「立役者」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語の紹介!
「立役者」の言葉の意味と由来を紹介します。
さらに「立役者」の類語や、「立役者」を使った例文などを紹介して行きます。
目次
- 「立役者」の意味とは?
- 「立役者」の類語や言い換え
- 「立役者」を使った例文
- 「立役者」の対義語
「立役者」の意味とは?
「立役者」という言葉を聞いた事があるでしょうか。
「役者」という言葉が付くくらいですから、華々しいイメージの言葉だと勘が鋭い方は気付くかもしれません。
そこで「立役者」の言葉の意味と由来について紹介します。
- 「立役者」はそもそも歌舞伎の言葉
- 「立役者」の意味とは?
- 歌舞伎から生まれた言葉
「立役者」はそもそも歌舞伎の言葉
「立役者」は「たてやくしゃ」と読みます。
「立役者」という言葉は、そもそも歌舞伎の世界で使われている「立役(たちやく)」という言葉が由来になっています。
「立役」はそもそも、歌舞伎役者の中の「男役」の事を意味しました。
女性役は「女方」といって、座りながらセリフを言うシーンが多いのに対して、男性の役はたちながら演技をするシーンが多いからです。
時代を経ると、「男性役」=「立役」から、「男性役の中で主役を務めるような重要な役」=「立役」と言葉の意味が変わっていきました。
そこから「芝居の看板を張るような重要な役柄」を「立役」というようになりました。
「立役者」の意味とは?
「立役」の事を「立役者」と読んで、「芝居の看板を背負えるような大きな役者」の意味になっています。
今でも歌舞伎の世界や演劇の世界では、その舞台の看板になるような役者の事を「立役者」と呼ぶ事があります。
また演劇の世界から意味が広がって、「立役者」は「中心となって活躍する人」の事を意味するようになりました。
例えば、職場の中で全体を引っ張って活躍する事ができる人の事を「立役者」と呼びます。
また大きな事業を成功させる原動力になった人を「立役者」と言います。
このように漫画やドラマ、小説でいえば、「主人公」のような意味が「立役者」にはあります。
歌舞伎から生まれた言葉
ちなみにイケメンを「二枚目」、面白い人を「三枚目」と表現する事があります。
これらの語源も歌舞伎の世界での役者の呼び方が基になっています。
「黒子」という裏方仕事をする人の事を意味する言葉も、歌舞伎から生まれています。
歴史ある歌舞伎は、いくつもの日常的に使う言葉を生み出しているのです。
「立役者」の類語や言い換え
次に「立役者」の類語や似た意味の言葉への言い換えをチェックしてみましょう。
「立役者」のような華々しい言葉が、たくさん登場してきます。
- 「主人公」【しゅじんこう】
- 「ヒーロー」【ひーろー】
- 「大物」【おおもの】
- 「リーダー」【りーだー】
- 大黒【大黒】
- 「大御所」【おおごしょ】
- 「コンダクター」【コンダクター】
「主人公」【しゅじんこう】
「主人公」という言葉は、誰でも聞いたことがある、とてもメジャーな言葉です。
漫画や小説、ドラマなどには、必ず「主人公」が登場します。
「主人公」は映画や小説、漫画などの「主要な人物」になります。
すべての物語は、「主人公」の目や心を通じて語られて、「主人公」に感情移入しながら物語を楽しみます。
また芝居の「立役者」もほとんどの場合「主人公」を演じますので、重なる部分が多い言葉です。
そのため、リアルな世界の「立役者」と「主人公」も似た意味の言葉になります。
ビジネスシーンでも、仕事の中心として活躍する人の事を、「このプロジェクトの「主人公」は○○さんだ」などと表現する事があります。
「ヒーロー」【ひーろー】
映画やドラマ、小説などの主人公の中で、男性役の人を「ヒーロー」と呼びます。「男役の中で、看板を張れる役者」が「立役者」ですから、「ヒーロー」とほとんど同じ意味と見て間違いないでしょう。
