「跋扈」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「跋扈」の意味や読み方を紹介します。
さらに「跋扈」の類語や使い方、「跋扈」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「跋扈」の意味とは?
- 「跋扈」の類語や言い換え・似た言葉
- 「跋扈」の言葉の使い方
- 「跋扈」を使った例文
- 「跳梁跋扈」とは?
「跋扈」の意味とは?
「跋扈」という言葉を見たことがあるでしょうか。
見るからに難しい漢字なので、読む事すらできない人がほとんどかもしれません。
このように難読漢字の問題に登場しそうな「跋扈」の、読み方や言葉の意味を紹介します。
- 「跋扈」の読み方
- 「跋扈」の意味
「跋扈」の読み方
「跋扈」は「ばっこ」と読みます。
「跋扈」の「跋」は「ばっ」と読み、踏むという意味があります。
また「扈」は「こ」と読み、魚をとる竹籠という意味の言葉です。
「跋扈」はなかなか魚が籠にはいらず、踊り跳ねる様子を意味する言葉になっています。
まずは「跋扈」を「ばっこ」と読む事を知っておきましょう。
さらにウンチクとして難読漢字の「跋扈」を書けるようになると、周囲の人に自慢する事ができるかもしれません。
「跋扈」の意味
「跋扈」という言葉を見た時に、何となく「怖い」「おどろおどろしい」と感じるかもしれません。
実はその感覚は正しく、「跋扈」には、「悪いものが思い通りにのさばる」という意味があります。
例えば悪徳業者が栄えるような時は「悪徳業者が跋扈する」という表現になります。
現実の世界にも、ひどい人がのさばっていたり、わがもの顔で振る舞っているシーンに出くわす事があるかもしれません。
このような時に「跋扈」を思い浮かべると良いでしょう。
「跋扈」には、「悪いものが思い通りのさばる」「悪いものが、わがもの顔で振る舞う」という意味があります。
「跋扈」の類語や言い換え・似た言葉
「跋扈」の類語や、言い換えられる似た意味の言葉を紹介します。
どのような言葉が「跋扈」と横並びになるような、似た言葉なのかをチェックしてみましょう。
- 「横行」【おうこう】
- 「猖獗」【しょうけつ】
- 「蔓延る」【はびこる】
「横行」【おうこう】
「横行」という言葉があります。
「横行」は「悪事が幅を利かせている事」「悪事がのさばっている事」を意味します。
「跋扈」は「悪い人」がのさばっている様子を言葉にしたものですが、「横行」は、「悪事」がのさばっている様子を言葉にしたものです。
「この国は汚職が横行している」など、悪い事が平然と行われているような時に、「横行」という言葉を使う事ができます。
「猖獗」【しょうけつ】
「猖獗」はとても難しい漢字が使われている事、おどろおどろしい雰囲気が漂っている事など、「跋扈」と共通点が多い言葉です。
「猖獗」は、悪いものが手を付けられないくらい蔓延る事を意味します。
「海賊が猖獗している」という場合は、もうどうする事もできないくらい、海に海賊があふれている様子が見てとれます。
映画のヒーローものなどの冒頭では、悪いものが「猖獗」しているシーンが描かれる傾向にあります。
「蔓延る」【はびこる】
「蔓延る」には、悪いものが勢いづく様子、一面に広がる様子などを言葉にしたものです。
悪人や悪者以外でも、「悪い病気が蔓延る」という使われ方をします。
このように「跋扈」だけではなく、悪いものがのさばる意味を持つ言葉がたくさんある事に驚かされます。
これらの言葉が生まれた中国の様々な時代では、悪いものがのさばり、市民に迷惑を掛けていたのかもしれません。
「跋扈」の言葉の使い方
「跋扈」という言葉をどのような場面で使えばいいでしょうか。
「跋扈」には「悪いものが思うままに振る舞う」という意味があります。
そこで、「悪いもの」が「のさばっている」場面を見た時に「跋扈」という言葉を使ってみましょう。
