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「君子危うきに近寄らず」の意味・読み方・類語【使い方や例文】

「君子危うきに近寄らず」の意味や類語を紹介します。

さらに「君子危うきに近寄らず」の使い方や例文を紹介して行きます。

君子危うきに近寄らず

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「君子危うきに近寄らず」の意味・読み方・類語【使い方や例文】>


目次

  • 「君子危うきに近寄らず」の意味とは?
  • 「君子危うきに近寄らず」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「君子危うきに近寄らず」の言葉の使い方
  • 「君子危うきに近寄らず」を使った例文
  • 「君子危うきに近寄らず」は褒め言葉?


「君子危うきに近寄らず」の意味とは?

「君子危うきに近寄らず」の意味とは?

「君子危うきに近寄らず」という言葉を知っているでしょうか。

有名な言葉ですので、知っているという人も多いと思います。

一方で、まだ知らないという人もたくさんいるでしょう。

「君子危うきに近寄らず」という言葉には、人生を生きて行く上で役立つ教訓が込められています。

知っていると、これまで以上に人生を渡りやすくなるかもしれません。

そこで、すべての人の役に立つ言葉、「君子危うきに近寄らず」の読み方と意味を紹介します。

  • 「君子危うきに近寄らず」の読み方
  • 「君子危うきに近寄らず」の意味

「君子危うきに近寄らず」の読み方

「君子危うきに近寄らず」「くんしあやうきにちかよらず」と読みます。

「君子」「くんし」「危うきに」「あやうきに」「近寄らず」「ちかよらず」と、それぞれ読みます。

特に「君子」「きみこ」などと、読み間違えをしやすい言葉ですので、間違えずに読めるようになりましょう。

「君子危うきに近寄らず」の意味

「君子危うきに近寄らず」にはどのような意味があるでしょうか。

まずこの言葉を考えた人は、「論語」などに数々の言葉を残した「孔子」だと言われています。

もちろん諸説あり、本当に孔子の言葉かどうかはハッキリしませんが、孔子の言葉かもしれないという事を知っておいて損はないでしょう。

「君子」は人格がすぐれている頭のいい人の事です。

「危うきに」とは「危険な場所」という意味があります。

「君子危うきに近寄らず」には、「人格が優れている人は、危険な場所に自分から近寄ったりしない」という意味があります。

教養がある人は、わざわざ危険だと思えるような場所に行き、危険な目に遭うようなリスクを避けるという意味で、これは現在にも通用する言葉かもしれません。



「君子危うきに近寄らず」の類語や言い換え・似た言葉

「君子危うきに近寄らず」の類語や言い換え・似た言葉

次に、「君子危うきに近寄らず」の類語や言い換えられる似た意味の言葉を紹介します。

「君子危うきに近寄らず」と似た意味の言葉には、どのようなものがあるでしょうか。

  • 「李下に冠を正さず」【りかにかんむりをたださず】
  • 「石橋を叩いて渡る」【いしばしをたたいてわたる】
  • 「安全第一」【あんぜんだいいち】

「李下に冠を正さず」【りかにかんむりをたださず】

「李下に冠を正さず」という言葉があります。

「李下」とは、桃の木の下という意味があり、「李下に冠を正さず」には、桃のなる木の下で、冠を触ると、まるで桃を盗んで、冠の中に入れて隠しているように見えるという意味があります。

