「レッテルを貼る」の意味とは?読み方や類語、使い方や例文を紹介!
「レッテルを貼る」の意味と類語を紹介します。
さらに「レッテルを貼る」を使った例文、「レッテルを貼る」人の心理などについて紹介します。
目次
- 「レッテルを貼る」の意味とは?
- 「レッテルを貼る」の類語
- 「レッテルを貼る」を使った例文
- 「レッテルを貼る」人の心理
「レッテルを貼る」の意味とは?
「レッテルを貼る」という言葉があります。
これはどちらかといえば、ネガティブな使われ方をする言葉です。
「レッテルを貼る」という行為は、あまり良い結果を生み出さない可能性が高いからです。
そもそも「レッテル」とは何を意味しているのでしょうか。
「レッテル」は荷物などにくくりつけて、商品の中身を区別する「タグ」の別名です。
「レッテルを貼る」という行為をイメージする時は、出会う人や、目にした物事にタグを括り付ける人を想像すると視覚化しやすいと思います。
さらにタグには「ある人や物事に対する評価」が書いてあります。
「悪い人」「怖い人」とか「敵」とか…「味方」とか「親友」とか「最悪なやつ」とか…そのタグに書かれた評価はざっくりとしていて、さらに決めつけや偏見に満ちた内容です。
このように「レッテルを貼る」とは、ある人や物事に対して「あいつは○○な人だ」とか「あれは○○だ」など、「先入観や偏見に満ちた評価のタグを括り付ける事」を意味する言葉です。
例えば会った瞬間に、見た目の印象だけで「怖い人」というレッテルを貼ってしまうと、その人が実は優しくても、自分に対して良い事をたくさんしてくれたとしても「怖い人」というイメージは拭い去る事ができません。
逆に「親友」だというレッテルを貼った人が、それから自分に対して敵意むき出しでひどい事をしたとしても、「親友」という思い込みは拭い去る事ができず辛い思いをする事になります。
このように「ものすごい極端な決めつけ」「偏った見方」の事を「レッテルを貼る」といいます。
「レッテルを貼る」クセがある人は、様々な困難に出会う事になりそうです。
「レッテルを貼る」の類語
「レッテルを貼る」とは先入観や偏見が強い人が、人や物事にたいして早い段階で評価を確定し、その評価を覆さない様子を表現した言葉です。
また「レッテルを貼る」には同じような言葉や類語がありますので、チェックしてみましょう。
- 「色眼鏡で見る」【いろめがねでみる】
- 「烙印を押す」【らくいんをおす】
- フィルターをかける【ふぃるたーをかける】
「色眼鏡で見る」【いろめがねでみる】
「色眼鏡で見る」という言葉も「レッテルを貼る」に似た言葉です。
「色眼鏡」は「偏った見方」を具体的な物で表しています。
「緑色のレンズのメガネ」をしていたら、世の中はすべて「緑色」に見えてしまいます。
また「赤色のレンズのメガネ」をしていたら、世の中は赤くなってしまいます。
サングラスをしたまま室内で過ごしていると、世の中が夜のように暗く見えます。
「色眼鏡」をしている事に気付いている時は問題ありませんが、もし気付かずに「色眼鏡」を掛けて生活をしていたら、間違ったものの見方をしたまま、人生を送る事になります。
「色眼鏡」は強い偏見を意味しています。
どんなに素敵な物を見ても、「世の中は汚い」という色眼鏡を掛けていたら、汚く見えてしまうでしょう。
偏った見方、フィルターが掛かったものの見方をするという意味で「レッテルを貼る」行為ととても似ています。
「烙印を押す」【らくいんをおす】
「レッテルを貼る」とほとんど同じ意味の言葉が「烙印を押す」です。
「烙印」とは鉄製のハンコのようなもので、以前は焼いた鉄製のハンコを罪人に押し付けて、「烙印」を付けたといわれています。
烙印はやけどのように跡が残るので、一生消える事はありません。
