「酔狂」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
あなたの身の回りにも、なんだか変わっている人はいませんか?不審者の事ではなく、変わり者です。
普通とは少し違う感性を持っていて、まわりを驚かせるような人です。
今回紹介する「酔狂」という言葉がぴったりと似合うかもしれません。
それでは、「酔狂」について読み方から使い方までしっかり解説していきます。
目次
- 「酔狂」の意味とは?
- 「酔狂」の類語や言い換え
- 「酔狂」の使い方
- 「酔狂」を使った例文
- 「酔狂」を使った言葉
- 「酔狂な人」の特徴
「酔狂」の意味とは?
「酔狂」には2つの意味があります。
まず、「物好きで、風変わりなことをするさま」や「普通は人のしないようなことを好んですること」を指す言葉です。
2つ目は、読んで字のごとく「酒に酔って常軌を逸する、取り乱す」という意味です。
使われている文脈から、どちらの意味で使われているか判断する必要があります。
- 「酔狂」の読み
- 「酔狂」の1つ目の意味
- 「酔狂」の2つ目の意味
「酔狂」の読み
「すいきょう」と読みます。
「酔う(よう)」という字を「すい」と読みますので、誤読に気を付けましょう。
「酔」の字を「すい」と読む有名な言葉に、「酔拳(すいけん)」や「麻酔(ますい)」があります。
「酔狂」の1つ目の意味
一つ目の意味は、その意味通り、「普通ならしないようなことを自分から好んでする」というものです。
例えば、外へ出るときわざわざ裸足になる人はいません。
怪我をするかもしれませんし、何より素足に地面が当たって歩きづらいし痛いからです。
しかし「酔狂な人」であれば、普通はみんなが靴を履くのに対して、自分は普通と違って裸足で歩いてみようとするのです。
「これをやってみたらどうなるのだろうか」という好奇心ですね。
このような、好奇心がもとで普通はしないような行動をとるためにまわりから「変わり者」だと思われるような人の事を指して、「酔狂」だと表現します。
「酔狂」の2つ目の意味
もう一つの意味は、まさに使われている漢字の通りの意味です。
お酒に酔うと人は気が大きくなって、いつもならしないような変な行動をとったり、まわりへ迷惑をかけたりします。
酔って、狂った人のようになってしまうということです。
酔っても自分を保っていたり陽気になるだけの人もいますが、「酔狂」はどちらかというと「取り乱す」酔っぱらいを指しますので、良い意味ではありません。
「酔狂」の類語や言い換え
「酔狂」と同じような意味の言葉を2つ解説します。
類語を知ることで、「酔狂」について理解を深めていきましょう。
- 「物好き」【ものずき】
- 「奇妙」【きみょう】
「物好き」【ものずき】
よく使われる言葉ですので、意味をご存知の方も多いでしょう。
普通の人は好まないことをあえて好む人を指して使います。
一般的な感覚とは少し外れている、という意味合いでも使われます。
「世間一般的には理解されないことを好む人」ということです。
「物好きだね」という言葉にはその言葉通り、「普通の人なら好まない事が好きとは、変わっているね」という気持ちや「普通じゃないから理解できない」という皮肉がこもっている言葉でもあるため、使う際には注意した方が良いかもしれません。
「奇妙」【きみょう】
この言葉も普段から頻繁に使われる言葉です。
「普通の考えでは理解できない不思議なさま」や「風変わり」であることを指します。
人だけでなく、物事に対しても使います。
また、変わっている様子を示すだけでなく、趣や面白みがあることを指して使うこともあります。
「酔狂」の使い方
「酔狂」とは、簡単に言ってしまえば「変人」だということです。
人に対して使うなら「あなた変人ですね」と言っているようなものです。
ですから、「あなたはなかなかに酔狂ですね」と誰かに言ったとします。
これに対して言われた側は、喜ぶか怒るかの二択です。
使う場面には注意しましょう。
特に、目上の人に使うのはやめておいた方が良いでしょう。
失礼です。
しかしながら、「変わっている人」というのは、普通の思考では思いつかないような次元で物事を考えている節があります。
