「言い得て妙」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
「言い得て妙」は相手の発言内容に感心した時に使うことが多い言葉ですが、どのような意味があるのでしょうか?
「言い得て妙」の類語・反対語・使い方・例文などについて、詳しく解説していきます。
目次
- 「言い得て妙」の意味とは?
- 「言い得て妙」の類語や言い換え
- 「言い得て妙」の使い方
- 「言い得て妙」を使った例文
- 「言い得て妙」の由来
- 「言い得て妙」の反対語
- 「言い得て妙」の「妙」について解釈
「言い得て妙」の意味とは?
「言い得て妙」の意味は、「物事や現象を言葉を用いて巧みに(上手に)言い表している様子」のことです。
言い得て妙の意味を文字通りに解釈していくと、「物事について言葉で言うことができていて素晴らしい」ということになります。
漢字の「妙」には、「不思議(神秘的)なこと+変なこと」といった意味合いもありますが、「言い得て妙」の言い回しに使われている「妙」には不思議や変わっているの意味合いはありません。
「言い得て妙」の慣用的表現における「妙」の漢字は、「(言語の表現や発想が)優れている+凡庸ではなく素晴らしい」といった意味合いになってきます。
「言い得て妙」という言葉は、話している相手が当意即妙な返事をしてきたり、巧みな比喩表現(メタファー)で人物・物事を言い表したりした時に、その「言語表現の巧みさ・素晴らしさ・絶妙さ」を評価して言う言葉なのです。
- 「言い得て妙」の読み方
「言い得て妙」の読み方
「言い得て妙」の読み方はそのまま、「いいえてみょう」になります。
「言い得て」という言葉は、「言い得る(言うことができる)」という表現をすることは可能ですが、「言い得ている」という表現は通常はまず使いません。
「言い得て」という言い方自体も、「言い得て妙」以外の形では使われることがありません。
「言い得て妙」の読み方は「いいえてみょう」でシンプルなのですが、「言い得て+妙」という単語の組み合わせは、現代まで生き残っている違和感のない日本語の中では唯一の組み合わせになっている可能性が高いのです。
「言い得て妙」のイントネーションは、「て」の音を若干下げるように発生しますが、特別なイントネーションというわけではなく最後の「みょう」を明瞭に発音すると意味が伝わりやすいでしょう。
「言い得て妙」の類語や言い換え
「言い得て妙」の類語や言い換えには、どのようなものがあるのでしょうか?「言い得て妙」の類語・言い換えについて、分かりやすく紹介していきます。
- よく言ったものだ
- 的を射た表現
- レトリック(修辞)
よく言ったものだ
「言い得て妙」の類語・言い換えとして、「よく言ったものだ」があります。
よく言ったものだの意味は、「上手く表現しているものだ・よく巧みな言葉の表現を思いついた」になります。
皮肉・冷笑を込めて「よくもまあ、そんなことが言えたものだ」という反語的な意味合いで使われることもあります。
「よく言ったものだ」を使った例文としては、「とても丁寧で礼儀正しい子供を見て驚いたが、そのご両親とお会いしてみて納得することができたよ。ご両親の礼儀正しい振る舞いと丁寧な言葉遣いの美しさ、お客さんのもてなし方に感心してしまった。『子は親の鏡』とはよく言ったものだ。」などがあります。
的を射た表現
「言い得て妙」の類語・言い換えとして、「的を射た表現」があります。
的を射た表現の意味は、「物事を的確に言い表した表現+現象(出来事)の核心を突いた表現」になります。
弓矢の矢が的を正確に射抜くように、「言葉の表現」が物事や出来事、人物を正しく言い表しているという意味になっています。
「的を射た表現」を使った例文としては、「大リーグに行って活躍しているエンゼルスの大谷翔平選手は、ピッチャーとしてもバッター(野手)としてもずば抜けたセンスと実力を持っている。大谷翔平選手を指して「二刀流」というのは本当に的を射た表現だ。肘の靭帯の手術をしたばかりで少し心配だが、きっと二刀流の凄い日本人選手としてまた大リーグを賑わわせてくれるに違いないよ。」
などがあります。
レトリック(修辞)
「言い得て妙」の類語・言い換えとして、「レトリック(修辞)」があります。
レトリックの意味は、「効果的な言語の表現方法・修飾方法(修辞法)」になります。
レトリックとは言葉で物事や現象を適切に上手く表現するために使われてきた伝統的な言葉の修飾技法のことで、メタファー(比喩)や叙述法などが含まれています。
「レトリック(修辞)」を用いた例文としては、「古代ギリシアの時代から人間は言葉を効果的に用いるためにレトリック(修辞)を磨いてきたが、物事は言い回しを少し変えるだけで全く違った様相を見せてくる」などがあります。
