、しばらく会えなくなります。
たまに会うとお互いが成長しているのでびっくりすることでしょう。
「馴染み」を使った例文2
「昔から馴染みのある公園がなくなってしまった」
昔からよく散歩していた公園が開発の為になくなってしまい、他の建物が建ってしまったことを表しています。
少子化ということもあり、さびれた公園を撤廃するのは珍しいことではありません。
「馴染み」の類語や言い換え
「馴染み」の類語は以下の表現になります。
- 「贔屓」【ひいき】
- 「馴れ親しむ」【なれしたしむ】
「贔屓」【ひいき】
意味は「自分が気に入った人に目をかけて引き立てること」です。
「馴染み客=ご贔屓」と呼び、言い換えとして使われます。
「馴れ親しむ」【なれしたしむ】
相手やそのものと何度も接触してお互い親密な関係になることです。
「親しむ」が付くので相手に対して好感を持っていることを表します。
「馴染み」の英語や例文(解釈)など
“He is familiar with that street.”
「彼はその通りに馴染みがある」となります。
“be familiar with”で「〇〇に馴染みがある、精通している」という意味になります。
「馴染み」は「何度も出会ったり通ったりして良く知っていること」という意味です。
遊郭で使われていた用語で、3回以上通っているお客に使われた言葉です。
少なくとも3回以上続いていることに対して使う様にしましょう。