もしかすると、あえて変なことをやっているという自覚がある人なら「酔狂ですね」と言われると喜ぶかもしれません。
「酔狂」な人、「酔狂」なことを進んで行う人というのは、「普通が嫌だ」と日々感じている人が多いのです。
あえて普通の人がしないことをやってみることで、新しい発見があったり、見落としに気づくこともあります。
自分が変わり者であることを自覚している人や、暗にアピールしてくる人には「酔狂だね」という言葉は褒め言葉となるのです。
「酔狂」を使った例文
次に、例文を参考にして実際の使い方をマスターしましょう。
- 「酔狂」の例文1
- 「酔狂」の例文2
「酔狂」の例文1
「真冬の海でバーベキューなんて、なかなか酔狂な考えだね」
「酔狂」というのは、普通はしないようなことを好んですることです。
この例文のように、冷たい風が吹きすさぶ真冬の海で遊ぼうと思う人はなかなかいません。
波も荒れて寒く、快適とは言えないでしょう。
それをあえてやりたいと思う人というのは、普通の考えからは少し外れている変わり者だとまわりに思われます。
きっと「酔狂な人」は、「普通はしないからこそ、何か楽しい事や新しい事が発見できる」と期待しているのかもしれません。
それは変だよ、というよりも「酔狂だね」という方が、「普通は考えないよ」と諫める言葉をオブラートに包んで伝えられます。
「酔狂」の例文2
「こんなことが趣味だなんて、あいつは酔狂な奴だ」
世の中には物好きな人がいます。
十人十色という言葉があるように、人はそれぞれ見た目も性格も、そして好きなことや嫌いなこともそれぞれ違うのです。
一般的には好まれない趣味や、理解されにくい趣味というものがあります。
例えば一昔前までなら「アニメ」でしょう。
オタクという言葉が生まれるほど、偏っている趣味だとされていました。
どこからが普通なのかという線引きが難しいものですが、大衆に受け入れられやすいものか、一部にしか通じないものかで考えると良いでしょう。
「酔狂」はもちろん、後者に含まれます。
「酔狂」を使った言葉
「酔狂」を使った言い回しには昔から有名なものもあります。
3つご紹介します。
- 「伊達や酔狂ではない」
- 「酔狂な人」
- 「酔狂にも程がある」
「伊達や酔狂ではない」
「伊達(だて)」というのは「見栄を張ったり、着飾ったりしてかっこつける」という意味合いで使われる言葉です。
「伊達や酔狂ではない」というのは、「かっこつけや物好きではない」ということで、「自分は真剣だ、真面目に考えているんだ」ということを指す言葉です。
「酔狂な人」
この表現はとても使われます。
「変人」や「変わり者」と言われると、カチンときませんか?意味合いとしては同じですが、オブラートに包むように「酔狂な人ですね」と言われるとなんだか悪い気がしない人も多いようです。
しかし、意味は「変人」と同じですから、使う相手は考えましょう。
「酔狂にも程がある」
何事にも、「限度」というものがあります。
ちょっとした親切も、度が過ぎればただのお節介になりますよね。
そういった、程度を考えず、限度を超えた言動をした相手を非難する言葉として「〜にも程がある」という言い回しをします。
「酔狂にも程がある」というのは、「物好き、変わった行動にも程度ってものがある」という意味です。
度を超して人に迷惑をかけていては、ただの変わり者では済みません。
この言葉は、「酔狂」な行動を非難するときに使う言い回しです。
「酔狂な人」の特徴
「酔狂な人」というのは、自分がそういった変わり者であることや、自分がやっている行動が常識から外れていることを自覚している人が多いのです。
「こうしてみたら面白いのではないか」という好奇心の強さや、「何故普通はこうしないのか」という新しい発見を求めている人なのです。
そういった意味では、常識だけでは思いつかない、優れたアイディアを思いつく人でもあるのかもしれません。
いかがでしたか。
変わり者であったり、変なことを進んでやる人。
それが「酔狂な人」だと言われています。
あなたのまわりにも、「酔狂な人」はいませんか?程度を考えない人はただの迷惑な人であり、度を超せば法に触れるようなこともあるかもしれません。
しかし、程度をわきまえて人に迷惑をかけない範囲で、「酔狂な事」を楽しめる人というのは、アイディアに富んでいる面白い人が多いものです。