「意気阻喪」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
日本語には色々な種類の言葉がありますが、最近ではインターネットが普及してからSNSで使われるようなネットスラングやIT系を中心にカタカナ語まで広がっています。
しかし、日本語には、昔から伝わる中国からの思想や文化を反映した故事や四字熟語などもありますし、日本古来の大和言葉が現代まで続いているものまで実に様々な言葉が残っています。
これらのことわざや四字熟語は、物事を長い言葉で表現するより短い単語・熟語で伝えることができるメリットがあると思いますが、皆さんはどれくらいの熟語を知っているでしょうか?
よく聞くことのある四字熟語もあれば、全く聞いたことも見たこともない言葉もあるのではないでしょうか?
今回説明する「意気阻喪」という熟語もその1つではないかと思うのです。
ここでは、この言葉の意味や用例を挙げながら説明を進めていきますので、これを機会に熟語に対する関心を深めて頂きたいと思います。
目次
- 「意気阻喪」の意味とは?
- 「意気阻喪」を分解して解釈
- 「意気阻喪」の言葉の使い方
- 「意気阻喪」を使った例文・短文(解釈)
- 「意気阻喪」の英語
- 「意気阻喪」と「意気消沈」の違い
- 「意気阻喪」の類語
「意気阻喪」の意味とは?
「意気阻喪」という四字熟語は、日常生活の会話はおろか、ビジネスシーンでも使える人はほとんどいないと言ってもいいのではないでしょうか?
「意気阻喪」という言葉の意味は、「意気込みがくじけ弱ること」ということを指していますが、「昨日のバスケットボールの試合に敗れたことで、チーム全員は意気阻喪してしまった」というような場面で使うことができる四字熟語です。
「意気阻喪」に「意気込みがくじけ弱ること」という意味があることを理解できれば、日常的な場面で使える機会は結構あるものですが、逆に言葉の意味を知らないと全く利用する意識はありませんね。
- 「意気阻喪」の読み方
「意気阻喪」の読み方
「意気阻喪」は、「いきそそう」と読みますが、「阻喪(そそう)」の部分はかなり難しい読み方になるので、ここできちんとチェックしておくことにしましょう。
「意気阻喪」を分解して解釈
では、「意気阻喪」を「意気」と「阻喪」の2つの言葉に分解して個々の意味を見ていくことにしましょう。
- 「意気」
- 「阻喪」
「意気」
「意気」とは、「積極的な気持ちや心持ち」のことを言っていますが、「人生意気に感じる」、「大いに意気が上がる」というような場合に用いられます。
特に「意気揚々」という表現をよく聞くことがあるかもしれませんが、「得意で元気のあふれている様子」や、「得意げで威勢が良い」、「いかにも誇らしげに振る舞う」というような意味合いで使われています。
「阻喪」
「阻喪」とは、「気力がくじけ、勢いがなくなること」という意味となりますが、「阻」は「沮」と書くこともあり、「士気が阻喪する」といった形で使われます。
気力を表している「意気」と士気が低下している「阻喪」が組み合わさることで、「意気込みがくじけ弱ること」ということになります。
「意気阻喪」の言葉の使い方
「意気阻喪」という言葉は、めったに使うことがないのですが、「気力がくじけてやる気が低下する」ような場面はかなりあるので、試合に負けた時などで当てはめることができるでしょう。
「意気阻喪」を使った例文・短文(解釈)
では、ここから「意気阻喪」を使えそうな場面を想定した例文を見ていくこにしますので、自分の身近な場面も連想して理解を深めて頂きたいと思います。
- 「意気阻喪」の例文1
- 「意気阻喪」の例文2
- 「意気阻喪」の例文3
「意気阻喪」の例文1
「昨日の練習試合で敗れてしまい、全国大会の前に部員全員が意気阻喪してしまった」
全国大会の試合に突入する前に、何処かのチームと練習試合をしたのでしょう。
しかし、その練習試合で負けてしまったことで、本番である全国大会の前に部員全員のモチベーションが低下してしまったのですが、非常にまずい状態で早急に士気を高める必要があります。
「意気阻喪」の例文2
「悪霊は憑いたように意気阻喪する者が続出して、周りの空気がどんよりとした雰囲気になってしまった」
どのような場面か分かりませんが、まるでゾンビのように周囲の人間が暗くどんよりとしょげ返ったような感じにでもなったのでしょうか?
「意気阻喪」の例文3
「大学受験を目の前にして、全国模試の結果を見て意気阻喪している教え子だった」
大学受験の前に全国模試を受けて、自分の実力を再確認することがありますが、結果が予想外に悪かったために、やる気を削がれてしまったのかもしれません。
しかし、ここでショックを受ける必要はなく、むしろ頑張ることで、盛り返す必要があります。
「意気阻喪」の英語
「意気阻喪」を英語で表現すると、“rejection”、“despondency”、“heartsickness”、“despondence”、“disconsolateness”、“depression”などの言葉が挙げられます。
「意気阻喪」と「意気消沈」の違い
「意気阻喪」と似たような言葉に「意気消沈」がありますが、どのような違いがあるでしょうか?「意気阻喪」は「意気込みがなくなること」という側面に重点が置かれていることに対して、「意気消沈」は、「感情的に落ち込んだりふさぎ込でしまうこと」のウエートが高いと思われます。
とは言うものの、「意気込みが失われること」という意味は共通した観念です。
「意気阻喪」の類語
では、ここで「意気阻喪」に似ている意味を持つ類義語を見ていくことにします。
- 「意気消沈(いきしょうちん)」
- 「垂頭喪気(すいとうそうき)」
「意気消沈(いきしょうちん)」
前述の通り、「意気消沈」が「意気阻喪」の類義語として挙げられますが、言葉の意味は、「元気をなくすこと」や「しょげかえること」となります。
特に「消沈」自体に「気力などが衰えること」という意味が含まれていますので、「意気消沈」全体で「かなり気力をなくすさま」が、色濃く出ていることが理解できるでしょう。
また、「意気阻喪」より「意気消沈」の方が、使われる頻度の高いことが実情です。
「垂頭喪気(すいとうそうき)」
「すいとうそうき」という少し難しい読み方になりますが、「垂頭喪気」も「意気阻喪」の同義語として挙げることができます。
「元気をなくしてしょげかえり、がっかりすること」という意味がありますが、「垂頭」とは「頭を低くたれること」、「喪気」は「元気がなくなること」という意味から、熟語として「がっかりする」という意味になってきます。
「意気阻喪」という言葉を調べてみると、人は感情の持ち方あり方で、行動が大きく左右されてしまうかということが、見えてきそうです。
特に仕事をしている人にとっては、モチベーションを維持させることが日々のビジネス活動を円滑に進める上で、大切なことです。