「前世」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
数年前に流行った映画の挿入歌のタイトルにも使用された「前世」ということばについて考えてみませんか。
目次
- 「前世」の意味とは?
- 「前世」の類語はなんだろう?ことわざはあるの?
- 「前世」はどのようなシチュエーションでつかうのだろう?
- 「前世」を使った例文
- 「前世」を英語で表現すると?
「前世」の意味とは?
今という時間は、過去からずっと続いているものです。
生まれてから今現在までの間に起こったことは自分の記憶や経験として残っているのではないでしょうか。
この「前世」とは、この世、つまり、今現在生活を送っている世界に生まれる前の世界という意味です。
- 「前世」の読み方
- 仏教における「前世」
- 「前世からの因縁(いんねん)」
- 自分の「前世」が何だったかわかる?
- 「前世」と「輪廻転生(りんねてんしょう)」
- 「前世」はある?ない?
「前世」の読み方
「ぜんせ」または「ぜんせい」と読みます。
仏教における「前世」
仏教では、時間を実在するものとは見ません。
変化し移ろいゆく現象や存在の中で、仮に時間的な区分として、「前世(ぜんせ)」「現世(げんせ)」「来世(らいせ)」の三つの「三世(さんぜ)」を立てるに過ぎないのです。
人々が生まれる前に送った一生が「前世」、現在送っている一生は「現世」、そして死後に転生して送る一生が「来世」といいます。
「前世からの因縁(いんねん)」
よく「前世からの因縁」という表現を聞いたことはありませんか?恋愛でいえば、例えば同じ会社であまり話しもしたことがない人に映画館や、行きつけのお店でばったり出会ったりと、なぜかタイミングよく出くわすひとがいると、不思議な縁を感じて段々と気になったりしますよね。
また、スポーツ競技などでも、なぜかいつも対戦することになる勝負相手を「因縁のライバル」「宿命のライバル」などといいます。
無宗教が大半といわれる現在の日本でも、前世から何かしらの縁があって、現世でもめぐり合ってしまうのだと表現するのは、生活の中でも仏教の考え方を持つことが多いからかもしれません。
自分の「前世」が何だったかわかる?
「前世の自分が何者だったか知りたい」と思うひとは少なくありません。
「前世を知りたい」と検索すると、約二百万件以上の検索結果がでてきます。
今現在の自分がどのような人間なのかがよくわからない、前世を知ることで自分を知りたい、という思いがあるのかもしれませんね。
前世を知る手がかりとして、同じことがあったような、この場所に来たことがかるような気がするデジャブ感や、会ったことないのに知っていると感じる人、強い直感を感じるとき、同じ夢を何度もみるなどということが前世とつながっているといわれています。
「前世」と「輪廻転生(りんねてんしょう)」
「輪廻転生」とは、死んであの世に還った霊魂が、この世に何度も生まれ変わってくるという意味です。
「輪廻(りんね)」とは輪が回ると書くように、同じ所をぐるぐる回ること、「転生(てんせい)」とは、生まれ変わることです。
生まれるということは、必ずその先には死が待っています。
しかし、肉体の死であって、その魂は次の世にまた引き継がれていくという考え方なので、輪廻転生には、必ず「前世」が関わっているのです。
「前世」と「現世」と「来世」
目には見えない不思議な世界に興味があれば「前世」の存在を信じる人が多いのではないでしょうか。
「来世」は、全てが終ってしまう事への恐怖を乗り越える手段としても宗教的意味合いで人々に信じられてきました。
また、「来世」があれば、必ず「前世」が存在します。
「現世」は「来世」の視点でみれば、「前世」ですよね。
このつながりが、輪廻転生です。
「前世」はある?ない?
