「不真面目」な意味は?面白い言葉の由来とは?類語や対義語・例文
「不真面目だね。」
などと言われると良い気持ちがしません。
さて、このあまり良い気持ちのしない「不真面目」という言葉、一体どのような意味や成り立ちを持つのでしょう。
詳しくみていきましょう。
目次
- 「不真面目」の意味とは?
- 「不真面目」の類語や言い換え
- 「不真面目」の使い方
- 「不真面目」の例文
- 「不真面目」の対義語
「不真面目」の意味とは?
「不真面目」とは、「真面目」という言葉に「不」という打ち消しの語がついた言葉です。
こういう言葉の頭につく打ち消しの語を「接頭語」(せっとうご)といいます。
つまり、「不真面目」の「不」は、「真面目」の接頭語にあたります。
「不真面目」という言葉は、本来、「真面目」という言葉がもとになっています。
「真面目」の意味としては、「真剣であること」「本気であること」「誠実であること」などを表す言葉となります。
つまり、この「真面目」に「不」という打ち消しの接頭語がついた「不真面目」という言葉には、これとは反対の意味が込められていることとなります。
つまり、「不真面目」の意味は「真剣ではないこと」「本気でないこと」「誠実ではないこと」です。
怠けた様子、ふざけた様子、適当な様子が伺われます。
さて、この「不真面目」の中にある「真面」(まじ)という言葉ですが、「瞬ぐ」(まじろぐ)という言葉からきているそうです。
「瞬ぐ」とは「瞬きをすること」を意味する言葉です。
「瞬ぐ」の例文を挙げてみます。
「彼女は少しも瞬がずに恋人の顔をじっと眺めた。」
(彼女は少しも瞬きすることなく、恋人の顔をじっと眺めた。)
このように「瞬ぐ」には「瞬きをする」という意味が込められた言葉となっています。
なぜ、この「瞬きをする」という意味の「瞬ぐ」が「真面目」に関係するのかというと、人は真剣な表情をするとき、目だけを瞬かせ、他の体の部位は静止していることが多いからです。
何かに真剣に聞き入っているときは、じっと動かずに、でも目だけはそちらの方向に向け、瞬きだけをしているものです。
その様子を「瞬ぐ」は表現しています。
最後に「真面目」の「目」は、人の顔についている「目」の意味です。
つまり、「真面」の「目」、「瞬ぐ目」という意味です。
真剣に目を向けて、本気で取り組んでいる目を表しています。
「不真面目」の類語や言い換え
「不真面目」の類語や言い換えを挙げてみます。
- 「チャラい」【ちゃらい】
- 「不誠実」【ふせいじつ】
- 「軽薄」【けいはく】
「チャラい」【ちゃらい】
「チャラい」とは若者言葉です。
「不真面目」を若者言葉に置き換えるならば「チャラい」という言葉が妥当でしょう。
「チャラい」とは、軽はずみな言動が多く、物事を深く考えずに行動するような人を指す言葉です。
特に男女間の恋愛においては、お尻が軽く、不特定多数の異性とお付き合いしている人、あるいは様々な異性にアプローチしているような人を指す言葉です。
「不真面目」と同様、真剣な様子がなく、行き当たりばったりの適当な人生を歩んでいる様子が伺える言葉です。
「この人、チャラそう。」
などという評価は褒め言葉ではありません。
人を否定しているときの表現のため、言われる側としては不快に感じる言葉です。
例文としては、「この子、チャラそうだし、すぐに騙せそうじゃない?」(この子、よく考えていなさそうだし、すぐに騙せそうじゃない?)などが挙げられます。
「不誠実」【ふせいじつ】
「不誠実」とは「誠実」という言葉に「不」という打ち消しの接頭語がついた言葉となります。
「誠実」というと、私利私欲をまじえずに、真摯に人や物に向き合うことを表す言葉です。
そのため、「不誠実」ではその反対の意味となり、私利私欲をまじえて、人や物に向き合う様子を表す言葉となります。
ちなみに、「不誠実」の「誠」は「偽りのない心」を、「実」は「本当の」「真実の」という意味があります。