一度の犯罪で、一生罪を背負って生きる事になります。
つまり「烙印を押す」時は、消す事ができないような「悪い評価」を誰かに対してつける事を意味します。
「烙印を押す」場合、「レッテルを貼る」よりも強く、さらにネガティブな評価に限られます。
「レッテルを貼る」という場合は、悪い評価だけでなく、良い評価をする事もあります。
ただし、どちらかといえば「悪い評価」をつける事のほうが多く、良い評価をしても、それが悪い結果につながりやすいため、「烙印を押す」と同様にネガティブなイメージが付きまといます。
「レッテルを貼る」とは人によっては「烙印を押す」と同じ意味になります。
よりマイナス思考な人ほど、「烙印を押す」機会が多くなるでしょう。
フィルターをかける【ふぃるたーをかける】
「フィルターをかける」という言葉も、「レッテルを貼る」と似た言葉です。
目の前で何かが起こった時、そこには様々な要素が含まれていると想像できます。
例えば目の前に誰かが現れた時、その人にはポジティブな面もネガティブな面もあるでしょう。
しかし、「フィルターをかける」タイプの人は、その人の「ある一点」だけに注目してしまい、物事を判断してしまいます。
例えばその人が男性で、少し毛深い時に、その毛深さだけに注目して、「男性ホルモンが強い人」「不潔な人」などという評価を確定させてしまいます。
フラットな状態でその人を見る事ができれば、清潔な服装、整った髪型、白い歯や、素敵な笑顔にも注目が行くはずです。
しかし「フィルターをかける」人は、その人の一点に集中して、それ以外を見ようとはしません。
その人の「レッテルを貼る」までの時間が早く、そしてとても偏っている事が分かります。
「フィルターを掛ける」人は、世の中で起こっている出来事や、周囲にいる人のほんの一部しか見ないで、世界を分かったような気持ちでいます。
「レッテルを貼る」を使った例文
「レッテルを貼る」という言葉を自由に使うために、「レッテルを貼る」を使った例文をチェックしてみましょう。
「レッテルを貼る」人の気持も透けて見えてくるかもしれません。
- 「レッテルを貼る」を使った例文1
- 「レッテルを貼る」を使った例文2
「レッテルを貼る」を使った例文1
「レッテルを貼る」人は、極端な言葉で人を評価してしまいがちです。
そしてとても些細な出来事から、ある人に極端な「レッテルを貼る」事があります。
例えば会社で飲み会が開かれる事になりました。
しかしAさんは「自分は飲み会に誘われていない」という事に気付きます。
Aさんは自分が職場でスポイルされているのではないかと、とても慌てます。
いてもたってもいられなくなって、幹事に話をすると、「ごめん!メールのCCに入れてなかった」と言いました。
飲み会の一斉通知の項目から、たまたまAさんのメルアドが漏れてしまっていたのです。
Aさんは幹事にその場で飲み会に誘われて、無事に飲み会に参加する事ができました。
しかしAさんの心の中には疑念が湧き続けます。
「あいつはわざと、自分だけ一斉通知から外したんだ」「嫌な奴だし…頭がおかしいやつだ」「あいつは危険だ」という風に、心の中で「レッテルを貼る」行為が過熱して行きます。
結果的に「あいつは悪魔だ」という「レッテルを貼る」事になりました。
このようなAさんの様子を例文にすると「Aさんは飲み会の幹事を恨んで、結果的に「悪魔」という『レッテルを貼った』」となります。
忙しい仕事の合間を縫って飲み会の幹事をやり、Aさんの事を誘い忘れただけで「悪魔」というレッテルを貼られてしまうのは、割に合わない感じがします。
他の人に言わせれば、飲み会の幹事をした社員は、悪魔でも何でもないでしょう。
「レッテルを貼る」を使った例文2
「レッテルを貼る」相手は、周囲で起こる出来事や、会社の同僚や友達だけとは限りません。