「言い得て妙」の使い方
「言い得て妙」の使い方は、「発言内容の素晴らしさ」に対して使うのではなく、「表現(修辞)・言い表し方の素晴らしさやセンスの良さ」をポジティブに評価する時に使うということです。
「言い得て妙」を使う時には、「言い回しの巧みさ・機知や比喩に富んだ表現・冴えた言葉」に対して使うのです。
「言い得て妙」を使った例文
言い得て妙を使った例文として以下のようなやり取りを考えることができます。
A「岡田さんは帰国子女でネイティブスピーカー並に話せるのに、あの英語教師はよく発音の注意なんてできるよね。」
B「確かに、岡田さんの英語のスピーキング能力のほうが圧倒的に高いからね。井の中の蛙が、釈迦に説法をしてるようなものだ。」
A「言い得て妙!」
「言い得て妙」の由来
「言い得て妙」の由来は、「言い表すことができる+素晴らしい・優れている」ということにあります。
「妙」の漢字の意味としてある「素晴らしい・優れている」は、相当に古い時代からあります。
特に古代中国の漢訳仏典に「妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)=通称は法華経(ほけきょう)」があり、その時代から「妙法=素晴らしい教え」という妙の漢字の意味が成り立っていたのです。
言い得て妙の由来・語源の正式なエピソードや時代背景はありませんが、「言語表現・言い回しの妙(素晴らしさ)」という漢字の意味に起源があると考えることができるでしょう。
「言い得て妙」の反対語
「言い得て妙」の反対語には、以下のようなものがあります。
「言い得て妙」の反対語として、「筆舌に尽くしがたい+隔靴掻痒+舌足らず」について分かりやすく説明していきます。
- 「筆舌に尽くしがたい」【ひつぜつにつくしがたい】
- 「隔靴掻痒」【かっかそうよう】
- 「舌足らず」【したたらず】
「筆舌に尽くしがたい」【ひつぜつにつくしがたい】
「言い得て妙」の反対語として、「筆舌に尽くしがたい」があります。
筆舌に尽くしがたいの意味は、「物事の程度がはなはだしくて、言葉や文字では十分に表現し尽くすことができない」になります。
物事や人物の程度のはなはだしさが、良い場合にも悪い場合にも使われることがあります。
言い得て妙が「物事の本質を言葉だけで十分に上手く表現している様子」という意味であるのに対して、筆舌に尽くしがたいは「物事の内容が激しかったり複雑だったりして、言葉だけでは表現しきれない」を意味しています。
「隔靴掻痒」【かっかそうよう】
「言い得て妙」の反対語として、「隔靴掻痒(かっかそうよう)」があります。
隔靴掻痒の意味は「物事が思い通りにならずにもどかしいこと(靴の上からかゆい所を掻くもどかしさから)」もありますが、「言葉が本質や核心に触れることがなく、思っていることが上手く伝わらずにもどかしいこと」という意味もあります。
言い得て妙が「物事の本質や核心を的確に言い表している様子」という意味であるのに対して、隔靴掻痒は「枝葉末節などうでもいいことばかりを言って、物事の本質に触れないこと」を意味しています。
「舌足らず」【したたらず】
「言い得て妙」の反対語として、「舌足らず(したたらず)」があります。
舌足らずの意味は、「言葉数が少ないために、自分が伝えたいことを十分に表現することができていないこと」になります。
言い得て妙が「巧みに言い表している様子」という意味であるのに対して、舌足らずは「言葉数自体が少なくて言い表し方が下手な様子」を意味しているのです。
「言い得て妙」の「妙」について解釈
上記で繰り返し説明してきたように、「言い得て妙」の「妙」という漢字には「不思議である・変わっている(変である)」という意味だけではなく、「言葉で表せないほどに素晴らしい・優れている」という意味もあります。
「言い得て妙」の「妙」は、後者の「言葉で表せないほどに素晴らしい・優れている」という意味を持つものとして解釈されています。
優れているの意味を持つ「妙」を使った熟語として、「妙技・絶妙・妙味・妙案・妙齢」などを上げることができるでしょう。
「言い得て妙(いいえてみょう)」という言葉について徹底的に解説してきましたが、いかがだったでしょうか?言い得て妙の意味は、「言葉で上手く巧みに言い表している様子」になります。
言い得て妙の「妙」の漢字には、「言い表せないほどに素晴らしい・優れている」という意味があります。
言い得て妙の類語・言い換えには「よく言ったものだ」「的を射た表現」などがあります。
「言い得て妙」の言葉について詳しく知りたい時には、この記事を参考にして下さい。