二つ合わせて、「偽りのない本心」という意味になります。
人や物に対して、上っ面などではなく、心から真面目に物事に向かう様子が伺える言葉です。
「不誠実」はこの反対の意味となるので、上っ面ばかりの態度や心ない態度、人や物に対し真面目に向き合おうとしない様子などを表す言葉だと分かります。
例文としては、「不誠実にも、彼は他の女性と結婚してしまった。」(彼女に対し、真面目に向き合うことなく、彼は他の女性と結婚してしまった。)などが挙げられます。
「軽薄」【けいはく】
「軽薄」とは、言動に慎重さを欠いて、真実みの感じられないことを意味します。
「軽薄」の「軽」は「軽い」、「薄」は「薄い」という漢字で、考えが浅く、薄っぺらくて信頼できない様子などを表しています。
「軽薄な人だ」などというと、「信頼できない人」「物事を深く考えていない人」という意味になります。
言われて良い気持ちにする言葉ではありません。
例文としては、「彼の軽薄さに、彼女も嫌気がさしたのだろう。」(彼の信用できない様子に、彼女も嫌気がさしたのだろう。)などが挙げられます。
「不真面目」の使い方
「不真面目」はどのような場面で使われるのでしょうか。
意味から推測するとこのような場面のときに使えそうです。
- 真剣に取り組んでいないとき
- 本気になっていないとき
- 誠実に向き合っていないとき
また、「不真面目」という言葉を使うときは、以下のような品詞をつけて使うことになります。
「不真面目な」「不真面目に」「不真面目さ」などの品詞がそうです。
「不真面目」の例文
「不真面目」の例文を挙げてみます。
- 「不真面目」の例文1
- 「不真面目」の例文2
「不真面目」の例文1
「彼は不真面目そうに見えてそうではない。」
(彼は本気に取り組んでいなさそうに見えるが、そうではない。)
「不真面目」の例文2
「このような不真面目な態度をとっていると、試合に負けてしまうよ。」
(このような怠けた態度をとっていると、試合に負けてしまうよ。)
「不真面目」の対義語
「不真面目」の対義語は言わずもがな「真面目」となります。
「不真面目」が「怠けている様子」「誠意のない様子」「ふざけている様子」「心のない様子」を表すのに対し、「真面目」といえば「真剣な様子」「本気な様子」「誠実に向き合っている様子」を表す言葉です。
この二つの言葉は相反する言葉となっています。
で「真面目」という言葉には、「瞬ぐ」という意味の言葉が入っており、人の真剣な様子を表現していると紹介しましたが、今度は使用している漢字にスポットを当て、意味を見ていきましょう。
「真面目」は「真」と「面」と「目」という言葉に分けられます。
「真」とは「真実の」「本当の」「まじりけのない」という意味になります。
そして「面」は「顔つき」「表情」の意味を、「目」は人の顔についている「目」を表す言葉となっています。
つまり、「真面目」とは漢字から意味を推測すると、「真実な表情をした目」「偽りのない顔つきをした目」という意味になり、物事に真剣に取り組む様子や真摯に向き合っている様子が伺える言葉となります。
「瞬ぐ」という漢字が「真面」という漢字に変化を遂げたのは、こうした漢字の意味があったからかもしれません。
瞬きだけをして真剣な表情で取り組んでいる目が「真面目」と表現されているのでしょう。
例文としては、「君の真面目な態度に感心するよ。」
(君の物事に本気になって取り組む様子に感心するよ。)
「真面目な声で君は話した。」
(真剣な様子の声で君は話した。)
などが挙げられます。
人が一生懸命に物事に取り組んでいるときに、不真面目な人がいると迷惑です。
せっかく本気で取り組もうとしているのに、邪魔するかのように真面目に取り組まない様子をみると、イライラしてテンションが下がります。
「不真面目」な人は、人に悪い影響を及ぼすことがあります。
あなたも「不真面目な人」と言われ、イライラされないように気を付けましょう。