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「逼迫」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

課題の締切が近いなど、追い詰められているときに、実力以上の力が出せる、なんていう人もいれば、本番に弱い、という人もいます。

ここでは、「逼迫」という言葉について紹介していますので、「逼迫」ってなんだっけ、知っているけど説明できるほどではない、という方はぜひご覧ください。

逼迫

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「逼迫」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「逼迫」の意味とは?
  • 「逼迫」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「逼迫」の言葉の使い方
  • 「逼迫」を使った例文
  • 「逼迫」の英語
  • 「逼迫」の対義語
  • 「逼迫」と「切迫」の違い


「逼迫」の意味とは?

「逼迫」の意味とは?

「逼迫」とは、情勢が差し迫っていること、追い詰められていてゆとり、余裕がないこと、行き詰まること、もしくは、苦痛や困難、危機などが身に迫っている状態を指すことばです。

八月三十一日になって、夏休みの宿題が手つけずだ、という状況を経験されたことがある、そういう友人がいた、子どもがその状況だ、という方々には、「逼迫」ということばがとてもわかりやすく理解できるのではないでしょうか。

  • 「逼迫」の読み方

「逼迫」の読み方

「ひっぱく」と読みます。

「逼」の漢字には、「ヒツ」「ヒョク」「せま-る」といった読みがあり、「逼迫」では、せまる、さしせまる、近づく、といった意味あいで使われています。

ほかに、せばまる、ちぢまる、といった意味もあり、「逼塞(ひっそく)」などのことばがあります。

「迫」の漢字には、「ハク」「せま-る」「せ-く」といった読みがあり、「逼迫」では「逼」の字と同様、せまる、さしせまる、近づく、という意味で使われています。

ほかに、「迫害」「脅迫」といったことばに使われているように、追い詰める、苦しめる、というような意味があります。

「逼迫」には苦痛や危難が身に迫っている、という意味もあるのは、「迫」という漢字の持つ意味あいからもわかります。



「逼迫」の類語や言い換え・似た言葉

「逼迫」の類語や言い換え・似た言葉

急なこと、一刻を争う、急を要する、差し迫る、といった意味を持つことばが、「逼迫」の類語表現にふさわしいでしょう。

具体的にいくらか紹介していきます。

一つの言葉でも複数の意味がある場合には、そのどちらの意味に近い言葉、類語なのかを考えると、頭の中で整理され、うまく使いこなせそうですね。

  • 「緊急」【きんきゅう】
  • 「火急」【かきゅう】
  • 「焦眉」【しょうび】

「緊急」【きんきゅう】

「きんきゅう」と読みます。

近年は緊急地震速報などでも聞かれますし、緊急事態、緊急時などの言葉は多くの方が耳にしたことがあるかと思います。

「緊急」とは、起こっていることが重大で、即座の対応が求められること、対策が急がれること、といった意味の言葉です。

身体など苦痛、危難に対する「逼迫」や、命にかかわる「緊急」は、かなり似た意味あいで使われます。

「火急」【かきゅう】

「火急の事態」「火急の要件」などと使われますが、火事が起こっているわけではありません。

「火急」とは、火が燃え広がるように、急であることや、一分一秒を争う急ぎのものごとに対して使われます。

状況が差し迫っている、という点で、「逼迫」と似たことばといえます。

「焦眉」【しょうび】

「火急」も火の燃えるようすからできた言葉でしたが、こちらも、眉毛が焦げてしまうほどに火が近づいている、というところから転じて、危険が迫っていることや、ものごとが差し迫っていることを意味します。

二つの意味あいのどちらもが「逼迫」と似た意味を示しますので、かなりよく似ている類語表現といえるでしょう。

「逼迫」の言葉の使い方

「逼迫」の言葉の使い方

「金融逼迫」などのように名詞的に使われることもあれば、「逼迫する」「逼迫した」のように動詞的に使われることもあります。

身の危険という意味でも使うことができる言葉ではありますが、どちらかというと、生活をしていくうえでの困難や貧窮などに対して使われることのほうが多い印象があります。



「逼迫」を使った例文

「逼迫」を使った例文

では例文を見ていきましょう。

さきほど述べたとおり、心や生活にゆとりがなく、行き詰まっているさまを表す例文をいくつか紹介しておきますので、参考にしてください。

締切までの時間が限られているようなときにも、心にゆとりがなくなり、「逼迫」していることになりますので、どういったときに「逼迫」した状況だと感じるのかもあわせて考えてみましょう。

