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「韜晦」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

「韜晦」とは、「自分の本心・才能・地位・実力などを隠して表には出さないこと」などを示す言葉です。

「韜晦」「意味・類語・言い換え・使い方・例文・英語・語源・言葉」などについて、詳しく説明していきます。

韜晦

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目次

  • 「韜晦」の意味とは?
  • 「韜晦」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「韜晦」の言葉の使い方
  • 「韜晦」を使った例文
  • 「韜晦」の英語
  • 「韜晦」の語源
  • 「韜晦」を使った言葉と意味の解説


「韜晦」の意味とは?

「韜晦」の意味とは?

「韜晦」という言葉は、「自分の本心・才覚・地位・実力・魅力などを包み隠して表には出さないこと」「自分の優れた能力や才能を世の中(他者)に見せないように隠していること」を意味しています。

「韜晦」は一般的に「自分の内面・能力を隠すこと」を意味しますが、それだけではなく「自分の外見・姿を晦ます(くらます)こと」も意味しています。

「自分の外見・姿を晦ます(くらます)こと」の意味合いで韜晦を使う場合には、「失踪・蒸発・出奔」などに近いニュアンスが出てきます。

韜晦という言葉には、「謙遜・遠慮・作為(意図)」などによって自分の本心や才能、実力、地位(名誉)などを人目から隠しているという意味合いがあり、「本当は凄い能力・資質を持った人物」が普段はその能力を隠している時に用いられる言葉なのです。

  • 「韜晦」の読み方

「韜晦」の読み方

「韜晦」の読み方は、「とうかい」になります。



「韜晦」の類語や言い換え・似た言葉

「韜晦」の類語や言い換え・似た言葉

「韜晦」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「韜晦」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。

  • 「能ある鷹は爪を隠す」【のうあるたかはつめをかくす】
  • 「秘匿」【ひとく】
  • 「出奔」【しゅっぽん】

「能ある鷹は爪を隠す」【のうあるたかはつめをかくす】

「韜晦」の類語・言い換えとして、「能ある鷹は爪を隠す」があります。

「能ある鷹は爪を隠す」という諺(ことわざ)の意味は、「本当は素晴らしい能力や才覚、実績を持っている人物が普段はその長所・得意を隠している」ということになります。

「能ある鷹は爪を隠す」には、謙遜や遠慮、慎み深さによって自分の本当の才能・利点を人目から隠しているという意味があるので、自分の能力や資質を包み隠す「韜晦」の類語として考えることができるでしょう。

「秘匿」【ひとく】

「韜晦」の類語・言い換えとして、「秘匿・隠す」があります。

「秘匿」の意味は、「秘密にして人目・世間から見えないように隠すこと」になります。

「隠す」の意味は、そのまま「人から見えないようにすること・人が分からないようにすること」になります。

「韜晦」の言葉の意味は、「自分の本心・才能・実績・地位などを人から隠すこと」「自分の本当の実力や姿が分からないように秘密にすること」です。

そのため、「韜晦」という言葉は、「秘匿・隠す」という言葉に言い換えることができるのです。

「出奔」【しゅっぽん】

「韜晦」の類語・似た言葉として、「逐電(ちくでん)・出奔(しゅっぽん)」があります。

「逐電」という言葉には、「雷・稲妻(いなずま)を追いかけるという原義」から「敏速に行動すること・素早く逃げ出して行方をくらますこと」の意味があります。

「出奔」という言葉の意味は、「逃げ出して行方を晦ますこと」になります。

「韜晦」という言葉の意味には、「物理的に自分の姿を晦ますこと+自分の身体を隠すこと」の意味もあるので、「韜晦」に似た言葉として「逐電・出奔」を上げることができるでしょう。

「韜晦」の言葉の使い方

「韜晦」の言葉の使い方

「韜晦」の言葉の使い方は、「自分の能力・学識・本心・才覚・地位・魅力」などを包み隠していて、簡単には他人(世の中)に見せない人に対して使うというものです。

自分の才覚や知識、本心、地位を人に見せない代表的な理由としては、「謙遜・遠慮・慎み深さ・厭世・隠居(隠棲)・気弱(小心)・計画性(作為・計略)」などを考えることができます。

韜晦という言葉は一般的に「能ある鷹は爪を隠す」で、自分の優れた能力や知性、地位などを隠す時に使われることが多いのですが、「内面を隠す場合」だけではなく「身体・外見を隠す場合」にも使うことができます。