また「ヒーロー」という言葉には、正義感と勇気があって、大活躍をするようなイメージがあります。
しかし小説や漫画の世界では、正義感や勇気がある主人公ばかり登場するわけではありません。
そのため、悪い主人子を「ダークヒーロー」と読んだり、勇気がない主人公を「ダメなヒーロー」と読んだりします。
ちなみに女性の主人公は「ヒロイン」と呼びます。
「大物」【おおもの】
「大物」は「おおもの」と読み、組織やグループ、団体の中で重要な位置を占めている人の事を指します。
「立役者」は歌舞伎一座の世界の「大物」です。
会社なら「社長」など取締役は「大物」に呼ばれるはずです。
特に政治家の世界には「大物」と呼ばれる人が多いです。
「リーダー」【りーだー】
「リーダー」という言葉も良く耳にする事が多い、言葉ではないでしょうか。
「リーダー」は直訳すると「指導者」という意味になります。
日本では、アイドルグループなどで責任を持つ人の事を「リーダー」と呼ぶ事が多いです。
アイドルグループの「リーダー」はグループの責任者の一人ではありますが、指導をしたりはしません。
どちらかといえば、「キャプテン」という意味合いと近いかもしれません。
しかし登山隊の「リーダー」は、隊員の命を左右する判断をまかされる重要なポジションで、本来の「リーダー」の意味に近いでしょう。
大黒【大黒】
「大黒柱」という言葉も良く耳にするのではないでしょうか。
「大黒柱」は家を支えるいちばん重要で太い柱の事です。
その事から、「一家の大黒柱」などと、その家の家計を支える人を意味する言葉になっています。
「大御所」【おおごしょ】
「大物」に近い意味の言葉に「大御所(おおごしょ)」があります。
その世界の大物、大家の事を意味します。
「立役者」もその世界での「大御所」を兼ねる事が多く、強い力を持っています。
ただし「大御所」のイメージは高齢者が多く、どちらかといえば「ベテラン」という意味合いが強くなっています。
「コンダクター」【コンダクター】
「コンダクター」という言葉を知っているでしょうか。
「コンダクター」とはオーケストラの指揮者の事です。
オーケストラにはたくさんのメンバーが参加していますが、全ての動きを決めるのは「コンダクター」です。
そしてオーケストラにおける指揮者のように、様々な世界の「コンダクター」は、自分の意のままに組織を操って、大きな成果を上げています。
また「コンダクター」には「旅行の添乗員」という意味もあります。
「立役者」を使った例文
「立役者」という言葉を使った例文を見て行きましょう。
何か大きな事業を成功させた人や、ムーブメントを盛りあげた中心人物に対して「立役者」という言葉を使うとしっくりきます。
例えば「テレビゲームのブームを作り上げた「立役者」は、○○名人だ」とか、90年代のサウンドを盛りあげた「立役者」は、○○というバンドだ」という感じです。
「立役者」に指名する人の名前を聞いて、聞いた人が納得できる人を入れる事がポイントです。
「立役者」の対義語
最後に「立役者」の対義語や、180度違う立場にある言葉を紹介します。
「立役者」と光と影になるような言葉です。
- 「端役」【はやく】
- 「エキストラ」【】
「端役」【はやく】
「立役者」が舞台の中心に立つ、看板役者なのに対して、「端役」はたいして重要ではない役の人を意味します。
会社の中でも、あるプロジェクトの「立役者」もいれば、「端役」に過ぎない人もいるでしょう。
もし自分が様々な場面で「端役」だと感じている人は、いつかは主役や主役に準じる役回りを得られるように、頑張りましょう。
「エキストラ」【】
「端役」よりも下の立場といえるのが、臨時雇いの脇役を意味する「エキストラ」です。
ほとんどセリフが無く、目につかない役回りです。
「立役者」は歌舞伎の世界から生まれた言葉です。
そのため、「立役者」に似た意味の言葉は、「主人公」や「ヒーロー」など、華々しい言葉ばかりです。
今はそのようなキラキラした立場ではなくても、いつかは「立役者」や「主人公」になれるかもしれません。