例えば同じ会社の同僚にも、「悪いもの」と言いたくなる同僚や上司がいるかもしれません。
そのような人の様子を「跋扈」という言葉を使った文章にしてみましょう。
また危険なエリアに行くと、悪いものがのさばりやすくなります。
このようなエリアに近づいた時に、「悪い人が跋扈しているから帰ろう」などと言って、危険に巻き込まれないよう注意を呼びかけましょう。
「跋扈」を使った例文
「跋扈」を使った例文を見て行きましょう。
「跋扈」の意味や使い方が良く分からないという人も、例文をいくつか見る事で理解できるかもしれません。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
日常生活を送っていると、「跋扈」を使った文章で言い表したくなるような場面を目にする事があります。
そのような場面を、悪いものがのさばるという意味がある「跋扈」を使った文章にしてみましょう。
「飲み屋街で、不良が道行く人にからんでいる。
不良が『跋扈』するような街で飲むのは危険だから帰ろう」とか、「電車の中で酔っ払いが『跋扈』している。
周囲の人の迷惑を考えないなんてひどい」などです。
「君子危うきに近寄らず」と言いますから、できるだけ悪者が『跋扈』しているシーンを避けるようにしましょう。
例文2
ビジネスシーンでも「跋扈」を使いたくなるような出来事に遭遇するでしょう。
そのような場面を、「跋扈」を使った文章にしてみましょう。
「○○専務が社内で『跋扈』している限り、正当な評価を受けられないだろう」とか、「不真面目な社員が『跋扈』している、この会社の先行きは暗そうだ」などです。
「悪い人ほど良く眠る」と言いますが、「悪い社員ほど元気だ」というのも、本当の事のようです。
「誰か社内を『跋扈』しているあいつらを追放してくれ」と願ったり、「これだけダメな社員が『跋扈』している会社には見切りをつけて、転職するのが吉かもしれないな…」などと思ってしまう人もいるでしょう。
例文3
テレビのドラマや、小説など、フィクションの世界では「悪者」がたくさん登場します。
そのような場面を、「跋扈」を使った文章にしてみましょう。
「悪の帝王が街を『跋扈』して、市民が辛い目に遭っている。
今こそスーパーヒーローの出番だ」とか、「悪人が『跋扈』する街に、正義の味方が降り立った」などです。
勧善懲悪の物語の最初は「悪人が『跋扈』している」シーンから始まる事が多くなっています。
だからこそ、正義の味方が悪人を倒した時に、気持ちがスッキリするのでしょう。
「怪獣が『跋扈』していた星に降り立ったヒーローが、怪獣をすべて倒して平和を取り戻した」、「怪人が『跋扈』し、誰も住めなくなっていた街に、正義の味方が平和をもたらした」という感じです。
ヒーロー物の作品を書く時は、まず悪人を「跋扈」させてみてはいかがでしょうか。
「跳梁跋扈」とは?
「跳梁跋扈」という言葉があります。
先ほどから意味や使い方を見てきた「跋扈」と「跳梁」という言葉を組み合わせたものです。
「跳梁跋扈」は「ちょうりょうばっこ」と読みますので、これを機会に読み方だけでも知っておきましょう。
「跳梁」は「ちょうりょう」と読み、悪いものがはびこって動き回る事という意味があります。
「跳梁」の「跳」は「跳躍」「跳ねる」という言葉に使われるように、「はねる」という意味があります。
さらに「跳梁」の「梁」という感じにも飛び跳ねるという意味があります。
このように同じような意味を持つ、「跳梁」と「跋扈」が合わさった事で、「悪いものがのさばり、動き回る」という意味の四文字熟語になっています。
難読漢字で作られている「跋扈」の読み方や意味、さらには使い方や例文を見てきました。
難しい漢字ですが、意味は分かりやすく、文章に使いやすい言葉だと思います。
悪いものが調子に乗っている、のさばっているシーンを見たら、「跋扈」という言葉で、そのシーンを言葉にしてみてはいかがでしょうか。