物理的に身を隠したり姿を晦ましたりする時にも、「韜晦」という言葉を使用できます。



「韜晦」を使った例文

「韜晦」を使った例文

「韜晦」を使った例文には、以下のようなものがあります。

  • 「韜晦」の例文1
  • 「韜晦」の例文2
  • 「韜晦」の例文3

「韜晦」の例文1

人里離れて静かに韜晦していた天才軍師の諸葛亮孔明は、劉備の「三顧の礼」を受けてその軍略の才覚を縦横無尽に発揮することになった。

「韜晦」の例文2

自己韜晦していたずらに謙遜してばかりでは、現代の厳しい競争社会をサバイバルしていくことはできない、もっと自分の強みや長所を全面に押し出して下さい。

「韜晦」の例文3

彼女は英語・フランス語・ドイツ語の達人で相当に実践的な語学力があるのですが、韜晦趣味が強いので自分から「外国語ができる」という自己アピールをしてくることはありません。

「韜晦」の英語

「韜晦」の英語

「韜晦(とうかい)」を英語で表現すると、“conceal oneself”になります。

“conceal oneself”(コンシール・ワンセルフ)というのは、自分自身の才能や本心を包み隠すこと、姿を隠して晦ます(くらます)ことを意味しています。

“conceal”“concealer”(コンシーラー)とすると、女性の肌の黒ずみやくすみなどを隠すために効果的に使用することができます化粧品の一種のことを意味する言葉になります。

「韜晦」の語源

「韜晦」の語源

「韜晦」の語源は、古代中国の兵法書や戦術にあると推測されていますが、「三国志」にも劉備が自分の才覚や胆力を曹操に隠すために雷に怖がってみせた「韜晦の計」などがあります。

古代中国の「六韜三晦(りくとうさんりゃく)」という兵法書には、「目くらまし・伏兵の計略」の意味合いで韜晦の言葉が使われています。

「韜晦」「韜」という漢字は、「臼(うす)の中から物を取り出す形」から生まれたとされ、「中にしまい込んで隠す」の意味があります。

「韜」は訓読みすると「かくす・つつむ・ゆごて(弓を入れる袋)」と読むことができます。

「晦」という漢字には「姿をくらます・人に知られないようにする」という意味があり、「韜晦」「自分の内面・能力・姿などを包み隠すこと」という意味合いを持つ言葉になったのです。

「韜晦」を使った言葉と意味の解説

「韜晦」を使った言葉と意味の解説

「韜晦」を使った言葉とその意味を分かりやすく解説していきます。

  • 「韜晦する微笑み」
  • 「韜晦に走る」
  • 「自己韜晦」

「韜晦する微笑み」

「韜晦する微笑み」とは、「自分自身の本心を包み隠すような微妙な笑い」「自分自身の能力・魅力などを押し隠すようなアンニュイな笑い」のことを意味しています。

「韜晦」という言葉には「自分の才能・学識・本心・意図を人から隠すこと」の意味があり、「韜晦する微笑み」「自分の本心・意図・考えを隠すようなアンニュイな笑い」「自己顕示的ではない自分の才覚を押し隠すような微笑」を意味することになります。

「韜晦する微笑み」を相手が浮かべている時には、「その人がどういった気持ちでいるのかが分かりにくい」「遠慮がちで謙虚な性格の雰囲気を持っている」といった印象を抱きやすくなるでしょう。

「韜晦に走る」

「韜晦に走る」は、「自己顕示(自己アピール)」ではなくて「自己韜晦(自分を隠すこと)」の方向に進むことを意味する言葉です。

韜晦・自己韜晦とは「自分自身の長所になる才能・学識・地位などを包み隠して人に見えないようにすること」ですが、「韜晦に走る」は自分自身の長所や魅力を人に見せずに、人から隠す方向で行動することを意味しています。

遠慮・謙虚さ(慎み深さ)、静かな日常の希望、自信の無さなどによって、人は韜晦に走ることがあるのです。

「自己韜晦」

「自己韜晦」は、「韜晦」という言葉について「自分の内面・外見を隠すというニュアンス」を強めたもので意味はほぼ同じになります。

「自己韜晦」というのは、「自分自身の才能・地位・本心など包み隠して表に出さないこと、人に知られないようにすること」を意味する言葉なのです。

自己韜晦は、「自己を韜晦すること=自分自身の能力・学識・外見などを隠すこと」を意味しています。

icon まとめ

「韜晦」という言葉について徹底的に解説しましたが、韜晦には「自分の本心・才能・地位・実力などを隠して人に見せていないこと」「身を隠すこと・姿を晦ます(くらます)ことなど」の意味があります。

「韜晦」の類語・言い換え・似た言葉としては「能ある鷹は爪を隠す」「秘匿・隠す」「逐電・出奔」などがあります。

「韜晦」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。