「面目」の意味とは?「面目」と「面子」の違い・読み方・英語・類語【使い方や例文】
会社で上司や取引先に対して「面目ありません」と謝罪している人はいませんか。
実はその使い方は間違いです。
「面目」の正しい意味と使い方を紹介しますので、是非参考にして下さい。
目次
- 「面目」の意味とは?
- 「面目」の読み方
- 「面目」の英語(解釈)
- 「面目」と「面子」の違い
- 「面目」の言葉の使い方
- 「面目」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
- 「面目」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「面目」の類語や類義表現
「面目」の意味とは?
「面目」の意味と語源について紹介します。
- 「世間に対する体裁や名誉」「世間からの評価」の意味
- 「外面に表れている様子、風貌」の意味
- 「面目」の語源
「世間に対する体裁や名誉」「世間からの評価」の意味
人には世間に対して自分をよりよく見せたいという願望があります。
実際の自分よりも強く賢く見える様に振る舞い、他人から良いイメージを持たれたり高い評価を受けて、その状態を維持しています。
この様な体裁や名誉、評価などを「面目」と言うのです。
「外面に表れている様子、風貌」の意味
面目にはその人が持っている顔つきや風貌、或いは顔ぶれという意味もあります。
実際に対象となる人の顔かたちに対して使われることもあるのです。
「面目」の語源
「面目」は元々仏教用語で「ものの命やその存在のありさま」という意味でした。
ここから存在するものの姿かたちや本質を表す意味になったのです。
また、「面」は「顔」という意味があり、人の第一印象を決める大切な部分です。
見た目や容姿でだいたいの人となりが分ることもあります。
ここから転じて「人に対する体裁」や「人からの評価」などを意味する様になりました。
「面目」の読み方
「面目」は「めんもく」「めんぼく」両方の読み方があります。
本来は「めんもく」でしたが、現在ではどちらの読み方でも間違いではありません。
「面目」の英語(解釈)
「面目」はシーンにより以下の様な英訳になります。
- 「disgrace」
- 「lose face」
- 「be ashamed」
「disgrace」
“disgrace”は「面目を失う」という意味で使われます。
“He disgraced himself by the mistake. ”で「彼はミスにより面目を失った」となります。
「lose face」
“lose face”は「顔を失う=面目を失う」という意味で、日本人にはなじみ易い表現です。
“He lost his face. ”で「彼は面目を失った」となります。
「be ashamed」
“bea shamed”は「恥かしい=面目ない」という意味で使われます。
“I am ashamed of myself. ”で「非常に面目ない」となります。
「面目」と「面子」の違い
「面目」とよく似た言葉に「面子」があります。
この2つの意味は同じで、辞書やネットでは言い換えとして使われていますが、微妙にニュアンスの違いがあります。
「面目」は周囲に対する自分の体裁や立場など、ステイタスになる評価を表しています。
「面子」は周囲に対するステイタスだけではなく、プライドという意味も含まれています。
「面目ない」とぼやくことはできますが、「面子ない」とは言わないことからも、「面子」の方がやや重みがあると思われます。
「面目」の言葉の使い方
「面目」の使い方で最も注意したいのが「面目ない」という言葉の使い方です。
ビジネスでトラブルがあった時に、上司や取引先に「面目ありません」と謝罪する人がいますが、これは間違いです。
「面目ない」の意味は「自分が恥ずかしいこと」「自分が相手に合わせる顔がないと思うこと」で、謝罪の意味はないのです。
謝罪をする時にはまず「申し訳ありませんでした」と言い、その後で状況説明の際に「誠に面目ありません」と言う様にしましょう。
「面目」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
「面目」を使った言葉を幾つか紹介します。
- 「面目躍如」【めんもくやくじょ】
- 「面目を施す」【めんもくをほどこす】
- 「面目を保つ」【めんもくをたもつ】
- 「面目を立てる」【めんもくをたてる】
- 「面目を潰す」【めんもくをつぶす】
「面目躍如」【めんもくやくじょ】
意味は「その人本来の持ち味や良い点が生かされている様子」です。
「躍如」は「いきいきとして目の前にあること」で、水を得た魚の様にその人が溌剌と輝いている様子を表しています。
「面目を施す」【めんもくをほどこす】
意味は「一生懸命努力をして評価や名誉を得たり、体裁を良くすること」です。
「施す」は「効果が出る様に作用させること」で、世間体を保つ為に自分からすすんで行動することを表しています。
「面目を保つ」【めんもくをたもつ】
意味は「期待された通りのことを成し遂げて、自分の評判や名誉を維持すること」です。
現在の自分の評価を落さない様に努力をする行為を表します。
「面目を立てる」【めんもくをたてる】
意味は「相手の体裁や名誉を傷つけない様にうまく取り計らうこと」です。
類語として「顔を立てる」という言葉があります。
「面目を潰す」【めんもくをつぶす】
意味は「名誉を傷つけたり、評価を落す様な振る舞いをすること」です。
自分のことではなく他人に対して使われる言葉です。
「面目」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「面目」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「面目」を使った例文1
- 「面目」を使った例文2
「面目」を使った例文1
「こんな初歩的なミスをして誠に面目ない」
簡単なミスをして周囲に迷惑をかけてしまいました。
友達同士ならばきちんと謝罪した後にこの様に言えば「気にするな」と言ってもらえることでしょう。
「面目」を使った例文2
「ここで頑張らないと面目が立たない」
相手から難しいことを要求されている場面ですが、今迄築いてきたキャリアや評価を下げない為にも一生懸命取り組もうとしている気持ちを表しています。
あくまで自分で思っているだけの評価ですが、やる気を起こすきっかけになっていることが伝わります。
「面目」の類語や類義表現
「面目」の類語は以下の通りです。
- 「肩身が狭い」【かたみがせまい】
- 「合わせる顔がない」【あわせるかおがない】
「肩身が狭い」【かたみがせまい】
意味は「世間や他の人に対して後ろめたい思いがあり、立場がないこと」です。
悪い噂が広まったり人から非難される様なことをした時に使われます。
「合わせる顔がない」【あわせるかおがない】
意味は「相手に対して後ろめたい思いがあり、その人に会えない状態になってしまうこと」です。
こちらは特定の人に対して怒らせたり悪いことをしてしまい、きまずくなってしまった時に使われます。
「面目」は自分の立場や体裁など、目に見えないステイタスを表す時に使います。
友人に対して申し訳ない、恥ずかしいと思った時に「面目ない」と言ってみるとクールに聞こえます。
上手に使いこなしせれば言いにくいことでもやんわりと言える様になるでしょう。