「観点」の意味とは?「視点」との違い、英語や類語、対義語を紹介!
「観点」という言葉を聞いたことがない、という方は少ないかと思いますが、「観点」と「視点」はどう違うのか、「観点」を英語でどのように表現すればいいのかわからない、という方は多いと思います。
ここでは「観点」という言葉についてご紹介していますので、この機会にぜひ一読ください。
目次
- 「観点」の意味とは?
- 「観点」の読み方と漢字
- 「観点」の英語
- 「観点」と「視点」の違い
- 「観点」の言葉の使い方
- 「観点」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など
- 「観点」を使った例文や短文
- 「観点」の類語や類義表現
「観点」の意味とは?
「観点」とは、ある物事について考えるときの立場、立ち位置のことを意味します。
同じ物事でも別の立場から見るとまったく異なる結論に至ることがありますが、そういった場合に二者の間にある違いとは、立場による見方です。
開発者の観点から見れば都市開発といえることも、住民や環境保全の観点から見れば環境破壊や生態系の崩壊を招くおそれがある、と考えられます。
「観点」の読み方と漢字
「観点」は「かんてん」と読みます。
「観」という漢字には「み-る」という読みもあり、「観客」などではみること、ながめることを、「観念」などでは考え方や物の見方を、「美観」などでは姿かたちを意味しています。
ここでは物の見方、という意味がふさわしいでしょう。
「点」という漢字はほかに「つ-ける」「とも-る」「た-てる」といった読みを持ち、小さな印のこと、注ぐこと、火をつけること、加えることなど多くの意味を持っています。
「観点」の英語
「観点」を英語にするとなると、“point of view”といえば伝わる、と考える方が多いでしょう。
しかしこれは、どちらかというと「視点」に近い英語といわれています。
まずは“perspective”という単語を覚えておきましょう。
考え方、見方、展望、という意味で使われています。
また、「こちらのスタンスとしては」などということがありますが、このスタンスも、英語で“stance”といい、物事に対する姿勢を表します。
ほかにも“opinion”なども「観点」を表すことができる英語ですので、場面によってどの英語がしっくりくるかを考えて使用するとベターです。
「観点」と「視点」の違い
「観点」とは物を考える立場のことであり、個人的なものでないことも多々あることがわかります。
一方「視点」には、物の見方という意味はあるものの、すこし狭義的に感じられる言葉といえます。
「視点を変える」というと、ある物事だけに固執せず、ほかの側面からも考えられないかと考え直すことをいいますが、「観点を変える」というのは、物を考える立場そのものが大きく変わることを意味します。
「観点」の言葉の使い方
「○○の観点から」「○○の観点に立つと」のように、自分がどの側の立場として意見や主張を行うのかを明確にさせるときに使うことが多くあります。
私たちは一個人として生きている一方で、さまざまな組織に所属し、その一員としての意見を求められることがあります。
そのような場合に「観点」という言葉を使うと意味が伝わりやすくなります。
また、「医学的観点」「芸術的観点」など、一般にありふれた発想とは別の専門的な分野からの物の見方に関して、このようにいうことができます。
「観点」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など
「観点」という言葉を使用した語句をいくつかご紹介します。
関連のある言葉について知っておくと、一つの言葉から広がりができます。
- 「観点を持つ」
- 「様々な観点」
- 「観点別学習状況」
「観点を持つ」
なにか物事に専念するときには特に、「観点を持つ」ことがとても重要です。
同じ研究でも、やみくもにするのでなく、「どのような切り口で研究するか」が大事です。
独自の「観点」を持っていることでやらねばならないことが明確化し、目標が達成しやすくなります。
また、精神的にもぶれにくくなり、他人の意見に流されにくくなるため、さまざまな日常の中にある物事にも自分だけの「観点」を持っているといいかもしれません。
「様々な観点」
自分だけの「観点」を持っていることも大事ですが、狭い考えだけにとらわれ、自縄自縛になってしまうのは危険です。
なにか新しいことを始めるときや、行き詰まったときには、自分の考え方以外にも「様々な観点」があることを知りましょう。
立場が違えば考えが変わり、これまで悩んでいたことが嘘のように答えにたどり着けることもあります。
「観点別学習状況」
教育には学習指導要領という、学習目標の目安となるものがあります。
その目標に向け、各科目いくつかの「観点」に分けていき、その「観点」ごとの出来を分析していく方式をとっていますが、これを「観点別学習状況」と呼んでいます。
「観点」を使った例文や短文
次に「観点」を使用した例文を見ておきましょう。
具体的にどのように使われているのか分かれば、日常やビジネスシーンに応用がききます。
- 「観点」の例文1
- 「観点」の例文2
「観点」の例文1
「公務員の彼とでは観点が違う」
民間で活動していると、公的な仕事をしている人と意見が食い違うこともあります。
書類やデータベースの「観点」を持っている人と、現場ベースの「観点」を持っている人とでは、うまく話が噛み合わないこともあって当然かもしれません。
「観点」の例文2
「一般論でいえば住みたくはないが、芸術的観点に立つと見事な建造作品だと思う」
芸術作品の中には実用的、機能的である必要がそもそもないものも多々あります。
建物でいえば、やたらと階段が多かったり、入り組んでいたり、形が込み入っていたり天井が低かったりと、ストレスの多い場所になるうるものでも、それが「芸術的観点」からは素晴らしいものである、ということはよくあることです。
「観点」の類語や類義表現
最後に「観点」の類語表現を紹介します。
「観点」という言葉が使い慣れない、ニュアンス的に少し違う、というときには類語が参考になるかもしれません。
- 「着眼点」【ちゃくがんてん】
- 「見地」【けんち】
「着眼点」【ちゃくがんてん】
「ちゃくがんてん」と読み、物事を見るときにとくに気をつける点や、評価のポイントとなるところを意味し、「目のつけどころ」と言われることもあります。
「中学生が書いたとは思えないほど着眼点が優れている、いい論文だ」
「見地」【けんち】
「けんち」と読み、物事を判断したり観察するときの見方、立場のことをいい、「観点」とよく似た言葉として知られています。
ほかに、建築などの際に実際の土地を見に行くこと、という意味で使われることもあるので、注意が必要です。
「社会的な見地に立ってと彼はいうが、かなり利己的な意見に聞こえる」
「観点」とは、物事を見るときの立場のことと分かりました。
自分なりの「観点」を持っていることは大事ですが、他人の意見も聞き入れ、さらに自分を深めていけると、どんな分野のことも吸収でき、人間的な成長につながりそうですね。