「あなたの前世はフランスの貴族だった」だとか、「前世は昆虫だった」などと前世の存在を肯定するテレビ番組があります。
「前世」の存在は、とてもスピリチュアルなので、否定派ももちろんいます。
「前世」が、生まれる前の一生だということは、今生活を送っている現世のわたしたちは、何かの生まれ変りだということですよね。
姿かたち、性別、種族などが違っていたとしても、魂(たましい)だけが変わらず、今現在のわたしたちを作っている…では、「自分」の元だったものは何だったのでしょうか。
そもそも地球上の初期の生命はバクテリアや、微生物だとすると…「前世」がある、ないは、「タマゴが先か、ニワトリが先か」と同じく、実に哲学的な話になりますね。
「前世」の類語はなんだろう?ことわざはあるの?
「前世」を言い換えてみると、どのようなことばになるかと思いますか?類語や前世に関連することわざを集めてみました。
- 「前生」【ぜんしょう】
- 「宿世」【すくせ】
- 「先世」【せんぜ】
- 「因縁」【いんねん】
- 「袖すり合うも他生の縁」【そですりあうもたしょうのえん】
「前生」【ぜんしょう】
「前生」は、「さきしょう」とも読みます。
意味は「前世」と同じです。
「宿世」【すくせ】
「宿世」は、「すくせ」のほかにも、「しゅくせ」「すぐせ」という読み方があります。
意味は、過去の世、つまり前世と同じですね。
「宿」には、前世から、以前から、長く持ち続けているという意味があり、前世からの因縁、宿縁、宿命という意味もあります。
「先世」【せんぜ】
「先代(せんだい)」や「先祖(せんぞ)」などに使われる「先」は、現在から過去にさかのぼる方向で前の方である、つまり昔という意味ですね。
「先」の「世」である「先世」は、この世に生まれてくる前のことをいうことばです。
「因縁」【いんねん】
「因縁(いんねん)をつける」というと、言いがかりをつけるという意味ですよね。
この「因縁」は、もともとは仏教用語で、すべての物事は、物事が起こる元である「因(いん)」と、間接的な条件である縁(えん)の二つの働きによって起こると言われています。
「言いがかり」の意味のほかには、「前世」から定まった運命や宿命のことをいいます。
「袖すり合うも他生の縁」【そですりあうもたしょうのえん】
「他生(たしょう)」とは、前世からの因縁の意味です。
道で見知らぬ人と袖がちょっと触れ合うようなささいなできごとでも、それは単なる偶然ではなくてすべて前世からの因縁によるものだから、どんなささやかな出会いも大切にしなさいねということです。
「前世」はどのようなシチュエーションでつかうのだろう?
不思議な因縁を感じるときに「前世からあなたと恋に落ちる運命だった」などのように使うことがありますし、自分の好き嫌いから連想して前世は動物だった、外国人だったなどと使用する場合があります。
また、「悪人であっても、前世では一つはよい行いをしただろう」などのように、たとえで使うことがありますね。
「前世」を使った例文
- 「こんなにネコが苦手ということは、わたしの『前世』はネズミだったかもしれない」
- 「ひとめ見たときから恋に落ちた二人は、『前世』からのつながりが、あったのではないか」
- 「『前世』の仕事を占ってもらったら、琵琶法師だったよ」
「前世」を英語で表現すると?
「生まれ変わり」の概念は世界中で見受けられます。
生まれ変わるということは、その前に一生を過ごしていた「前世」があるということですね。
- “past life”
- “previous life”
“past life”
“I think I was probably a cowboy in a past life.”(多分、前世はカウボーイだったと思います)
“past”とは、過去ということ。
「過去の人生」で、前世になります。
“previous life”
“I'm pretty sure that I was a dog in my previous life.”(前世は犬だったと確信しているの)
“previous”とは、前の、以前のという意味を持つ英単語なので、「前世」という意味になります。
前世、現世、来世とは、魂の流れをいったものです。
魂が実体化している時と魂だけの時があり、物質と同化して実体化している時に生命と呼ばれているだけ。
前世も現世も来世であっても、その生命を大事に一生を生きることが大切なのではないでしょうか。