「李下に冠を正さず」の意味とは!類語や例文など詳しく解釈
「李下に冠を正さず」ということわざには一体どの様な意味があるのでしょうか。
語源や使い方なども併せて紹介します。
目次
- 「李下に冠を正さず」の意味
- 「李下に冠を正さず」の表現の使い方
- 「李下に冠を正さず」を使った例文と意味を解釈
- 「李下に冠を正さず」の類語や類義語
「李下に冠を正さず」の意味
「李下に冠を正さず」の意味は「自分の行動に注意と責任を持ち、人から疑われる様なことをしてはならないという教訓」です。
例え悪いことをしていなくても、紛らわしい行動をすると疑われ信頼をなくしてしまうことを言います。
責任のある立場の人程身を引き締めて勤める様にするべきであるという戒めます。
- 「李下に冠を正さず」の読み方
- 「李下に冠を正さず」の由来
「李下に冠を正さず」の読み方
「李下に冠を正さず」の読み方は、「りかにかんむりをたださず」になります。
ことわざですのでこのまま覚えてしまいましょう。
「李下に冠を正さず」の由来
「李下に冠を正さず」は、中国の歴史的詩編に記載されている「君子行」の一節からきています。
「李下」とは、「李(すもも)の木の下」という意味で、「李」は中国の代表的な花木です。
李の木の下にいる時に、冠をかぶり直そうとして両手を挙げると、まるで李の実を盗んでいる様に見えてしまい、誤解されるのでするべきではない、という教訓です。
儒教の教えとして「礼節を重んじること」があり、服装の乱れは許されないことでした。
冠が曲がっているのは無礼と見なされていたのですが、いらぬ誤解を招く恐れがある時にはあえてそのままで良いと言っています。
当時身分の高い人や公職に就いている人に対する戒めの言葉として用いられました。
「李下に冠を正さず」の表現の使い方
「李下に冠を正さず」の表現の使い方を紹介します。
- 文法的な使い方
- 自分より目下の人に対して使う
文法的な使い方
「李下に冠を正さず」はことわざですので、「李下に冠を正さずと言う様に」として使われることが多くなります。
「正しく」が付く時には助動詞を伴って「正しく李下に冠を正さずだ・である」となります。
自分より目下の人に対して使う
「李下に冠を正さず」は、人に対する教訓として使われる言葉です。
目上の人に対して使うと失礼に当たるので注意しましょう。
「李下に冠を正さず」を使った例文と意味を解釈
「李下に冠を正さず」を使った例文とその意味を解釈していきます。
- 「李下に冠を正さず」を使った例文1
- 「李下に冠を正さず」を使った例文2
「李下に冠を正さず」を使った例文1
「休日出勤は『李下に冠を正さず』なので、必ず責任者も出勤しなければならない」
休日に一人で出勤すると、何か不正なことをしていると疑われるので、先輩や上司も出勤することが義務付けられています。
「李下に冠を正さず」を使った例文2
「データや書類を持ち帰るのは『李下に冠を正さず』なのでやめた方がいい」
自宅にデータや書類を持ち帰る行為は、不正行為を疑われるのでやめた方がいいと言っています。
「李下に冠を正さず」の類語や類義語
「李下に冠を正さず」の類語や類義語を紹介します。
- 「瓜田に履を納れず」【かでんにくつをいれず】
- 「火の無い所に煙は立たぬ」【ひのないところにけむりはたたぬ】
「瓜田に履を納れず」【かでんにくつをいれず】
「誤解される様な行動はしないこと」という意味で、「瓜(うり)畑で靴が脱げても、かがんで履き直すと瓜泥棒と間違われてしまうので避けるべき」という意味からきています。
「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」とセットで使われることもあります。
「火の無い所に煙は立たぬ」【ひのないところにけむりはたたぬ】
「なにも根拠がなければうわさが立つはずはない」という意味です。
「李下に冠を正さず」は「自分の行動に注意と責任を持ち、人から疑われる様なことをしてはならないという教訓」です。
ビジネスで使いこなせる様になりましょう。