つまり、「誤解を受けるような行動を慎みましょう」という意味の言葉です。

例えば満員電車の中で、男性がごそごそと不審な動きをすれば、痴漢を疑われてしまいかねません。

また、スーパーマーケットの中で、バッグの中身を出し入れしたら万引きのように見えてしまいます。

「李下に冠を正さず」は、このような行動を慎むようにしましょうという教えが込められています。

「石橋を叩いて渡る」【いしばしをたたいてわたる】

「石橋を叩いて渡る」という言葉も、「君子危うきに近寄らず」と、同じ系統の言葉です。

本来頑丈な石橋ですから、渡る時に心配する必要はないのですが、木槌などで叩いて、安全かどうかを確かめながら渡る人の様子がイメージできます。

「用心に用心を重ねましょう」という意味が込められた言葉です。

絶対に大丈夫だと思える仕事でも、きちんと詳細を確かめないと、思わぬミスをしてしまう可能性があります。

絶対につぶれないと思って入社した会社が倒産する事も、ないとは言い切れません。

どんなに安全に見える場面でも、用心するのに越した事がないという意味が、「石橋を叩いて渡る」には込められています。

「安全第一」【あんぜんだいいち】

「君子危うきに近寄らず」という言葉は、「安全第一」という言葉に言い換える事ができるかもしれません。

何かをするにあたり、最優先すべきが「安全」という場合、「安全第一」というスローガンを使う事になります。

「君子危うきに近寄らず」という言葉にも、安全を優先する気持ちを見る事ができます。

「君子危うきに近寄らず」の言葉の使い方

「君子危うきに近寄らず」の言葉の使い方

「君子危うきに近寄らず」という言葉をどのような場面で使えばいいでしょうか。

「君子危うきに近寄らず」には、教養があり、人格がしっかりした人は、自分から危険な場所に行ったりはしないという意味があります。

例えば、悪い人が集まるような場所や、酔っ払いが多い繁華街などに行くと、誰かに絡まれたり、暴力沙汰に巻き込まれるようなリスクがあります。

そこで、誰かが危ない場所に行きそうになった時に、「君子危うきに近寄らず」という言葉を掛けてみてはいかがでしょうか。

「頭がいい人は、事前にリスクを回避する事ができるよ」と教えてあげましょう。

また自分が危険だと思われる場所に行きたくなった時に、「君子危うきに近寄らず」という言葉を思い出してみましょう。

行きたい気持ちを押さえる事ができるかもしれません。



「君子危うきに近寄らず」を使った例文

「君子危うきに近寄らず」を使った例文

続いて「君子危うきに近寄らず」という言葉を使った、例文を紹介します。

いくつかの場面における、「君子危うきに近寄らず」を使った例文を見ることで、この言葉の使い方が分かりやすくなるかもしれません。

  • 例文1
  • 例文2

例文1

ビジネスシーンにおける、「君子危うきに近寄らず」を使った例文を紹介します。

「○○社と提携か…。

しかし○○社は、あまりいい噂を聞かない会社だ。

『君子危うきに近寄らず』というし、今回の提携話は見送ろう」
「この会社に仕事を依頼するのはどうかな。

『君子危うきに近寄らず』だ。

納期に遅れそうな会社に仕事を依頼するのはよそう」
「このタレントをCMに起用するのは論外だ。

彼には逮捕歴があるからだ。

『君子危うきに近寄らず』というだろう」
という感じです。

CMを依頼したタレントが不祥事を起こすと、会社のイメージも悪くなる可能性がありますので注意が必要です。

例文2

日常生活における「君子危うきに近寄らず」を使った例文を紹介します。

「この通りをショートカットすれば早く家に着く。

しかし道が暗くて不気味だな。

『君子危うきに近寄らず』というし、いつもの大通りを使って家に帰ろう」
「コンビニの前に、怖いお兄さんたちがたむろしている。

『君子危うきに近寄らず』というし、もっと先のコンビニで夜食を買おう」
などです。

暗い道、怖い雰囲気の人がたむろしている場所は、例え遠回りになったとしても、「君子危うきに近寄らず」の精神で行けば、避けた方が無難でしょう。

「君子危うきに近寄らず」は褒め言葉?

「君子危うきに近寄らず」は褒め言葉?

「君子危うきに近寄らず」という言葉を誰かに掛けられた時、それは「褒め言葉」なのでしょうか。

もしかしたら「リスクを冒さない嫌な奴」と嫌味を言われているのかもしれません。

例えば「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という言葉があり、トラの子供が欲しかったら、トラの住処に入るしかない…つまりリターンが欲しければ、リスクを負うしかないという意味があります。

誰もが「君子危うきに近寄らず」と思っているわけではないというのが、ポイントになります。

実際に「もっとリスクを背負って攻めろ」という上司もいるかもしれません。

それでも、「君子危うきに近寄らず」という言葉には、力があり、無視できない言葉です。

人生を生きる時、仕事をする時に、「君子危うきに近寄らず」という言葉が役に立つ事があるでしょう。

icon まとめ

「君子危うきに近寄らず」という言葉の意味や使い方を見てきました。

リスクを冒したいという気持ちになった時に、「君子危うきに近寄らず」という言葉を思い出して、一度冷静になってみるのもおすすめです。

人生に「君子危うきに近寄らず」という言葉を役立てましょう。