「レッテルを貼る」人がいちばんレッテルを貼りやすいのは、実は「自分自身」だからです。
普通に生活をしていれば、様々な失敗をしてしまいます。
細かいミスを失敗とみなした場合、一日に何度も失敗をしてしまうでしょう。
ほとんどの人は、そのような小さなミスはすぐに忘れてしまうはずです。
しかし「レッテルを貼る」タイプの人は、自分が起こした小さなミスから自分にレッテルを貼ってしまいます。
例えばスーパーで買い物をして家に帰ったら、買ったはずの物が袋に入っていない事に気付きます。
もしかしたらカゴから袋に移す時に、見逃してしまったのかもしれません。
または袋を持って帰るまでの間に、零れ落ちてしまったのかもしれません。
ほとんどの人は「もったいないな」と思うものの、それきり忘れてしまうでしょう。
しかし「レッテルを貼る」人は、「自分は何てダメなやつなんだろう」と思ってしまいます。
そして「ダメだ、ダメだ、本当にダメだ」と自分を責めてしまいます。
しばらくすると「自分は人生の落伍者だ」という「レッテルを貼る」事になります。
この後、どんなにいい事があっても「レッテル」は剥がれずに、「落伍者」として生きる事になります。
この様子を例文にすると「小さなミスをしただけで、あの人は自分に『人生の落伍者』という『レッテルを貼った』」となります。
自分にネガティブな「レッテルを貼る」時は、「落伍者」というような強い言葉を選びがちですので、注意が必要です。
「レッテルを貼る」人の心理
すぐに「レッテルを貼る」人の心理はどのようになっているでしょうか。
いくつかの共通する特徴がありますのでチェックしてみましょう。
- 偏見や先入観がある【へんけんやせんにゅうかんがある】
- 感情で物事を判断する【かんじょうでものごとをはんだんする】
偏見や先入観がある【へんけんやせんにゅうかんがある】
「女性より男性の方が頭がいい」とか、「金髪の人は不良だ」など偏見や先入観がある人は、「レッテルを貼る」傾向にあります。
偏見や先入観があると、人を区別しやすいため、ほとんど自動的に「レッテルを貼る」からです。
見方の癖が強く、ほとんどの人や物事を誤解したまま生活を送る事になります。
偏見や先入観を持つきっかけになったのは、例えば両親の影響かもしれません。
このような場合、家に帰って家族で話をするたびに、偏見や先入観が強くなってしまいます。
なかなか自分では偏見や先入観に気付けないでしょう。
「レッテルを貼る」癖がある事にも気付けないかもしれません。
感情で物事を判断する【かんじょうでものごとをはんだんする】
感情的な人は、事実ではなく感情で物事を判断してしまいます。
例えば、女性に囲まれて育った、男性慣れしていない女性がいます。
この女性の目の前に、背が高くて毛深い、男性らしい男性が立った時に、「怖い」と感じてしまうかもしれません。
そしてその男性に「怖い人」という「レッテルを貼る」可能性があります。
その男性は、確かにその女性からすれば、怖く感じるかもしれません。
しかし、男性慣れしている女性からすれば、全然怖くないかもしれません。
むしろ話をしたら面白くて、女性ファーストの目線を持っている素敵な人かもしれません。
仕事ができて優秀で、経済的に恵まれている、「彼氏にしたい男性」かもしれません。
しかし「怖い」という感情だけで、男性に「レッテルを貼る」ので、その男性の他の部分を客観的に見る事ができません。
感情的になりやすい人は、「レッテルを貼る」癖がある人かもしれません。
「レッテルを貼る」という言葉は、日常生活でも使いやすい言葉です。
自分や周囲の人の中に「レッテルを貼る」癖がある人がいるかもしれません。
「レッテルを貼る」と自由な物の見方ができなくなります。
「レッテルを貼る」癖がある人は、なるべく早くその癖を無くすようにしましょう。