  • 「逼迫」の例文1
  • 「逼迫」の例文2
  • 「逼迫」の例文3

「逼迫」の例文1

「まだ水は出る、と蛇口をひねってたしかめたとき、いかに自分の生活が逼迫しているかに気づいた」

若くお金にゆとりがないときなどには、生活苦を経験する人も多いかと思います。

お金がない代わりに、体力面、気力面、将来への希望など、若いからこそ持ちうるものもあるのだと、そのときは気づかないかもしれません。

そんなとき、我が身の貧窮を思い、「逼迫」していると感じることがあるかもしれません。

「逼迫」の例文2

「二国間の情勢は逼迫していたが、第三者国があいだに入ることで、いくらか穏やかになったように見える」

今度は個人の問題ではなく、国と国のあいだでの「逼迫」です。

これは、軍事行動に出るなど、国同士の情勢が差し迫っていることを示します。

譲りあい、支えあいの精神で、お互いにゆとりをもって助けあえれば、そんなにいいことはありませんが、貧困や宗教上の原因、民族間のしがらみなど、さまざまな理由から紛争や争いが絶えないのも事実でしょう。

「逼迫」の例文3

「人手不足により、もともと忙しかった職場の状況は逼迫している」

平成三十年の流行語にノミネートされましたが、時短ハラスメントなどというものもある世の中です。

それだけ人手が足りないのでしょうか。

そのような会社、勤務地では、働いている方は毎日、「逼迫」した中で務められている可能性があります。

「逼迫」の英語

「逼迫」の英語

財政に関する「逼迫」では、“pressure for money”や、“tightness of money”が使われます。

情勢に関する「逼迫」では、“The situation is pressing. ”や、“impending”などが使われます。

ほかにも、“stringent”“strained”などの単語を覚えておくと便利でしょう。

英語の場合には、文脈からどの単語を使うのがいいか考えたり、時制によって単語の形なども変わりますので、注意しておきましょう。

「逼迫」の対義語

「逼迫」の対義語

「緩和」「弛緩」「ゆとり」「余裕」などの、差し迫った事態がないこと、また、なくなっていくことを意味する言葉が、「逼迫」の対義語にあたるでしょう。

また、動きがない、という意味で、「停滞」なども対義語といえるでしょう。

ほかにも、これらのような意味を持つ言葉は「逼迫」の対義語となりうるものもあるでしょう。

「逼迫」と「切迫」の違い

「逼迫」と「切迫」の違い

「切迫」とは、非情に差し迫ること、期日など時が近づくこと、事件や危険が今にも起こりそうになり、緊張していること、といった、「逼迫」に似た意味のほかに、脈拍などが小刻みに速くなること、という意味を持っています。

どちらも非情に差し迫っている、という点では変わりないようですが、「切迫」「逼迫」のように、心にゆとりがない、という意味あいはあまりないようです。

「電車の発車時刻が切迫している」というように、機械的なニュアンスもあり、「電車の発車時刻が逼迫している」とはいいません。

「逼」の字は現在、マスコミや公文書には使われない文字になっているようですので、「切迫」という書き方で見る機会が多いでしょう。

icon まとめ

「逼迫」とは、差し迫っていることなどを意味することばだとわかりました。

ある程度は「切迫」でこと足りそうですが、「逼迫」している、というと、ずいぶん大変なんだ、と相手に伝わることもあると思いますので、知っておかれると役に立つときもあるかもしれません。

「逼迫」した状況の中でも、逆境に打ち勝てるだけの精神力や、支えてくれる仲間がいれば、さまざまなものごとを成し遂げられそうですね。